この記事を読むのに必要な時間は約 13 分です。
「サンジョヴェーゼ」は、赤ワイン用ブドウ品種で、イタリア中西部のピサの斜塔や州都フィレンツェのあるトスカーナ州で多く造られ、イタリアで一番栽培されいてるブドウ品種で、デイリーから長期熟成の高級ワインまでじつにさまざまなワインが造られています。
そこで本日は、イタリア・トスカーナ州で有名なブドウ品種「サンジョヴェーゼ」の特徴とサンジョヴェーゼを使ったおすすめのワインをご紹介します。
イタリアで最も多く栽培されている「サンジョヴェーゼ」
「サンジョヴェーゼ」は、赤ワイン用ブドウ品種で、イタリア中西部のピサの斜塔や州都フィレンツェのあるトスカーナ州で多く造られ、イタリアで一番栽培されいてるブドウ品種です。
一般的には、タンニンと酸をバランスよく備えた赤ワインを造る品種ですが、品質と成熟度によっては個性を発揮するワインを造るとも言われています。
名前の『サンジョヴェーゼ』とは「ジュピターの血」という意味で、古代に起源を発し、古代ローマのエルトリア人にも馴染みのある歴史深い品種だそうです。
また「スーパートスカーナ(スーパータスカン)」と言われる、トスカーナ州を代表する高級ワイン。
伝統的なイタリアワインの中で、世界的に有名な国際品種を使用し現代的な醸造法などを用いて造られるワインですが、国際品種にこの土地特有のサンジョヴェーゼをブレンドすることによって素晴らしいワインになります。
サンジョヴェーゼの味や香りの特徴
サンジョベーゼからできたワインは、明るく透明感のある赤紫色から、非常に濃いルビー色までさまざまな色合いがあります。
強い酸味とやや強い渋みが特徴的で、イチゴやサクランボやプラムなどのフレッシュな果実香に、スミレのフローラル香やスパイス香も感じられます。
サンジョヴェーゼは、長期熟成に耐えるワインが造られ、時間の経過とともに成熟していく深みがあり、熟成したサンジョヴェーゼは、酸味が薄くなり、タンニンがまろやかになりますが、温度が高い年は酸とタンニンの調整が難しく熟練の技術が必要です。
サンジョヴェーゼから造られるワインにあわせるならどんな食事?
しっかりとした酸とタンニンを感じられるサンジョヴェーゼには、やはりイタリア料理との相性がよく、
トマトソースのお料理は最高の組み合わせでしょう。
軽めのサンジョヴェーゼのワインには、酸味のあるトマトソースを使ったパスタや魚料理などとよく合い、フルボディのサンジョヴェーゼのワインには、赤身肉のステーキや、煮込み料理などと合わせると、濃厚なサンジョヴェーゼの風味を感じることができます。
サンジョヴェーゼの亜種から生まれたイタリア三大銘酒「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」
このサンジョベーゼという品種は、ピノ・ノワールと同じく、遺伝的な変異が非常に激しい品種で、同じサンジョヴェーゼという名前がつきながら、「本当に同じ品種?」と思うほど多種多様な味わいを見せてくれます。
たとえば、イタリアの三大銘酒として「バローロ」「バルバレスコ」と並ぶ「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、サンジョヴェーゼの亜種である「ブルネッロ(サンジョベーゼ・グロッソ)」を100%使用し、
熟成期間は最低でも5年(そのうち2年は木樽熟成)などの厳しい規定で造られます。
そもそも、樽熟成が最低5年というのは、ブドウそのもののポテンシャルが高くなければ耐えらない条件。
