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アメリカワインの生産量のじつに90%を誇るカリフォルニアワイン。
カリフォルニアには、4,200軒を超えるワイナリーがあり、デイリーワインから1本5000万円の値がつくカルトワインまで造られています。
カルフォルニアワインの特徴とテロワール
カリフォルニアワインの特徴は、やはり凝縮感のある果実味のワインが多いこと。
ジューシーでフルーティーな果実味とパワーを感じられるものが多く、複雑さが魅力のフランスワインに比べ、分かりやすく一口目の第一印象が良いので、ワインを飲みなれない人でも好きになるワインが多いです。
そんな凝縮感のある果実味を生み出しているのが、カリフォルニアの地形によるもの。
アメリカの南西に位置しているカリフォルニア州は、アラスカからの寒流が運ぶ冷たい空気と、内陸部の暖かい空気がぶつかって霧が現れます。
霧は冷えた空気に乗ってゆっくりと内陸部へ移動し、カリフォルニアワインの銘醸地でもあるソノマやナパバレーの上空を移動。
陽が高くなると同時に霧は消えていきますが、日中の強い日差しと、早朝の霧がもたらす涼しい空気による昼夜の寒暖差が凝縮感のある味わいのブドウを育てます。
カリフォルニアの主な産地は北部のノースコースト、南のセントラルコースト、東のセントラルバレー、さらに東のシエラ・フットヒルズ、南部のサウスコーストの5つに分かれています。
ノースコーストは、カリフォルニアワインの銘醸地ナパバレーとソノマバレーがある地区で、カリフォルニアワインの中でも高品質な高級ワインを生み出す産地です。
セントラルコーストは、温暖で乾燥している内陸側と、寒流の影響により冷涼な海岸側とで生産されるブドウの特徴が異なるため、
多種多様なワインを生産しています。
セントラルコーストのは、さまざまなブドウの品種を使用しており、多種多様なタイプのワインが楽しめます。
サウスコーストは、歴史のある産地で非常に暑く乾燥した気候が特徴で、果実味が豊かなテーブルワインが多く造られています。
セントラルバレーは、カリフォルニアワインの最大の産地で、カリフォルニアワインの約50%を生産しています。
テーブルワインを多く生産していますが、最近では高品質なワインを造る生産者も増えており、注目の産地となっています。
カルフォルニアワインの歴史
アメリカでの最初のワイン造りは18世紀頃。
ローマカソリック教会の修道士たちによって、ミサ用のワインとして造ったのが始まりと言われています。
当初、ヨーロッパからアメリカ東部にワイン用のブドウ樹が持ち込まれ栽培を試みましたが、東部では病害などの影響で、ヨーロッパ系のブドウはなかなか根付くことが出来ず、メキシコ戦争を経てアメリカの領土となったカリフォルニアに、1849年のゴールドラッシュで東部から一気に人が移り、その際一緒に持ち込まれたブドウ樹が比較的病害の影響を受けることなく根付くことができ、カリフォルニアでブドウ栽培が本格的にはじまりました。
1920年からの13年間は、禁酒法によりアルコールが一切禁止されたため、一時ワイン産業が停滞し1960年までは大きな発展を遂げることができずにいましたが、1966年に「近代カリフォルニアワインの父」と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏が、ナパバレーのオークヴィルにワイナリーを創立したことで、カリフォルニアのワインがナパバレーを中心に大きく発展していきました。
また、カリフォルニアワインが世界に注目されるきっかけとなったのが、1976年の「パリスの審判」。
当時フランス人にカリフォルニアワインを知ってもらおうと始めた宣伝目的のフランスワインとカリフォルニアワインのブラインド・テイスティングだったのですが、驚くことに、このテイスティングで多くのカリフォルニアワインが、フランスワインの得点を上回ってしまう結果に。
このことで、フランス以外でも偉大なワインは造られると、カリフォルニアワインが世界で一気に注目を集めることになりました。
また1990年代に入り、カリフォルニアの特にナパバレーで造られる高品質な高級ワインをカルトワインと総称して呼ぶようになり、希少価値の高さや生産量が驚くほど少なく、なかなか手に入らない伝説的なワインなどが次々と生まれました。
カルトワインの多くは、世界的に有名なワイン評論家ロバート・パーカーが、満点やそれに近い得点を何度もつけているワインに需要が集中し価格が一気に高騰したワインで、ハーラン・エステートやスクーリミング・イーグル、グレース・ファミリーなどがナパバレーを代表するカルトワインです。
こうして、カリフォルニアワインはわずか半世紀くらいの短い年月で世界でも認められる高品質ワインを生み出す産地になりました。
おすすめのカルフォルニアワイン
カレラ・ジョシュ・ジェンセン・セレクション・シャルドネ
カリフォルニアNo.1の人気を誇るカレラは、オーナーであるジェンセン氏が単身でブルゴーニュに渡り、世界最高のワインを産み出すドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティで、修行を積み、最高のピノ・ノワール造りを体に叩き込んで帰国し、設立したカリフォルニアを代表するワイナリーです。
