テロワールって何?ブドウ栽培やワインの味を大きく左右する土壌について テロワールの特徴を反映したおすすめのワイン5選

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テロワールって何?ブドウ栽培やワインの味を大きく左右する土壌について テロワールの特徴を反映したおすすめのワイン5選

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土壌がワインに与える影響

おいしいワインはおいしいブドウからと言われるように、ワインの出来は、ブドウの出来に大きく左右されます。
また、そのブドウの出来を大きく左右するのが、ブドウを育てる土壌です。
本日は、ブドウを栽培するのに適した土壌についてお話します。

ワインやブドウで欠かせない存在の土壌

フランスではテロワールという言葉があるように、土壌、気候、日照、地形など、ブドウが育つ自然環境要因に昔から重きを置いてきました。
なかでも、ブドウ栽培において土壌はとても大事な要素で、土壌がブドウの味わいに大きく影響を与えます。
例えば、海の近くの土壌で育つブドウで造られたワインは、海水のようにほんのり塩味が感じられるミネラルが豊富な味わいになったり、これは、貝などの化石を多く含んだ石灰質の土壌で育つブドウに多くみられます。
このように、ブドウの味に直接影響を与える土壌は、ワインの個性を生み出します。

優れた土壌とはどういうもの?

それでは、ブドウを育てる上でもっとも優れた土壌はどんな特徴があるのか?
一般的には、野菜や果物などの作物を育てる場合、大ぶりでしっかりとした味わいのある作物を安定的に収穫するためには、栄養が豊富な肥沃な土地が選ばれます。
しかしながら、ブドウ栽培において優れた土壌は、栄養が豊富で肥沃な土地とは反対の痩せた不毛の土地なんです。
それには、ブドウの木の特性が関係しており、ブドウの木は地中数メートルの奥深くまで根を伸ばし、地中に根をしっかりと張り巡らせることで、地中にあるさまざまな栄養を吸収し、ブドウの実に送ります。
痩せた土地であるほど、ブドウの木は地中に深く根を張り巡らせるので、地中からミネラルなどの栄養を得ることができるのです。
栄養豊富な肥沃の土地の場合、ブドウの木は、地中深くに根を張らず、逆に地表から上へ上へと伸びてしまう特性があり、果実に栄養が十分にいきわたらず、凝縮された味わいのブドウが育たないのです。
また、ブドウの木にとってとても重要な要素の1つに、水はけのよさがあります。
雨量が多い土地ではブドウが育ちにくいというのを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ブドウにとって水分量が多い土地は、根腐れしやすく、また、水分が多すぎるとブドウの果実が水っぽい味わいになります。
逆に、適度に乾燥した土地はブドウがカビなどの病害にかかりにくく、根腐れもおこしにくく、また、水分が足りないことで果実が小さくなり、糖度が上がってブドウの凝縮感が高まります。
とはいえ、カラカラに乾燥した大地がブドウ栽培に適しているというわけではなく、水分が停滞せずに、地中の中へ流れていき、地中深くである程度溜まる保水性のある土壌が、ブドウの栽培において適した水はけのよい土地になります。

優れた土壌とは?

土壌の種類と味の違い

ブドウを育てる上で、優れた土壌がどのような土壌か分かったところで、土壌のさらに深い地層部分について触れていきましょう。
前述のとおり、ブドウは地中深くに根を張り巡らせることで、地中のさまざまな栄養を取り込み、果実に送ります。
そのため、地表の土壌よりも地中深くにある地層の種類がブドウの味わいに大きな影響を与えます。
地層の種類としては、粘土層、石灰層、昔海だったところが陸にかわってできた泥灰岩層、山岳地帯に多くみられる片岩層、花崗岩層、片麻岩層、海洋や河川など扇状地による砂層、砂礫層、砂利層、また、火山岩層や玄武岩層、太古の地層の白亜土層やジュラ層などがあります。
地層ごとにできるブドウの味わいが異なり、そのブドウから造られるワインの味わいもそれぞれ特徴があります。
粘土層では、タンニンが豊富な厚みのあるオイリーな味わい。
石灰層では、繊細でキレイな酸を感じられるエレガントな味わい。
片岩層では、ミネラルが豊富なすっきりとした味わい。
花崗岩層では、芳醇な香りにバランスのとれた味わい。
泥灰岩層では、パワフルな果実味の力強い味わい。
火山岩層では、スモーキーな香りとミネラル感のある深い味わい。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
土壌と一口に言っても、さまざまな特性を持った土壌があり、その土壌の特性を生かして造られたブドウから、個性豊かなワインが生まれます。
土壌の特性が強く出たワインなどを飲んでみるのもまたワインの別の楽しみ方ですね。

