干しブドウを原料として造られる希少ワイン アマローネとは

干しブドウを原料として造られる希少ワイン アマローネとは
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干しブドウを原料として造られる希少ワイン アマローネとは

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アマローネとは

イタリア・ヴェネト州のヴェローナ近郊のヴァルポリチェッラ地域で
造られるアマローネ。
その昔、甘口ワインを造る過程で、
発酵させていたワイン樽をうっかりそのままにしてしまい、
完全に糖度がアルコール化してしまったことからできた
偶然の産物がアマローネです。
そこで、本日はイタリア・ヴェネト州の至宝アマローネについてお話します。

イタリアで醸造される最高級のワイン

アマローネの産地は、イタリア・ヴェネト州のヴェローナ近郊のヴァルポリチェッラ地域で、
DOCGの正式名称はアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラと言います。
ヴァルポリチェッラ地域は、ヴェネト州の中でも北の方に位置し、
イタリア最大の淡水湖であるガルダ湖があり、
地中海性気候により年間を通して温暖な気候に恵まれながら、
昼夜の寒暖差も大きいため良質なブドウが栽培されています。
そんなヴァルポリチェッラで造られるマローネは、
もともと陰干ししたブドウから造られるヴェネトの甘口ワインのレチョートを造る際、
うっかり発酵させていたワイン樽をそのままにしてしまい、
完全に糖度がアルコール化してしまった偶然の産物でした。
そこから、試行錯誤し造られたアマローネは、
かつては王侯貴族しか口にできなかったと言われるほど希少価値の高いワインで、
現在でも限られた生産者が少量生産しています。
アマローネという言葉は、苦みという意味を持ち、
ブドウを3~6ヶ月の間陰干しするアパッシメントという製法によって、
じっくりと時間をかけてブドウの水分を蒸発させて、
水分量が40%くらいになって糖度が高まった陰干しブドウを発酵させ、
最低2年以上の樽熟成と6ヵ月以上の瓶内熟成をして造られます。

アマローネの味わいや特徴

アマローネの特徴はなんと言っても、苦み
味わいは、プラムやチェリーなどの黒系果実のジャムのような濃厚なアロマに、
ドライフルーツを思わせる濃密なフルーティーさと、ハーブ、スパイス、コーヒー、
そしてビターチョコレートのほんのりとした苦みが加わり、
様々な要素がバランスよく感じられます。
また、口当たりはシルキーでビロードのような滑らかさがあり、
ボリューム感を感じられるものが多いです。

アマローネを醸造する生産者

マァジ
ネグラール谷のマァジという峡谷に由来して名付けられたワイナリー名のマァジは、
1772年の老舗ワイナリーです。
ヴェネトの伝統的な醸造技術である「リパッソ」を現代に復活させたことで、
その名が一気に世界に広がりました。
現在はヴァルポリチェッラをはじめ、バルドリーノ、ソアヴェ・クラシコなど
様々な場所にワイナリーを所有し、その土地の固有品種で素晴らしいワインを造っています。
1980年代に設立したマァジ・テクニカルグループ(MTG)の、
革新的な研究、技術力はアマローネの生産者の中でも抜きん出た存在です。

コスタセラ・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
熟したチェリーやプラムジャムを想わせる濃厚なアロマに、
ドライフルーツの濃厚なフルーティーさとビターチョコレートのニュアンスがあり、
優しいタンニンで、パワフルでありながらエレガントさもを兼ね備えた1本。
余韻が大変長く、35年は熟成可能です。

コスタセラ・アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ

アレグリーニ
アレグリーニは、16世紀より続く歴史ある名門で、
家族経営の丁寧なワイン造りが評価され、
最上級キュヴェであるアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコは、
1996年以降ワインスペクテーター誌では必ず90点以上の高得点を獲得し、
パーカーポイントを4年連続で95点以上獲得するなど、
常に高い評価を得ている実力派のワイナリーです。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
プラムやプルーンなどの黒系果実の華やかなアロマに、
ふくよかで丸みのあるタンニンが心地よく口に広がり、
少しスパイシーなニュアンスが現れ、ゆったりとした余韻を楽しめる
とてもエレガントなスタイルに仕上がっています。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ

ベルターニ
ベルターニは、鉄やミネラルが豊富な石灰質のブドウを栽培するのに理想的な土地を、
ヴァルポリチェッラ・クラッシコ地区の中心地に計65haも所有するワイナリーです。
創業者であるベルターニ兄弟は、ヴェローナがオーストリアに占領されていた、
1850年から1857年の間、フランスのブルゴーニュ地方に亡命し、
農学博士のグイヨー氏の先進的な畑の管理方法を学び、
帰国後、培った知識と経験を基にベルターニ社を設立しました。
1860年、当時では画期的な辛口ワインである
セッコ・ベルターニ ヴァルポリチェッラ・ヴァルパンテーナをリリースし、
一躍世界にその名を広めました。
ベルターニのこだわりは、収穫時にブドウに傷がつかないよう
全て職人による手作業で行い良質で健康なブドウのみを選別します。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ
プラムやチェリーなど赤系果実のアロマに、
ラズベリーの甘酸っぱいフルーティーさに樽由来のバニラ香がエレガントに感じられ、
スパイスやローストアーモンドなどの様々なニュアンスがバランスよく、
飲みごたえのある1本です。

アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ ベルターニ

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