それだけ、サンジョベーゼ・グロッソはポテンシャルの高いブドウ品種だといえます。
また、サンジョヴェーゼから造られるイタリアワインはその土地によって呼び名が変わることが多いのも特徴です。
・キャンティ
・キャンティクラシコ
・カルミニャーノ
・ブルネロ・ディ・モンタルチーノ
・ヴィーノ・ノビーレ・ディ・モンタルチーノ
・モンテファルコ・ロッソ
・モレッリーノ・ディ・スカンサーノ
サンジョヴェーゼを使ったおすすめのワイン
キャンティ・リゼルヴァ ポッジョ・デ・ジェネーシ
イタリアワインのすばらしさを世界に広めるため、1968年にワイン醸造のエキスパートとマーケティングのエキスパートたちが設立したI.E.I(インスティテュート・エノロジコ・イタリアーノ)は、イタリアのソアヴェローナ)に本拠地を構え、北はピエモンテ、アルト・アディジェから、トスカーナに プーリア、モリーゼ、そしてシチリアにサルデーニャとイタリア全土でファインワインを生産しています。
「ジェネーシ」とははじまりという意味。
銘醸地トスカーナの象徴であり、そのはじまりともいえるキャンティワインに敬意をこめて名づけられました。
土着の自然酵母を使用して発酵をおこない、4か月間オーク樽で熟成した手間暇かけた贅沢なワイン造りで、非常にコスパの高いワインです。
キャンティ・リゼルヴァ ポッジョ・デ・ジェネーシのご注文はこちら
キャンティ マレンキーニ
マレンキーニは、100年以上も続く歴史あるワイナリーで、マレンキーニのワインの礎を築いたのは、「サンジョヴェーゼを扱わせたら 右に出るものはいない」と言われた天才醸造家の今は亡き巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏です。
マレンキーニが造るワインは、スーパートスカーナと呼ばれる「ブルツィッコ」というカベルネ・ソーヴィニョンをベースにボルドースタイルに造られるワインと、キャンティの伝統的な醸造法である大樽で熟成されるサンジョヴェーゼを使用して造られる「キャンティ・コッリ・フィオレンティーニ」が有名。
そんなマレンキーニが手掛けるキャンティは、比較的新しい畑から収穫されるサンジョヴェーゼを使用し、温度管理機能のついたステンレスタンクを使用、12日間スキンコンタクトを行いながら発酵します。
ヴィンテージによりメルローをブレンドすることもあるというスタンダードクラスながらハイクオリティのキャンティです。
赤いベリー系の果実の香りが若々しく、味わいにも好印象のかわいらしい果実味を感じます。
それでいてボリューム感も程よくあり今飲んでおいしいコスパ高なキャンティです。
ブルツィッコ マレンキーニ
マレンキーニが手掛けるブルツィッコは、カベルネ・ソーヴィニョン80%、サンジョヴェーゼ20%のブレンド。
それぞれの品種ごとに発酵を行い、果皮や種も長い間漬け込んで一日2回ポンピングオーバーを行い、色素や成分をしっかり抽出し、滑らかな味わいを表現します。
熟成はそれぞれのワインごとに行い、サンジョヴェーゼは20hlの大樽で12カ月間、カベルネ・ソーヴィニョンは新樽と1回使用した樽を半分ずつ使い、18カ月間樽熟成させます。
ブレンドの後瓶詰、6カ月間瓶内で熟成させ、落ち着かせてからリリースします。
ベリー系の果実のパワフルなアロマにスパイスや樽の印象が強く、味わいにも出ています。
少しこなれたタンニンが力強く、優雅でリッチな気分が味わえる逸品!