ワインの味を大きく左右する土壌について

テロワールの特徴を反映したおすすめのワイン5選

ル・シズィエム・エレマン・風土(テロワール)
「中国のナパ・ヴァレー」と称される中国のワイン産地「寧夏」。
この寧夏が現在のように注目されるよりも少し前、フランス人醸造家であるアモリ・ド・サンセイ氏がこの地を訪れ、寧夏でワイン造りを代々営なむ優れたワイン生産者の王平来氏と出会い、フランスの醸造技術とテロワールに関する知識に、中国の陰陽五行の思想に基づいた農業のノウハウが融合したワイン造りのプロジェクトが誕生しました。
こうして生まれた「ル・シズィエム・エレマン」シリーズは、初リリースだった2018年ヴィンテージがロンドンアワードやアメリカアワード等の国際ワインコンクールで金賞を受賞し注目を集めています。
「テロワールを映す品種」と言われるピノ・ノワールは、この寧夏の砂質・砂利質風土地で典型的な特徴を完璧に表現しており、まさに風土(テロワールTerroir)という名にふさわしいワインに仕上がりました。
イチゴ、ラズベリー、カラント、ブラックベリーなどの赤系・黒系果実の美しいフレッシュなアロマに、ドライローズやドライレッドフルーツの芳醇な香りも感じられ、口に含むと、丸みを帯びたシルキーな味わいで、アタックはクランベリーやブラックカラントに加え、エレガントな革の香りに見事な美しい酸が感じられます。
まさにフランスのブルゴーニュスタイルを彷彿とさせる、非常にバランスのとれた繊細なワインです。

ル・シズィエム・エレマン・風土

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クロ・リュネル
サン・テミリオンで頂点を極めたシャトーであるシャトー・パヴィなどを所有する、ペルス家がカスティヨンで手掛けるワインです。
2001年にシャトー・ラペイロニーからクロ・リュネルとなり、8,5ヘクタールの小さなワイナリーは、テロワールの大いなるポテンシャルを現わし、最初のヴィンテージからパーカーポイント93点という高評価を受けることになります。
ボルドーのテロワールを愛するジェラール・ペルスの新たな挑戦は、今ではボルドーのグラン・クリュに見事に溶け込んでいます。
粘土石灰質の質の高い土壌に、南向きで最適な日照量、斜面による雨水の自然な排水、石灰質の基層による優れた水分管理で、さらに白い粘土質の土壌が熱を逃がすため、ブドウは早熟で高品質なワインを産むブドウ栽培に適した理想的なテロワールと言えます。
醸造でもテロワールを反映したブドウの特性を活かすため、温度調節機能付きのステンレスタンクで自然にアルコール発酵を開始し、3週間のマセラシオンの後、樽でマロラクティック発酵を行います。
新樽60%で24ヶ月間(うち6ヶ月間は細かい澱の上で)熟成させ、最終的なブレンドはボトリングの際に行われ、清澄やフィルターはかけません。
カシスやチェリーなどの黒系果実のアロマに、フレッシュな木の清涼感のあるアロマで、テクスチャーは力強く堂々としていて、タンニンは熟成を経るごとに磨かれており、フィニッシュには、丸みのあるおおらかな雰囲気があり、心地よい余韻を楽しめる1本です。

