ワインはなぜさまざまな味わいがあるの?ブドウ品種・産地・造り手による味わいの違いとワインを飲み比べできるセットをご紹介

ワインはなぜさまざまな味わいがあるの?ブドウ品種・産地・造り手による味わいの違いとワインを飲み比べできるセットをご紹介
ワインくじや金銀銅チャレンジセットも登場!復活祭セール

ワインはなぜさまざまな味わいがあるの?ブドウ品種・産地・造り手による味わいの違いとワインを飲み比べできるセットをご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

ワインはなぜさまざまな味わいがあるの?ブドウ品種・産地・造り手による味わいの違い

ビール、日本酒、ウイスキーなど、どのお酒もそれぞれの銘柄によって味わいが異なりますが、ワインほど味わいのレパートリーが広く、種類が多いお酒は他にないですよね。
そこで、本日はワインの味わいの違いはどこから生まれるのか、またワインの味わいの違いを飲み比べできるお得なセットをご紹介します。

ワインってどんなお酒?

ワインは、原料となるブドウの糖分が酵母の力によって発酵することでアルコールに変わるというとてもシンプルなお酒です。
ワインは、ビールや日本酒などと同じ醸造酒に分類されますが、原料となるのは穀物ではなく、ブドウなので日本の酒税法ではワインは果実酒に分類されます。
そして、ビールや日本酒のように米や麦などの穀物を原料とするお酒は製造過程で使われる水の水質によって味わいに大きな影響を与えますが、ワインはブドウに含まれる果汁の水分のみで造られるため、ブドウそのものの品質がワインの味わいに大きな影響を与えます。

世界でもっとも古くから造られているお酒

最近の研究だとワインが飲み出されたのはなんと紀元前6000年のコーカサス山脈、現在でいうロシアとトルコの間にあるジョージア(グルジア)あたりともいわれています。
ジョージア(グルジア)ワインは、古代から伝わる土壺での醸造「クヴェヴリ製法」が2013年にユネスコ無形文化遺産に登録され、かつて楊貴妃やクレオパトラも愛飲したと言われる伝統のワインもあるようです。
そのワインが生まれた紀元前6000年といえば、世界はまだ石器時代。
そんな昔からすでにワインが存在していたんです。
さてワインが、その後どのように世界に広まっていったのかというと、ワインは主に東ルートと西ルートと呼ばれるルートが存在したと言われています。
西ルートはその時代、勢力を強めていたローマ人の手によってエジプト、ギリシャ、フランス、イタリアなど、現在の旧世界と呼ばれるワイン産地全体に広がりを見せ、その後コロンブスの登場により南アフリカ、アメリカへと広がり現在の新世界と呼ばれる産地に広がっていきました。
また、東ルートはシルクロードを通り中国、モンゴル方面へ広がりを見せたと言われています。

日本ワインの歴史

そして、日本でワインが造られ始めたのが1870年とされており、現在も日本ワインの代表的産地である山梨県が日本ワインの発祥の地です。
山田宥教氏と詫間憲久氏が設立した「ぶどう酒共同醸造所」が、日本で初めてのワイナリーでした。
しかしながら、当時は製造技術が未熟だったため、数年で廃業してしまい、その後、1877年に勝沼で設立された「大日本山梨葡萄酒株式会社」から、高野正誠氏と土屋竜憲氏の2名がワインの本場フランスで醸造技術を2年間学び、帰国後、宮崎光太郎氏を加えワイン造りに尽力します。
当初は、山ブドウから赤ワイン、甲州種から白ワインが造られていましたが、フランスから帰国後、欧州系のブドウ品種やアメリカ系のブドウ品種を導入するなど、海外のブドウ品種の導入を試みていきました。
このように日本でのワイン造りが広がっていきましたが、戦時中、山梨県のワイナリー数は激減します。
戦後からは、酸味や渋みの強いワインは、日本の食文化には受け入れられず、砂糖や香料を加えた甘味のある果実酒が人気になり、ワインは、サントリーの赤玉ポートワインといった甘口のワイン造りで勢いを増します。
そのため、日本ではワインは甘口のお酒という認識が定着していきました。
そんな日本ワインに転機が訪れたのが、1970年代に入ってから山梨県内の大手ワインメーカーが、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロといったヨーロッパ系品種を輸入して、国際品種による本格的なワイン造りが始まりました。
2000年以降は、国産ワインコンクールなどの国内でのワインコンクールが開催され、小規模なドメーヌ型のワイナリーも増えていき、日本ワインの品質がどんどん向上していきました。

世界にあるブドウ品種はなんと10000種類!