いつしか「カレラ ジェンセン」は「カリフォルニアのロマネ・コンティ」と呼ばれるようになり、あっという間に世界中から注目される幻のワインになりました。
マウント・ハーランにある自社畑と、厳選されたセントラル・コースト・エリアの畑のブドウをブレンド。
レモンの皮を擦ったような爽やかさと洋梨の花を思わせるフローラルな香りが溢れ、口に含むとタンジェリンオレンジや林檎のフレーバーが広がり、スターアニスや甘いオークの微かな香りも感じます。
心地よいミネラル感、クリーミーな舌触り、長く続くシルキーな余韻、全て揃った驚くほどバランスの良い味わいです。
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フォグ・マウンテン・シャルドネ ジャン・クロード・ボワセ
ブルゴーニュのワイン界の代表的な生産者でもあるボワセ・グループが、カリフォルニアで立ち上げた新ブランド「フォグ・マウンテン」環境問題を一番に意識したワイン造りの理念を持ち、所有するすべてのワイナリーがオーガニック栽培とビオディナミ栽培を実践。
ネイティブアメリカンに伝わる「大地は借り物である」という言葉に感銘を受け、サスティナブルなワイン造りをアメリカで実践したいと思い、フランス・ブルゴーニュの技術とカリフォルニアのテロワールが生み出す極上ワイン。
トロピカルフルーツのアロマ、レモンなどの柑橘類、完熟したリンゴ、アーモンドなどナッツを思わせる香ばしい香りも後から感じられ、口に含むと、アロマ同様に華やかなパイナップルなどの果実味にナッツの香ばしいニュアンス、そして滑らかな質感が感じられます。
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カベルネソーヴィニヨン・ナパヴァレー ナパ・ハイランズ
「ナパ・ハイランズ」はナパ・ヴァレーのブドウ栽培農家と密接な関係を築き、ナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンらしさを生み出すべく、非常に評価の高い中心的な二つのAVAであるオークヴィルとヨントヴィルのブドウをブレンドしています。
ナパ・ヴァレー、ヨントヴィル、オークヴィル、ラザフォードの畑の特にヨントヴィルの有名ワイナリーに隣接する評価の高い栽培農家のブドウを使用し、フランスとアメリカの樽を組み合わせて20ヵ月熟成して造られます。
フレッシュなベリー系のアロマに、ハーブ、ミント、森林、たばこなどの複雑ながらナパのヴァレーフロアのカベルネの典型的なアロマが立ち上がります。
口に含むと香ばしい樽のニュアンスと十分に熟したフルーツやモカの風味とハーブの香りが印象的で、滑らかな口当たりながらきっちりと引き締まったタンニンまでその特徴をしっかりと示し格上の味わいに仕上がっています。
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クロ・デュ・ヴァル・エステート・ナパヴァレー・メルロー
フランス語で「小さな谷の小さな畑」を意味するクロ・デュ・ヴァルは1972年、今や伝説的なナパのスタッグスリープ地区に設立されました。
クロ・デュ・ヴァルのカベルネ・ソーヴィニョンがアメリカ、ナパヴァレーのワインとして初めて、1976年にパリで開かれた権威あるワイン品評会でその品質を認められて以来、ナパヴァレーを代表するワイナリーとしての地位を保ち続けています。
今も家族経営を貫き、スタッグスリープ、カーネロス、ヨントヴィルにある畑も含め、約350エーカーの自社畑を所有。それぞれのテロワールを表現する、傑出したワインを作り出し続けています。
ルビーレッドをした2017年のエステート・メルローから力強いラズベリー、グローブ、バニラ、新鮮なクリームの香りが溢れます。
レッドベリー、紅茶、挽きたてのコーヒー豆が混ざり合った味わいの後、柔らかなタンニンと爽やかな果実味がフィニッシュへと続きます。
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ヘス・シャーテイル・ランチス・カベルネ・ソーヴィニョン
ヘス・コレクションは、カリフォルニア州ナパ・ヴァレーを代表するプレミアムワイナリーで、ナパ・ヴァレーの中でも標高の高い「マウント・ヴィーダー」に位置する家族経営のワイナリーです。
その立地から通称「山カベ(山のカベルネ)」とも称され、色濃く、力強い味わいのカベルネ・ソーヴィニヨン種を造っており、トップキュヴェである「ザ・ライオン」を筆頭に、1844年の創業以来、ほぼ全てのワインが主要評価誌で90点以上を獲得するなど、次世代のラグジュアリー・ワイナリーのリーダーとして君臨し続けています。
カベルネ・ソーヴィニョンを主体に、プティ・シラー、メルロー、シラー、マルベックをブレンドしたこのワインは、料理とのマリアージュのために造られたワインで、フレンチオーク樽で12ヶ月熟成しているため、クローヴ、シナモン、バニラ、ワイルド・ブラックベリーのアロマが感じられ、熟した濃い果実味がありながら、心地 良い酸とタンニンのバランスがエレガントさを演出します。
