この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

本日は、フランス・ブルゴーニュ地方の生産者パスカル・マルシャンさんが来日したときのお話をしたいと思います。
ボトル1本1本に強いこだわりを持つ、マイクロネゴス「パスカル・マルシャン」
パスカル・マルシャンは国をまたいで活躍するワインメーカーで、その活躍の舞台はブルゴーニュをはじめ、オーストラリア、チリなど南半球にまで及んでいます。
醸造化としてキャリアをスタートさせたのは1985年、ポマールにあるコントアルマンでのこと。
1999年にはドメーヌ・ド・ラ・ヴージュレのチーフワインメーカーとして勤め、7年間醸造長を務めました。
その後、農家から買い入れた葡萄で醸造するネゴシアンブランドであるマルシャン・トーズ(旧パスカル・マルシャン)と、自社畑のブドウを使うドメーヌ・トーズです。
ネゴシアンと言っても、パスカル・マルシャンはマイクロネゴス(マイクロ・ネゴシアン)と呼ばれる小規模のネゴシアン。
買付から醸造まで一貫して行い、ぶどう購入の畑は彼のポリシーに賛同する人のみです。
定期的に本人が畑を訪ね、ビオディナミ農法含め、木の管理など細かい部分まで直接見ています。
『ドメーヌは小規模でなければならない。
なぜなら、一つ一つの樽やボトルがユニークであり、注意深く扱はなければならないからだ』と語り、ボトルの1本1本にまで強いこだわりを持っています。
そんなマルシャンさんが来日した際、4日ほど同行させていただいたのですが、一番の印象はとにかく人柄の良さ、です。
かなりシャイで取材や講義のときは相当がんばってます。
でも、誰に対してもニコニコと優しく、一生懸命説明してくれて嫌な顔一つありません。
それで、最後には記者の人ともすっかり打ち解けてしまって。
みな「マルシャンさんの温かい人柄がワインに出ていますね」といって強い握手をして帰ってゆきます。
ロマネコンティも採用しているビオディナミって?
ビオディナミという非常に難しい学問的なワイン造り。
なぜこの方法がいいのか、科学的な立証はされていません。
でも多くの人が、ワインがおいしくなる、と言ってこの方法を取り入れています。
どんな事をやってるの?と気になりますよね。
一例を紹介すると馬で畑を耕す(トラクターなどの機械だと微生物やミミズなどの土の表土にいる動物が70%も死んでしまうそうです)ハーブを防虫剤などとして利用するぶどうは昔のように足でつぶす(今はプレス機という機械があります)月の運行、惑星の運行カレンダーに従ってぶどうの収穫や醸造のスケジュールを作る…
これらはほんの一例で、もう本当にディープな世界なんです。
でもドメーヌ・ルロワやドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティといったそうそうたるメンツがこの農法に切り替えている、と聞くと、やっぱり効果があるんでしょうね。
マルシャンさんのワイン造りの哲学は「子育てのようなもの」
実際、どんな方法で作っていようと…
マルシャンさんのワインはとても上品でおいしいのです!!
試飲して改めてすばらしいと思ったのはサン・ロマンというあまり有名ではない白ワイン。
樽はいっさい使っていません。
果実だけではなく茎まで使って作られたワインです。
香りはきれいで味には優しいうまみがしみ込んでいます。
樽の香りがない分、果実の良さ、ワイン自体の味わいが100%ストレートに出ている、と言えます。
ついつい見逃してしまいそうな、隠れたお宝ワイン!
春の野菜、山菜などとあわせて飲みたいワインです。
話はかわりますが、マルシャンさんに「ビオディナミ」ってわかりやすくいうと何ですか?と聞いてみました。
すると、しばらくして「子育てのようなもの」という答えが帰ってきました。
「自分の子供=ワインを、自分の作品といって誰かに紹介するのではなく、最後に自立したおいしいワインになってほしい。
そのために、周りの環境を作るのが親の仕事。
テロワール(土壌の特徴)、つまり個性がちゃんと出て、美味しければ、子供=ワインは一人前です。」
予想もしない答えですが、とてもマルシャンさんらしい答えだなーと思いました。

マルシャンさんのおすすめワイン
ジュヴレ・シャンベルタン マルシャン・トーズ
ジュヴレ・シャンベルタン マルシャン・トーズは、石灰岩と粘土質のLes pressonniers、石灰岩のles crais、茶色い石灰岩のJouise、泥海岸と石灰岩のLes seuvreesのそれぞれ個性が異なる4つの畑のブドウをブレンドして造ります。
香り高い部分、どっしりと力強い部分と、それぞれの特性を組み合わせ、バランスの取れたジュヴレ・シャンベルタンになるように注意します。
オーク樽で18か月熟成、新樽比率は20%です。
オークの素材はフランスでも名高い3つの森、アリエ、ジュピーユ、フォンテーヌ・ブロー、そしてヌヴェールから取り寄せ、新樽は少しローストして使用します。
マロラクティック発酵の後、一回澱引きを行い、濾過と清澄作業は行いません。
ビオディナミカレンダーに基づいたルールで熟成させます。
ジュヴレ・シャンベルタン マルシャン・トーズのご注文はこちら
ムルソー マルシャン・トーズ
マルシャン・トーズがビオディナミで造るムルソーは、柑橘にパイナップルやハチミツなどの芳醇な果実味とアロマがあり、しっかりとした骨格に、キレのある酸が感じられ、複雑味と凝縮感のある1本に仕上がっています。
ピュリニー・モンラッシェ・プルミエ・クリュ・シャン・ガン
マルシャン・トーズが持つピュリニー・モンラッシェの畑は、粘土質、石灰岩と砂利の混じる土壌で、ピュリニー・モンラッシェの中でも高度350メートルという標高の高い斜面にあり、冷涼な気候環境が特徴。
一級畑の中でも特にミネラル感が豊かで、洗練された上質な酸味を持つワインが生まれます。
ビオディナミカレンダーに基づいたルールで熟成させたワインは、ピーチの香りが漂い、ムルソーに近い重さと密度を持っており、パワフルで強烈でありながらバランスが良とれた味わいです。