ワインといってもじつにさまざまな味わいのワインがありますよね。
そのワインの味わいに一番大きな影響を与えるのがブドウ品種の違い。
ワインのブドウ品種は、ヴィティス・ヴィニフェラ種という種に属していて、その土地にあったブドウが栽培され、どの品種も独特の個性を持っており、なんと世界には10000種類ものブドウ品種があります。
世界でワイン用に使われているメジャーなブドウの品種は、赤ワイン用、白ワイン用合わせて約50種類ほどのブドウ品種があり、世界のワイン産地の多くで栽培されているブドウ品種が国際品種と呼ばれ、代表的なものでは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シラー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、シュナン・ブラン、リースリングなどがあります。
よく、生食用のブドウと何が違うの?というご質問を頂くことがありますが、ワインの原料となるブドウは、生食用に比べて果粒が小さく果皮が厚く種子が多いのが特徴です。
また、しっかりとした酸味と糖分もあり、もちろん食べてもおいしいですが、生食用のように果粒が大きくないので食べにくさはあります。

赤ワインと白ワインの違いは?

同じブドウから造られるワインに赤と白があるのはなぜ?と疑問を持たれる方も多いですよね。
それは、赤ワインと白ワインでは、使用するブドウ品種や醸造方法が異なるからです。

ブドウ品種による違い

まずは、赤ワインと白ワインでそれぞれに使われるメジャーなブドウ品種をご紹介しましょう。

赤ワイン使われるブドウ品種

赤ワインの原料には、一部例外は除きますが基本的に黒ブドウ品種が使用されます。
中でも世界の各産地で造られている代表的な黒ブドウ品種をご紹介します。

カベルネ・ソーヴィニヨン
世界最大の栽培面積を誇る黒ブドウ品種。
原産地であるフランス・ボルドー地方では帝王ともいえる黒ブドウ品種で、ボルドーの5大シャトーと呼ばれる1級格付けシャトーのワインもほとんどがこのカベルネ・ソーヴィニヨン主体で造られます。
小さな粒で果肉がほとんどないくらい厚めの皮と大きな種があり、皮が厚い分ワインにすると色が濃くタンニンが豊富で、しっかりと骨格のある味わいに仕上がります。
カシスやブラックベリーなどの黒系の果実を思わせる凝縮した果実味と、タバコ、杉などの複雑なブーケを開花させ、酸もタンニンも強めで、ガッチリとした構造を感じる味わいです。

メルロ
カベルネ・ソーヴィニヨンと栽培面積でトップの座を争うポピュラーな黒ブドウ品種の1つ。
フランスの中でも銘醸地として名高いのがボルドー地方で、右岸地域のポムロルやサン・テミリオンで造られるメルロからは、世界最高峰のワインが生み出されています。
プラムやブラックチェリーのような香りがします。
カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると、タンニンや酸味が穏やかで、やさしい味わいが特徴です。

ピノ・ノワール
フランスで、ボルドーに並ぶワインの銘醸地ブルゴーニュで造られる赤ワインのほとんどがこのピノ・ノワールから造られています。
果皮が薄く、早熟なブドウで、病気にも弱いことから、他の品種に比べて栽培も醸造も非常に難しいとされ、かつては「ブルゴーニュ以外では栽培できない」と言われていましたが、近年では世界中で栽培される国際品種の1つとなり、アメリカのオレゴン州のピノ・ノワールが注目を集めています。
イチゴやチェリーのような香りに、酸とタンニンのバランスが良く、エレガントで官能的な味わいのワインになるのが特徴ですが、産地によってさまざまな味わいに変化するのもこの品種の面白いところ。

シラー
シラーから造られるワインは、とてもパワフルな果実味とタンニンがあり、黒コショウのような香りが特徴で、「スパイシー」と例えられることの多い品種の一つです。
ワインにしっかりとした骨格と味わい、熟成能力を与える品種のためブレンド用としても使用されています。
フランス以外で有名な産地はオーストラリアで、オーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、果実味の豊富でパワフルなアルコール度数の高い凝縮した味わいの赤ワインを造ります。
他にも、南米チリやアルゼンチン、またアメリカやニュージーランド、南アフリカでも広く造られています。

