アドリア海とアペニン山脈の豊かな自然の恵みがつくりだすマルケのワイン

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アドリア海とアペニン山脈の豊かな自然の恵みがつくりだすマルケのワイン

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マルケ州のワインとは

ルネサンス期の巨匠ラファエロの生誕地でもあるウルビーノや、
城壁に囲まれた中世の雰囲気を残す歴史と芸術の街アスコリ・ピチェーノ、
古代から栄え続けている港町のアンコーナなど、
イタリアの観光地として人気の高いマルケ州。
本日は、そんな風光明媚なマルケ州で造られるワインについてお話します。

マルケのテロワール

イタリア中東部に位置する南北に細長いマルケ州は、東側はアドリア海、
西側はトスカーナ州とウンブリア州との州境にあるアペニン山脈があり、
北側にはエミリア・ロマーニャ州、南側にはラツィオ州とアブルッツォ州と、
さまざまな州に面しています。
アドリア海の海岸線は173kmにもなり、アドリア海からとれる海の幸と、
アペニン山脈からとれる山の幸の両方が楽しめる食文化をもっています。
また、州全体の約7割は丘陵地で、残り3割が山岳地帯で2000mを超える高い山々が連なり、
海側は地中海性気候で、内陸は大陸性気候と異なる気候をもっています。
そのため、年間の平均降雨量が多く、季節により北東からの冷たい風と、
南東からの温かい風が吹く影響を受け素晴らしいミクロクリマを生み出しています。
ブドウ畑は、こうした特異なテロワールを持つ丘陵地帯に広がっており、
土壌は主に粘土質と石灰質です。

マルケから造られるワイン

マルケ州でワイン造りがはじまったのは、
古代ローマ時代にギリシャからワイン造りが伝わったことが起源とされており、
紀元前3世紀中頃から紀元前2世紀の前半には、
アンコーナ南方のアドリア海を一望する丘陵地帯のコーネロで造られる
赤ワインが親しまれていたと言われています。
また、古代ローマ帝国の皇帝が、マルケ州の甘口ワインを愛飲していた記録もあり、
アドリア海の沿岸部は早くからワインの銘醸地として知られていました。
中世には、修道士によって高品質なワイン造りが広まり、
その後、ウルビーノを中心にワイン造りがおこなわれていきました。
現在、マルケ州のワイン生産量は、2012年時点で917,000hℓあり、
マルケ州の白ワインは輸出が盛んで、世界的に知名度が高く人気ですが、
意外にも赤ワインの生産量の方が半分以上を占めており、
知名度は低いもののクオリティの高い赤ワインが造られています。

マルケワインの特徴

マルケ州を代表する白ワインといえば、
ヴェルディッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ
1950年代にアンフォラ型のボトルが話題となり、一躍世界に広まりました。
沿岸部の広い範囲で造られるこのワインは、
マルケ州の固有品種である白ブドウ品種ヴェルディッキオを使っており、
イタリア語で緑を意味するヴェルデの名前の通り、
緑がかった色合いが特徴で、フレッシュでフルーティな味わいに、
後味に程よい苦味とミネラル感があり、アドリア海でとれた新鮮な魚介と
相性ピッタリの白ワインです。
ヴェルディッキオで造られるワインは、早飲みタイプが主流ですが、
ウンブリア州に近い内陸部にあるマテリカで造られるヴェルディッキオ・ディ・マテリカは、
アペニン山脈の影響により昼夜の寒暖差が大きいため、
より酸が強く長期熟成可能なワインを生みます。
2010年には18ヶ月間の法定熟成期間を経て造られる
カステッリ・ディ・イエージ・ヴェルディッキオ・リゼルバがD.O.C.G.に昇格しました。

マルケ州の赤ワインと言えば、コーネロ
1967年ロッソ・コーネロがDOC認定を受け、
その後、長期熟成させたリゼルヴァタイプのみが独立し、
DOCGになりコーネロと呼ばれるようになりました。
コーネロは、85%以上のモンテルプチアーノと、
15%のサンジョヴェーゼで造られ、最低アルコール度数は12.5%以上、
最低熟成期間は24か月のパワフルな赤ワインです。
コーネロのブドウ畑は、アンコーナの南の標高100m~300m前後の、
岩の多い石灰質と粘土質を含む土壌で、豊かなミネラルを含んだ
水はけはよい丘陵地帯にあり、モンテルプチアーノを栽培するのに最適なテロワールで、
モンテプルチアーノの高いアルコール度数と濃厚な味わいに、
サンジョヴェーゼの、しっかりとした酸とタンニンから造られるコーネロは、
濃いルビーのような色合いで、
しっかりとした果実味の中に、スパイシーさが感じられ、
凝縮感のある甘みとまろやかなタンニンが心地よいワインです。

マルケ州で造られるコーネロ

 

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