存亡の危機から復活を遂げたブドウ品種ヴィオニエの特徴とは おすすめワイン3選

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存亡の危機から復活を遂げたブドウ品種ヴィオニエの特徴とは おすすめワイン3選

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ヴィオニエ

アプリコット、洋ナシ、白桃などの果実香に、ジャスミン、きんもくせいなどの芳香のある花の香りが特徴的で一度飲むと、その豊かな香りの虜になる人も多いヴィオニエ。
本日は、一時は絶命の危機に瀕しながらも、現在ではさまざまな国で造られるようになったヴィオニエについてお話します。

ヴィオニエの特徴・造られるワインの特徴

ヴィオニエは、フランス南東部ローヌ地方の北部コンドリュー地区で主に生産されている白ワイン用のブドウ品種です。
現在は、アメリカやオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、イスラエルなどでも栽培されていますが、かつてはフランスのローヌでわずかに栽培されているほどで、1960年代フランスでフィロキセラによる被害が広がった際は、ローヌ北部ではわずか8エーカーのブドウ畑しか残らず、当時1900リットルのワインしか生産することができませんでした。
ヴィオニエは暖かく乾いた気候を好むため、カリフォルニアやオーストラリアなどの比較的温暖な産地が適しており、現在は、ニューワールドの産地がかなりの栽培面積を占めています。

ヴィオニエから造られるワインは、きらめく濃いゴールドで、グレープフルーツ、アプリコット、洋ナシ、白桃などの果実香に、ジャスミン、きんもくせいなどの芳香のある花の香りが特徴的です。
粘性のあるオイリーな味わいのものも多く、穏やかな酸とヴィオニエならではのヴォリュームのある口当たりで、厚みのある味わいが特徴です。
温暖な産地では甘口タイプのものもあり、より熟した果実の香りが強く成り、ジャムやコンポート、はちみつなどの凝縮された芳醇な香りが楽しめます。

生産地域による味の違い

■フランス
フランスではローヌとラングドック・ルーションで主に栽培されています。
ローヌでは複数の品種をブレンドするのが特徴ですが、北部コンドリューとシャトーグリエではヴィオニエのみの単一品種ワインが造られ、希少で高貴な白ワインを産出しています。
ローヌ渓谷は大きな石が無数にある急斜面で、日中太陽の熱を石が吸収し、夜間温められた石が熱を放出することで、ブドウがしっかりと熟し、リッチで余韻の長いヴィオニエに仕上がります。
かつて絶命の危機にあったヴィオニエを蘇らせたのも、このローヌ渓谷にあるコンドリューの地域だと言われています。
ローヌ地方では、赤ワイン品種のシラーとブレンドされることが多く、ヴィオニエを20%までブレンドしたワインが造られています。
またラングドック・ルーションでは、温暖な地中海気候の影響を受け、ヴィオニエからリーズナブルなテーブルワインが造られています。

■ニューワールドの主な産地
アメリカ西海岸のカリフォルニアで多く栽培されており、カリフォルニアのセントラルコーストは2000エーカー以上の栽培面積を誇っています。
カリフォルニアのヴィオニエは多くが14.5~15%とアルコール度が高く、パワフルな味わいが特徴です。
またバージニア州で造られるヴィオニエは国際的な注目を集めており、今ではバージニアを代表する白ブドウになりました。
その他には、オーストラリアではシラーズとブレンドされることが多く、ニュージーランド、南アフリカ、日本などでも栽培されています。

ヴィオニエから造られるおすすめワイン

■フランス
E.ギガル コート デュ ローヌ ブラン
ギガル社の創業は1946年と歴史は浅いですが、わずか半世紀で北部ローヌ有数の生産者へと大きく成長し、今では、ローヌを代表するワイナリーです。
透明感のある美しいイエロー。
白い花やアプリコット、白桃、アカシアなど、ヴィオニエの特徴がはっきりと出たアロマが感じられ、フルーティでボリューム感のある味わいが楽しめます。
ステンレスタンクによって温度調節をしながら低温発酵、熟成。
ヴィオニエ55%、ルーサンヌ20%、クレーレット10%、マルサンヌ10%、ブールブーラン5%

■アメリカ(カリフォルニア)
マックマニス・ファミリー ヴィオニエ
マクマニス・ファミリー・ヴィンヤードはロディの南、サン・ホワキン合流の近く、スタニスラウス川に位置しているワイナリーです。
「リヴァー・ジャンクション」地区というカリフォルニアではマイナーだった生産地域において、マックマニスの登場により地区全体が
新たなAVA(アメリカ政府承認ぶどう栽培地域)として認められたほどの実力派。
白い花、パッションフルーツ、マイヤーレモン、洋ナシと熟した桃の香りが広がります。
ジューシーな桃やパイナップル、レモン、青リンゴのフレーバーを引き立てます。
持続した味わいは綺麗なフィニッシュを迎えます。
フレンチオーク樽及びステンレスタンクにて熟成。
ヴィオニエ100%