クロ・リュネル

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バローロ・ブッシア モスコーネ
テロワールに品質が著しく左右されるバローロ。
1877年ジャチント・モスコーネが、その卓越した見識で見抜き、確保したのがバローロでも最も高名な畑の一つ、ブッシアでした。
ジャチントは、モンフォルテ・ダルバの生産者として成功を収め、彼の没後1944年に息子アンジェロがワイナリーを継ぎ、品質を改良し一家の無限の情熱を現当主である息子たちに引き継ぎました。
ブッシアの畑は、マール、石灰質の土壌で、木々の樹齢は高く、南に開けた畑は日照量が十分なので、毎年高い品質のブドウを収穫できます。
このブドウを活かすべく、モスコーネでは伝統的なバローロのワイン造りを踏襲しており、26~28度の温度を維持しながら15~18日間かけて、ステンレスタンクで発酵。
アルコール発酵後、直ちに自然なマロラクティック発酵を行い、スラヴォニアンオーク大樽へ移し、30か月熟成させます。
チェリーなどの果実のアロマに、トリュフやタールといった複雑なニュアンスも加わり、口に含むとあたたかみある果実味に、火打石を思わせるミネラル香が感じられ、心地よい酸味と細やかなタンニンのある、力強いコクと複雑味が魅力の重厚なバローロです。

バローロ・ブッシア モスコーネ

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ジュヴレ・シャンベルタン ジャン・クロード・ラトー
ジャン・クロード・ラトー氏は、1979年ブルゴーニュのコート・ドール地区で「ビオディナミ栽培」を始めた、実はブルゴーニュにおける自然派栽培の先駆者です。
ラトー氏のワインは、現地フランスで75%が決まった客先に送られるため、輸出は僅か25%のみと、日本へ回ってくるものは非常に少なく、超希少な自然派ワインです。
一般的にビオディナミ栽培に切り替えても、品質に影響が現れ始めるのは7~8年後からと言われています。
ジャン・クロード・ラトー氏は、すでに30年以上も前から「テロワールを表現する」方法として、農薬や化学肥料に頼らず手をかけてブドウを育てることだと考え、ビオディナミ栽培に切り替えて土をよみがえらせ、素晴らしい味わいのワインを生み出しました。
ジャン・クロード・ラトー氏の畑は、ジュヴレ・シャンベルタンでも南寄りの斜面、二つの区画に畑を所有しています。
特級グリオットの南側にあるリュー・ディEn Eteloisと、特級マジ・シャンベルタン、1級畑と続く斜面下方にあるリュー・ディLes Epointuresの2つです。
粘土石灰質土壌に鉄分が混じる、ジュヴレの特徴を備えたテロワールのおかげで、 美しい赤い色調や華やかな香り、若いうちから楽しめて、料理とよく合うタイプのワインを生み出します。

ジュヴレ・シャンベルタン ジャン・クロード・ラトー

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シャルドネ ハイド・ド・ヴィレーヌ
「パリスの審判」で審査員として立会い、カリフォルニアワインの可能性にいち早く気が付いたオベール・ド・ヴィレーヌ氏。
「キスラー」、「パッツ&ホール」などのトップクラスの生産者へブドウを供給してきた「ハイド・ヴィンヤード」のラリー・ハイド氏。
オベール・ド・ヴィレーヌ氏の妻のパメラがラリー・ハイド氏のいとこにあたることがきっかけで、2000年にハイド・ド・ヴィレーヌを立ち上げました。
ハイド・ド・ヴィレーヌはブルゴーニュの伝統的なワインづくりと、ナパヴァレーにあるハイド・ヴィンヤードのテロワールにより、洗練された味わいを生み出し続けています。
テロワールを表現したワインを造るために、樽香を付け過ぎないようにし、樽熟成後は清澄と濾過は行わず瓶詰めされます。
華やかな柑橘類の香りや、梨やアプリコットの果実味とミネラル感、スモークアーモンドのアクセントに、いきいきとした酸がバランス良く広がります。豊富な酸と素晴らしい濃縮感の中にあるシトラスやスパイスの繊細な風味が心地よく、長い熟成のポテンシャルを感じられる1本です。

シャルドネ ハイド・ド・ヴィレーヌ

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