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ワイン好きの方なら、いつかは飲んでみたいと憧れる高級ワインはいくつかありますよね。
ボルドーの五大シャトーのファーストラベルはワイン好きにとっては憧れの銘柄ばかり。
そんな高級ワインをリーズナブルに楽しめる方法があるんです。
それは、セカンドラベル。
そこで、本日はセカンドラベルワインの魅力についてお話します。
セカンドラベルとは?
セカンドラベルというと、中には、ファーストラベルで使用されなかったブドウを使っているアウトレット品のような印象をお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、セカンドラベルのワインの魅力は色々とあります。
「早飲みできる」
セカンドラベルは長期の熟成を必要とするファーストラベルと違い、比較的早いうちから楽しむことができます。
若いヴィンテージのワインを寝かせず飲むならば、セカンドの方が美味しく飲めるかもしれません。
「リーズナブルに楽しめる」
また何より、それぞれのシャトーの個性とスタイルをお求めやすい価格で楽しめることが大きいですよね。
大抵のセカンドラベルがファーストラベルの半分以下の価格で購入いただけます。
セカンドラベルワインの最大の魅力なんと言っても、ファーストラベルと同じ造り手であること。
そして、ファーストラベル同様、そのシャトーのこだわりがブドウの栽培にも、醸造にも反映されているので、憧れのシャトーのワインをリーズナブルな価格で楽しめるんです。
セカンドラベルでは、ファーストラベルよりも樹齢の若いブドウ樹や、醸造初期の熟成段階で選別されたブドウ、シャトーによっては、ファーストラベルとは別の特定の区画で栽培されたブドウなどを使用します。
ボルドー五大シャトーのセカンドラベルワインをご紹介しましょう。
◆シャトー・ラフィット・ロートシルト
カリュアド・ラフィット・ロートシルト
セカンドラベルと言ってもファールストラベルと同じ畑から収穫されるブドウを使用し、全生産量の40%ほどがセカンドラベルに選別されています。
◆シャトー・マルゴー
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー
ファーストラベルは平均樹齢35年~40年のブドウから造られるのに対して、セカンドラベルは樹齢15年前後の若樹のブドウから造られ、ファーストラベルに比べメルロの比率が若干高いため、肉付きが良く柔らかなスタイルが特徴です。
◆シャトー・ラトゥール
レ・フォール・ド・ラトゥール
「ランクロ」の周りに広がる区画のブドウを使用。
ファーストラベルと同じ区画ながらも、ブレンドの際にファーストラベルの品質に至らないと判断されたブドウも使用されています。
醸造に関してのファーストラベルとの違いは新樽率のみ。
生産者もセカンドと呼ぶのをためらうくらい、高品質で個性的なワイン。
◆シャトー・ムートン・ロートシルト
ル・プティ・ムートン・ド・ロートシルト
ファーストラベルよりも手に入りづらい稀少セカンド。
プルミエ・クリュの若株ブドウ樹を厳選し醸されるワインであり、収穫から醸造、そして瓶詰め作業までファーストラベル同様に造られます。
◆シャトー・オー・ブリオン
ル・クラレンス・ド・オー・ブリオン
ファーストラベルと全く同じ畑で収穫した樹齢だけが異なる若樹のブドウを使っており、土壌や品質管理については全てファーストラベルと同様のため、ファーストラベルの味わいをリーズナブルにそして早飲みできるのが魅力。
ファーストラベルワインは一級品の証
「ファーストラベル」とはそのシャトーの代表作であり、シャトーの名を冠するのにふさわしいワインなので、ブドウの樹齢やワインの熟成期間、新樽率などを吟味し生産される為、シャトーの中でも最高級の価格帯となります。
生産者のすべてが映し出された、まさに「シャトーの顔」とも言えるワインです。
セカンドラベルワインでもふれたボルドー5大シャトーはメドック地区には約500のシャトーがありますが、そのうち61のシャトー
(シャトー・オー・ブリオンのみグラーヴ地区)のみに1級から5級の格付けがされており、その頂点の5つのシャトーです。
