まだ日本ではなじみの薄い希少なマケドニアのワインとは

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まだ日本ではなじみの薄い希少なマケドニアのワインとは

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マケドニアのワインとは

マケドニアという国をご存じですか?
旧ユーゴスラヴィアの構成国の1つで、
1991年の独立当初の国名であるマケドニア共和国をめぐり、
ギリシャとの間で論争が生じたこともありました。
現在は北マケドニアという国名になり、一時衰退していたワイン産業も復活し、
現在、高品質なワインが次々に生みだされています。
そこで、本日はマケドニアのワインについてお話します。

マケドニアについて

マケドニアは、旧ユーゴスラヴィアの最南端に位置する人口200 万人ほどの小国で、
南はギリシャ、東はブルガリア、西はアルバニア、北はセルビアおよびコソボと、
四方を外国に囲まれた内陸に位置しています。
マケドニアの正式な国名の日本語表記は2019年2月まではマケドニアもしくはマケドニア共和国でしたが、
現在、北マケドニアもしくは北マケドニア共和国と記載します。
(こちらの記事ではマケドニアで表記します)
マケドニアのワイン造りの歴史は古く、紀元前3 世紀、かの有名なアレキサンダー大王の
活躍拠点となった地でもあったため、紀元前からすでにワイン造りがおこなわれていた
ヨーロッパの中でも古い産地の1つです。
マケドニアは地理的にも他国からの侵略がはげしい地域で、
北から西ゴート族、フン族、アヴァール人そしてスラヴ人などが侵入を繰り返し、
7世紀初頭には、この地域の多くはスラヴ人の居住地域となっていました。
第一次世界大戦後は、旧ユーゴスラヴィアの一部となり、
その間はワインとウォッカの産地として発展し、1980年代には、
ユーゴスラヴィアのワイン生産量の約3分の2を占めていました。
ユーゴスラヴィア崩壊後、新国のワイン生産量は劇的に減少し、
1990年代半ばに180万ヘクトリットルだった生産量は、
20年で3分の1以下になり、現在は徐々に生産量が増え、
80か所ほどのワイナリーが存在しています。

マケドニアのテロワール

マケドニアは、深い盆地と谷が特徴の山岳地帯に覆われており、
オフリド湖、プレスパ湖、ドイラン湖の3つの大きな湖や、ヴァルダル川など水源が豊かな地域で、
ブドウ畑はヴァルダル川渓谷などの低い場所に広がっています。
ヴァルダル川渓谷の土壌は、礫、砂、泥などの砕屑物が堆積した沖積層と、
広く分布する砂礫の洪積層、シネモニック土壌、レンジニック土壌などでおおわれています。
マケドニアは地中海性気候と大陸性気候の境界にあり、夏と秋は暖かく乾燥し、
特に7月と8月は、最高気温が45度まで達する日もあるほど気温が高くなり、
冬は穏やかな気温で比較的安定しています。
マケドニアの中央にあるヴァルダルリバーバレーのワイン産地は乾燥地域に属しており、
この地域の降雨量は、マケドニアの他の地域と比較して40%少なく、
年間降雨量は440mmから740mmほどです。
マケドニアのワイン産地は大きく分けて3つ地域に分かれており、
国の中央に位置するヴァルダルリバーバレーは、
マケドニアワインの総生産量の87.4%を占める最大の産地です。
南部と南西部にかけて位置するペラゴニアでは、マケドニアワインの6.4%ほどが造られており、
国の北東に位置し、最も山が多く最も乾燥した気候を持つプチニャは、全体の6.1%ほどが生産されています。

マケドニアで栽培されているブドウ品種

白ワイン用のブドウ品種は、シャルドネやソービニヨン・ブラン、リースリングといった国際品種も多く
栽培されていますが、マケドニアの固有品種であるスメデレフカが最も多く栽培されており、
マスカットに似たアロマを持つテムヤニカや、マケドニアで古くから栽培されているジラフカ、
またワイン発祥の地とされるジョージアでよく栽培されているルカツィテリなどが栽培されています。
赤ワイン用のブドウ品種は、強く、黒く、力強い馬を意味するヴラネックという
マケドニアの固有品種が最も多く栽培されており、
そのほか、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョン、シラー、ピノ・ノワールといった
国際品種が多く栽培されています。

マケドニアのワインの特徴

マケドニア固有の黒ブドウ品種であるヴラネックから造られるワインは、
強く、黒く、力強い馬を意味する名前からも分かるとおり、
深く濃い赤い色調をもち、とても香り高く豊富なタンニンから、
熟成に耐えられる深くバランスのとれた絶妙な味わいの赤ワインになり、
デイリーで飲めるワインから、高級ワイン、甘口のデザートワインまで造られています。
マケドニア固有の白ブドウ品種であるスメデレフカから造られるワインは、
フルーティーなアロマを持ち、アルコール度数が低く、
フレッシュな味わいのため、早飲みに最適な白ワインです。
また、マケドニアの夏は非常に暑いため、スメデレフカの白ワインを炭酸で割り、
ブナーと呼ばれるスプリッツァーで飲むのが一般的です。

マケドニアのワイン産地

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