おすすめワインに合う料理

フルーティーなアロマが楽しめるヴィオニエは、柑橘を使ったソースをかけたローストチキンや、白身魚やロブスターなどのグリルしたお料理にがピッタリ。
また、中華料理やタイ料理などのアジアンやエスニックとも相性がよく、ヴィオニエの香りと果実味が、香りが豊かな料理の味を引き立ててくれます。
またヴィオニエの持つ白コショウやジンジャーのような香りや、粘性のあるオイリーな味わいは、辛味やスパイシーさのある料理のアクセントになり、料理とワインのマリアージュが楽しめます。

ロブスターに合うヴィオニエ

おすすめのヴィオニエワイン

ヴィオニエ セリエ・デ・シャルトリュ
プロヴァンスとラングドックの間、コート・デュ・ローヌの首都コート・ダヴィニョンにあるセリエ・デ・シャルトリュ。
石灰質の畑で生まれるワインは、ミネラル分豊富で舌触りが良く、香り高く仕上がります。
そんな土を守るためにも、農薬や化学肥料は基本的に使用せず、リュット・レゾネと呼ばれる農法で栽培しています。
もともとは自分たちのテロワールを表現するという思いでワイン造りをしていましたが、よりシンプルに、ワイン好きのため、素直に美味しいと思えるワインを造りたいという思いのもと再出発し、プロからワインを熱烈に愛するアマチュアまで、いろんなタイプの人々が情熱を持って運営しています。
セリエ・デ・シャルトリュが手掛けるヴァラエタルシリーズは、一つの品種を100%使い、各品種の特徴を最大限に引き出したソムリエ一押しのワインです。
ヴィオニエは、桃やアプリコットなどの果実のヴォリューム感のある香りと味わいをもつ個性的なブドウで、複雑味と凝縮感のある味わいに仕上がっています。

ヴィオニエ セリエ・デ・シャルトリュ

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ル・ヴィオニエ・ド・ラ・シャペル ドメーヌ・サン・ドミニク
ボルドー左岸のクリュ・ブルジョワのシャトーの中でも常に上位に位置するといわれるシャトー・シサックの当主であるダニエル・ヴィアラールと、エリック・オスタンが、2000年に南フランス、アニアンヌ村に設立した、ドメーヌ・サン・ドミニク。
アニアンヌ村は、カリフォルニアワインの父ロバート・モンダヴィが惚れこんで、一時ワイナリーを設立しようと考えたこともある最良のテロワール。
古い地層で、多彩な土壌によって形成されており、年間300日にも及ぶ高い晴天率で、強い風によって病害虫が少なく、素晴らしいワインを生み出すのに最適なテロワールでは、デイリーワインから高級ワインまで、ブドウ個々の味わいを存分に表現した、素晴らしいワインが生み出されています。
エロー県の谷あいにある斜面に6000本/ヘクタールという密植度の高さで植えたブドウから造られるこのワインは、ハニーサックルやスパイスを思わせるアロマに、フローラルな優しい白い花の香り。
口に含むとクリーミーな質感を感じ、ほんのりバターを思わせる香り。緑色のトロピカルフルーツのような余韻が国の中に残ります。

ル・ヴィオニエ・ド・ラ・シャペル ドメーヌ・サン・ドミニク

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コート・デュ・ローヌ・ブラン ドメーヌ・ド・クリスティア
ドメーヌ・ド・クリスティアは、あの世界的評論家であるロバート・パーカー氏が「ローヌのニュースター」と呼ぶ実力派生産者。
グランドハイアットでもグラスワインとしてオンリストされており、価格は確かに手頃ですが、他のデイリーワインとは明らかに異なる味わい。
気軽に試せる1000円台価格帯で相当な高品質ワインで、自身の特徴をしっかり表現してきているところが、非凡な実力を感じさせます。
ジャスミンやメロン、白いネクタリン、レモン、マンゴーやパイナップルのようなトロピカルフルーツのアロマがあり、ボリュームがあって鷹揚な雰囲気の辛口白ワインで、時間と共に香りが広がり、柔らかく丸みを帯びた味へと変わってゆきます。

コート・デュ・ローヌ・ブラン ドメーヌ・ド・クリスティア

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