そのシャトーの顔とも言えるファーストラベルは、シャトーの名を冠し、価格はだいたい7万円から10万円と一級にふさわしい価格です。
シャトー・ラフィット・ロートシルト(ポイヤック)
シャトー・ラトゥール(ポイヤック)
シャトー・マルゴー(マルゴー)
シャトー・ムートン・ロートシルト(ポイヤック)
シャトー・オー・ブリオン(ペサック・レオニャン)
サードラベルは希少性が高い
シャトーによっては、サードラベルワインを造っているところもあります。
しかし、サードラベルワインに関しては、明確な規定がなく、セカンドラベルよりも価格帯をさらに抑えながらも造り手のスタイルは保ったもので、「リーズナブルで親しみやすいカジュアルワイン」という印象です。
しかしながら、シャトーマルゴーのサードラベルワインである「マルゴー・デュ・シャトー・マルゴー」については、サードラベル用のブドウを選別し、市場に提供するまでに20年をかけたといいます。
もともと、セカンドラベルであるパヴィヨン・ルージュ・ド・シャトー・マルゴーの品質を底上げするために誕生したそうです。
シャトー・マルゴーの名前が入っているワインですが、価格は1万円ちょっとと、ちょっと記念日用に奮発して購入できるくらいのお値段なので、いつか、シャトー・マルゴーを飲んでみたいという方は、サードラベルからお試ししてみるのも良いですね。
サードラベルによっては、セカンドラベルよりもさらに少量生産で稀少性が高くなっているものもあります。
ファーストラベルでは手の届かないような有名シャトーのサードラベルだと、発売するとすぐに売り切れてしまうほど人気があるものもあります。
全てのワインにセカンドラベル・サードラベルがある訳ではない
ファーストラベルはもともと長期熟成を前提にして造られているものが多いため、飲み頃についてはしばらく先というものも多くあります。
そのためセカンドラベルやサードラベルという形で比較的早い段階で味わえるワインとして造られていますが、すべてのワインにセカンドラベルやサードラベルがあるわけではないので、気になるシャトーのセカンドラベルやサードラベルを見つけたら、すぐにでも試してみることをおすすめします。
おすすめのセカンドワイン
カリュアド・ド・ラフィット
1855年のメドック公式格付けで、グラン・クリュ第1級の第1位にランクされたのが他ならぬこのシャトー・ラフィット・ロートシルトでした。
およそ100haのぶどう畑に、75万本のぶどう樹が植わっています。
シャトー・ラフィット・ロートシルトのセカンドワインであるカリュアド・ド・ラフィットは、1845年にラフィットが購入した畑の総称「カリュアドの丘」に由来したワイン名がつけられています。
このワインに使用されるぶどうの平均樹齢は、45年。
収量は、通常認められているよりも低く抑えられています。
ファーストラベルと同じ畑の若いブドウ樹から収穫されたブドウを使い、ファーストよりも若木のブドウが多く使用されるため、ファーストに比べると軽やかなテイストになります。
パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー
5大シャトーの中でも最も女性的でエレガントと形容されるシャトー・マルゴー。
力強さの中にもエレガントさを備え、「ボルドーの女王」と呼ぶに相応しいワインです。
土壌は砂礫質が厚く、栽培面積は78ha(白は12ha)で、砂礫質の土壌にカベルネ・ソーヴィニヨン種や、プティ・ヴェルド種を、粘土質が多い土壌にメルロ種を育てています。
長い瓶熟成を経て花開くワインは、華麗で繊細で、美しい余韻をもち、力強さの中に柔らかさがあり、エレガントなスタイルです。
また、カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高いため、時間の経過とともにより特徴が出てくる、持久力のあるタイプのワインです。
セカンドワインであるパヴィヨンルージュ・デュ・シャトー・マルゴーは、ファーストラベルが平均樹齢35年~40年のブドウから造られるのに対して、樹齢15年前後の若樹で造られ、ファーストラベルより少しだけメルロの比率が多いのが特徴です。