白ワイン使われるブドウ品種

白ワインの原料には、基本的に白ブドウ品種が使用されます。
中でも世界の各産地で造られている高貴品種と呼ばれる代表的な白ブドウ品種をご紹介します。

シャルドネ
ワインをほとんど飲んだことがないという人でも、一度は耳にしたことがあるほど有名なブドウ品種がシャルドネです。
なぜなら、シャルドネは世界各地で造られている国際品種ということもありますが、世界最高峰と言われるフランス・ブルゴーニュ地方の白ワインは、そのほとんどがこのシャルドネ100%で造られており、「モンラッシェ」「シャブリ」「ムルソー」といった世界に名だたる白ワインが造られています。
シャルドネの特徴は、栽培される土地の土壌や気候に非常に左右されやすい品種なので、産地により風味が変幻自在に変わります。
温暖な産地で造られるシャルドネは、南国のフルーツのようなトロピカルな香りがするワインになり、冷涼な気候で育つシャルドネは、酸味がきりっとしてシャープでスマートなワインになります。
一般的にリンゴ、洋ナシなどのフルーティな果実香に、樽熟成したものはアーモンド、バター、ヘーゼルナッツ、バニラ、トーストなどのアロマがあり、とくにカリフォルニアをはじめとするニューワールドのシャルドネは、しっかりとした果実味とコクが感じられ、チーズやバターを使ったコクのある料理とよくマッチします。

ソーヴィニヨン・ブラン
シャルドネとともに有名な白ワイン用のブドウ品種がソーヴィニヨン・ブランです。
グレープフルーツのような柑橘系にハーブを加えたようなさわやかな香りが特徴で、産地によってアロマが大きく変化します。
冷涼な土地だとハーブのアロマが強くなり辛口で酸味がきつくなります。
暖かい土地では、パイナップルやパッションフルーツといったトロピカルフルーツのような香りと、白い花のようなフローラルな香りがあり、アロアと同様のトロピカルな果実味になります。
フランスのロワール地方のサンセールとボルドー地方で有名になり、世界各国で造られるようになりましたが、ニュージーランドのソーヴィニョン・ブランも有名で1980年代にワイン・コンペティションで最優秀賞を取ったのをきっかけにこの30年ほどで急激な躍進を遂げ、ここ10年で生産量も3〜4倍に増加しています。

ヴィオニエ
ヴィオニエは、フランスのローヌ地方でおもに生産されているブドウ品種ですが、温暖な産地に適していることから、近年はカリフォルニアやオーストラリアなどのニューワールドの産地がかなりの栽培面積を占めています。
ヴィオニエから造られるワインは、きらめく濃いゴールドで、グレープフルーツ、アプリコット、洋ナシ、白桃などの果実香に、ジャスミン、きんもくせいなどの芳香のある花の香りが特徴的です。
粘性のあるオイリーな味わいのものも多く、穏やかな酸とヴィオニエならではのボリュームのある口当たりで、厚みのある味わいが特徴です。
中華料理やタイ料理などのアジアンやエスニックとも相性がよく、ヴィオニエの香りと果実味が、香りが豊かな料理の味を引き立ててくれます。

リースリング
リースリングの世界の栽培面積の半分はドイツが占めており、モーゼルとラインガウがリースリングの2大産地として有名です。
ドイツにつぐリースリングの主要な産地であるフランスのアルザスでは、ミネラル感が強く白い花を思わせるエレガントな香りのリースリングが造られています。
青りんごや洋ナシ、トロピカルフルーツなどのアロマを持つフルーティなものから、鉱物のようなアロマをもつミネラルを強く感じるものまでさまざまで、多種多様な味わいのワインが楽しめるので、合わせる料理も洋食に限らず、キリっとした酸としっかりとしたミネラル感のあるリースリングには和食が合い、しっかりとした果実味のボリューム感のあるリースリングには中華などがよく合います。

醸造方法による違い

赤ワインの醸造方法

赤ワインの醸造の一番のポイントは、タンクで2~3週間ほど果粒と果汁を漬け込む「マセラシオン」です。
この時に赤ワインの色素である赤い色が、皮から抽出されます。
果皮から抽出した色素から多量のポリフェノールの一種であるタンニンが出てくるため、そのタンニンがさまざまな成分と結合して複雑な風味をつくり出し、ワインの味わいに奥行きと深みを与えてくれます。