キャンティ ヴォルペット
イタリアで唯一人パーカーポイント100点を2度獲得した凄腕の醸造家
ステファノ・キオッチョリ氏がコンサルタントを務めるキャンティ ヴォルペット。
フィレンツェ近くの海抜200~400メートルの地域の畑で造られたブドウを、サンジョヴェーゼ95%、カナイオーロ5%のブレンド比率で、25度にコントロールされたステンレスタンクに入れ、酸素を供給しながら12日間おきます。この間果汁を循環させることで、果皮に含まれる色素などの成分をしっかり抽出し、タンニンをまろやかにしたりします。
マロラクティック発酵で酸味を和らげ、香りと味わいに複雑さを加えました。
このキャンティは黒ブドウ主体のため、一般的なキャンティより、味わいにもより厚みが出ており、構造のしっかりとしたボディの肉厚なタイプです。
活き活きとした果実味のパワフルな味わいで、合わせる料理も牛の赤身肉など、肉料理との相性が抜群です。
レ・ディフェーゼ テヌータ・サン・グイード
テヌータ・サン・グイドがサッシカイアのセカンドラベルとしてリリースしているのが、グイダルベルトです。
早飲みができるサッシカイアというコンセプトのもと、2000年から発売されました。
最初のヴィンテージは、40%のカベルネ・ソーヴィニヨン、40%のメルロー、20%のサンジョヴェーゼで構成され、重厚感のあるサッシカイアよりも、まろやかで滑らかな印象があり、しっかりとした果実味がありながらも美しい酸とスタイリッシュさとエレガントさも兼ね備えた非常にバランスのとれた味わいのワインに仕上がっています。
またサッシカイアのサードラベル的存在のレ・ディフェーゼは、現当主であるニコロ・インチーザ・デッラ・ロケッタ氏が、娘のプリシラ女史の結婚式のためだけに造ったものでしたが、そのクオリティのすばらしさから世にリリースされることになり、現在年間120,000本の生産量で造られています。
70%のカベルネ・ソーヴィニヨンと30%のサンジョヴェーゼで構成され、カベルネ・ソーヴィニヨンの力強さとサンジョヴェーゼの芳醇なアロマが見事に調和しており、渋みと酸味のバランスが素晴らしく、全体的にエレガントな印象のワインです。
ティニャネロ
1971年に誕生したスーパータスカン「ティニャネロ」。
ティニャネロの畑は、キャンティ・クラシコの中心部にあり、標高は340~400haのトスカーナらしい日当たりの良い丘陵地帯で、
日中は暖かく夜間はしっかり冷え込むため、凝縮感のあるブドウが育ちます。
砂利の大きさに砕いた白い石材を、地中に混ぜ込んだ「アルベレーゼ」というアンティノリ独自の栽培方法で育てられたサンジョヴェーゼは、甘いタンニンを持った高品質なブドウに育ち、このサンジョヴェーゼにカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドしてティニャネロは造られます。
明るい紫の鮮やかなルビーレッドの色調で、カシスやブラックベリー、プラムなど黒系果実のアロマに、チェリーやミントなどのハーブとチョコレートのニュアンスが複雑にからみ、口に含むと熟した果実味とバニラの柔らかな香りと、まるみのあるタンニンのバランスが見事に調和して、長く続くエレガントな余韻を感じられるワインです。
テスタマッタ ビービー・グラーツ
オーナーであるビービー・グラーツ氏は、世界的に著名な彫刻家の父のもと、自身も芸術家を志していましたが、1990年代後半トスカーナの自宅の古城で母が造っていたハウスワイン造りの手伝いを始めたところ、次第に従来のワイン造りの概念にとらわれない独自のワイン造りに目覚め、2000年にワイナリーを立ち上げました。
世界最大のワインの見本市である「ヴィネクスポ2003」で3万本のワインの頂点に立ち、一躍世界の注目を集めたテスタマッタ。
テスタマッタに使用されるブドウは、樹齢40年~80年の古木で、醸造はすべて225リットルの新樽を縦置きにし、蓋をあけたまま発酵させる独特な製法で、それまでに無い次世代のスーパータスカンを生み出し、ファーストヴィンテージから大きな注目を集めました。
テスタマッタという名前は直訳すると「クレイジーヘッド」という意味合いがあり、ブドウの栽培から醸造方法まで、独自のスタイルを貫き、周囲からはたびたび変人よばわりされても最高のワインを造るという信念が込められた名前なのでしょう。