熟成期間も3、4ヵ月短く造られていることもあり、ファーストラベルに比べると軽めですが、抜栓すると驚くほどの華やかなアロマに圧倒され、シャトー・マルゴーのニュアンスも残しつつ飲み頃も早くから楽しめるワインに仕上がっています。
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レ・フォール・ド・ラトゥール
“塔(フランス語でラ・トゥール)” の名の通り塔をシンボルとした、世界に名高い1級シャトーです。
5大シャトーの中で最も“力強く男性的、晩熟で長命”と評価されることが多いワインで、色が濃くタンニンも豊富で、それに負けないだけの黒い果実の凝縮感も素晴らしく、圧倒されてしまうほどです。
シャトー・ラトゥールのセカンドワインであるレ・フォール・ドゥ・ラトゥールは、「ランクロ」の周りに広がる区画の樹齢40年を超える厳選されたブドウを使用しており、醸造においてもファーストラベルとの違いは新樽率とメルロの比率の高さのみという贅沢な造りでセカンドワインとは思えない品質を誇ります。
あの世界的ワイン評論家ロバート・パーカー氏も「世界で最も凝縮感のある豊かで、フルボディなワインの1つ」と称賛するワインです。
ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルト
1855年の格付けでは当時のオーナーがシャトーを取得して日が浅かったため2級格付けでしたが、1973年に1級に唯一昇格したシャトーです。
このワインが商業的に成功した理由のひとつにラベルアートにあり、ミロ、ピカソ、シャガール、ウォーホルといった世界的有名画家に毎年1枚の絵の作成を依頼してきました。
そんなシャトー・ムートン・ロートシルトのセカンドワインであるル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルトは、じつは、ファーストラベルよりも手に入りづらい稀少なセカンドワイン。
プルミエ・クリュの若樹のブドウを厳選し醸されるワインであり、収穫から醸造、そして瓶詰め作業までファーストワイン同様に造られます。
故フィリピーヌ・ド・ロートシルト男爵夫人の邸宅の呼び名である「ル・プティ・ムートン」から名付けられ、1927年に起用されたアール・デコ調のブドウの絵がラベルに採用されています。
ル・プティ・ムートン・ド・ムートン・ロートシルトのご注文はこちら
クラレンス・ド・オー・ブリオン
シャトー・オー・ブリオンは1855年のメドック格付けで、唯一地区外から登録され、しかも1級を獲得したスーパーなワインです。
シャトー・オー・ブリオンのセカンドワインであるル・クラレンス・ド・オー・ブリオンは、ファーストラベルと同じ畑で栽培された若い樹齢のブドウを使用して造られています。
醸造においてもファーストラベルと同じ方法で醸造されるため、ファーストラベルとの違いは、ブドウの樹齢のみ。
そのため、非常にコスパの高いセカンドワインで、濃厚な中に繊細さがあり、チョコレートやカシスを思わせる味わいで、その酒質は当時ラフィットやラトゥールをしのぐもので、 価格も他の1級シャトーよりずっと高価でした。
世界的ワイン評論家のロバート・パーカー氏からも最高のセカンドワインのひとつだと絶賛されました。
おすすめのサードワイン
エスプリ・ド・パヴィ
サン・テミリオンの頂点に立つシャトー・パヴィが造るもう一つのエスプリ!
ファーストワインで使われた樽を贅沢に使い、パヴィのエッセンスをお得に楽しめる希少スペシャルワイン。
所有する畑にはオーゾンヌと共に、4世紀にはローマ人によってブドウが植えられていました。
ドルドーニュ渓谷の南に位置する多様な特徴を示すテロワールからメルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンをステンレスタンクで主醗酵後にマロラクティック醗酵。フレンチオーク樽で15ヶ月熟成(パヴィかモンブスケで使用された樽)で造られる究極フルボディ赤ワイン。
ルビー色、刺激的なダークベリーとチェリーコーラのスパイシーな香りと、花のニュアンス、苦味のあるチェリー、砂糖漬けのブラックカラントとリコリスの風味を持ち、すっきりした後味と胡椒の余韻が特徴。