白ワインの醸造方法

白ワインの醸造方法は赤ワインとほぼ同じですが、除梗をおこなったあとに、赤ワインの色素をつけるマセラシオンを行わず、すぐに圧搾されます。
その後は造りたいワインのタイプに合わせてステンレス製のタンクや木樽をつかって育成されます。
白ワインにもポリフェノールは含まれており、量としては赤ワインほど多くはありませんが、分子量が小さく性能の高いポリフェノールが入っていることが分かりました。
また、白ワインには酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸など有機酸が含まれており、悪玉菌の増加をおさえる効能があります。

産地や造り手などによっても異なる味わい

ブドウ品種や醸造方法によってワインの味わいが異なるとお話してきましたが、さらにワインは産地や造り手によっても味わいが大きく異なります。
それは、同じブドウ品種であっても、栽培される産地によって日照量や気温、昼夜の温度差、降雨量、土壌の性質など、さまざまな要因によって収穫時の糖度や味わいが異なり、それによってワインの味わいも異なってくるからです。
また、醸造方法も工程自体の大きな差はなくても、収穫方法から醸造の過程での設備や熟成にかける時間や手間によってもワインは味わいに大きな差をもたらします。
そのため、産地、造り手によって同じブドウ品種のワインを飲み比べすると味わいの違いが分かりやすく、自分の好みのワインを知ることができます。

おすすめのブドウ品種飲み比べセット

カベルネ・ソーヴィニョン3本セット 赤ワインセット
チリとオーストラリアのカベルネ・ソーヴィニョンを飲み比べできるセットです。
3本ともニューワールドワインですが、チリとオーストラリアの気候の違い、造り手による醸造の違いで味わいはかなり異なります。
ぜひ、カベルネ・ソーヴィニョンの味を飲み比べてみてください。

カベルネ・ソーヴィニョン3本セット 赤ワインセット

カベルネ・ソーヴィニョン3本セット 赤ワインセットのご注文はこちら

ピノ・ノワール3本セット 赤ワインセット
オーストラリア、フランス、チリのピノ・ノワール3本を飲み比べできるセットです。
旧世界と新世界のピノ・ノワールの味わいの違いを飲み比べてみてください。

ピノ・ノワール3本セット 赤ワインセット

ピノ・ノワール3本セット 赤ワインセットのご注文はこちら

白ワイン代表品種・シャルドネ3本セット
チリとフランスのシャルドネを飲み比べできるセットです。
旧世界と新世界のシャルドネの味わいの違いを飲み比べてみてください。

白ワイン代表品種・シャルドネ3本セット

白ワイン代表品種・シャルドネ3本セットのご注文はこちら

葡萄品種を知る赤ワイン5本セット
サンジョヴェーゼ、ピノ・ノワール、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、プリミティーボの赤ワイン飲み比べセットです。
世界でもさまざまな産地で造られている代表的な赤ワイン品種を飲み比べてみてください。

葡萄品種を知る赤ワイン5本セット

葡萄品種を知る赤ワイン5本セットのご注文はこちら

ブドウ以外を原料としたワイン

一般的にブドウ果汁を発酵させたアルコール飲料をワインとお伝えしましたが、原料がブドウ以外のさまざまな果物から造られる「フルーツワイン」というものもあります。
フルーツワインは、発酵させることが可能な全ての植物から造ることができ、ほとんどの果物でフルーツワインを造ることが可能です。
造り方は、果汁を搾って煮詰めて発酵させる方法が一般的です。
ブドウがワインになる過程は、ブドウの糖分が発酵によってアルコールに変わっていくことで、ワインになりますが、ブドウ以外の果物をアルコールに変える場合、アルコール度数を上げるために砂糖や蜂蜜を加えて造られるものもあります。
そのためアルコール度数は5%〜6%程度と度数が低いものが多いです。
苺、桃、リンゴなどは糖分が高いため、甘くてジューシーな味わいのフルーツワインが多く造られています。

おすすめのフルーツワイン

シードル・ブリュット ドメーヌ・ド・コックレル
シードルは、リンゴを原料としたスパークリングワインで、フランス北西部、モンサン・ミシェルでも有名なノルマンディーで有名なお酒です。
ドメーヌ・ド・コクレルは、シードル造りの名手として知られており、メディアも注目する造り手。
そんなドメーヌ・ド・コクレルが手掛けるこのシードルは、4.5%の低アルコールですっきり辛口な味わいなので、どんな料理にも合わせやすくごくごく飲めちゃうシードルです。

シードル・ブリュット ドメーヌ・ド・コックレル

シードル・ブリュット ドメーヌ・ド・コックレルのご注文はこちら

 

ワインコラムカテゴリの最新記事

特集一覧