あらゆる種類の肉料理とのマリアージュがおすすめの1本です。
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ラピス・ルナ・ピノ・ノワール
神秘的なラベルが印象的なこのワインは、Once in a Blue Moonという「ごく稀なこと」「滅多に起こらないこと」を 意味する青い月(憧れ、理想、チャンス)を手に入れようと手を延ばす人物たちが描かれており、ラピス・ルナのワインシリーズは、7つのストーリーで構成されています。
ラピス・ルナ・ワインズのワインは、カリフォルニア州メンドシーノにあるUkiah(ユカイア)にてワイン造りがおこなわれており、ラピス・ルナシリーズのワインメーカーはDave Rosenthal氏が務めています。
彼はロバート・モンダヴィや、スタッグス・リープ・ワインセラーズをはじめ、多くの著名な醸造家やワイナリーが師と仰ぐAndre Tchelistcheff氏のチームで働いたという特筆すべきキャリアを持つカリフォルニアワインを表現する術を身に着けた優れた醸造家です。
ラピス・ルナ・ワインズが手掛けるピノ・ノワールは、完熟レッドチェリーやポイズンベリー、スミレの香り、スパイスの複雑なアロマがあり、口に含むと瑞々しく、スムースできめ細かいタンニンの質感が感じられる1本です。
リース・ソノマ・ブレンド ジャン・クロード・ボワセ
ナパバレーに並ぶカリフォルニアワインの銘醸地ソノマの地で、もともとボルドーワインの熱狂的な愛飲家だったチップ・リース氏によって、1981年にソノマのアレキサンダーバレーに設立されました。
醸造家のビル・アルボワ氏のサポートを受けながら、ブレンドするボルドースタイルの上質なワインを造ることをモットーにワイン造りをスタートし、1991年、フランスのワイン業界で大きな影響力を持つ、ボワセ・ファミリーグループの傘下に入りました。
アレキサンダー・バレーは、ソノマの中でも広い平坦地となっており、他のエリアに比べ日照時間も長く、小石が多く水はけが良い土壌を持つためカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に適しており、ナパ・ヴァレーに匹敵する高品質のワインを生み出します。
メリテージ・ワインというスタイルを生み出した、リース・ワイナリーのルーツともいえるワインが、この「ソノマ・ブレンド」です。
カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニョンを主体としつつ、ボルドー品種を複数使い、複雑で奥深い、エレガントな味わいを追求します。
ブドウはすべてソノマ・カウンティのものを使用し、中でも銘醸地として名高いナイツ・ヴァレーとドライ・クリーク・ヴァレーのものを多く使用しています。
ワインの熟成には、アメリカンオーク、フレンチオーク、ハンガリアンオーク3種類の樽を用いて、複雑な味わいを表現します。
深いルビー色で、ブルーベリーやブラックベリーなどの黒系果実の香りに、クローブやシナモンの樽からくるスパイスや、なめし革、針葉樹、ミントのアロマ。
口に含むとベルベットのような滑らかで厚みがあり、非常に豊かなタンニンがよく溶け込み、しっとりとしたテクスチャー。
樽や果実からくる甘味と、タンニンのバランスが非常に良く、最後にアルコールの熱さを感じ、パワフルでありながらバランスのいい赤ワインです。
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ベル・クジーヌ ハイド・ド・ヴィレーヌ
「パリスの審判」に審査員として立会い、カリフォルニアワインの可能性にいち早く気が付いたオベール・ド・ヴィレーヌ氏と、「キスラー」、「パッツ&ホール」などのトップクラスの生産者へブドウを供給してきた「ハイド・ヴィンヤード」のラリー・ハイド氏が2000年にタッグを組みハイド・ド・ヴィレーヌを立ち上げました。
Belle Cousine(ベルクジーヌ)とは「美しいいとこ」という意味で、両家を繋げたパメラ・ド・ヴィレーヌのことを指しています。
ブルゴーニュの伝統的なワインづくりと、ナパヴァレーにあるハイド・ヴィンヤードのテロワールにより、カリフォルニア特有のパワフルさよりもブルゴーニュのような繊細さが表現されており、ブラックチェリーやプラムのような果実味に、バラのポプリと甘いスパイシーな香り、シルキーなタンニンと複雑で深みのある味わいを感じられ、エレガントで滑らかな余韻が贅沢に長く続いていきます。
ヴェリテ・ラ・ジョワ
ケンダル・ジャクソンの創始者であり、アメリカで最も成功した家族経営のワイン会社の1つ「ジャクソン・ファミリー・ワインズ」がソノマで生み出す、ヴェリテ。
ボルドーで大活躍したワインメーカー、ピエール・セイヤン氏とともに、カリフォルニアの最高のブドウ園から並外れたワインを生産するという情熱に突き動かされて、ジャクソンは、世界最高のワインと同じくらい優れたワインを作りたいと切望し、ソノマ・カウンティのテロワールに魅入られ醸造を開始。
ワイン・アドヴォケイトで幾度も100点満点を獲得し、カリフォルニアワインの歴史を変えた「伝説の人物」と称賛されています。
ラ・ジョワは、マヤカマス山脈の険しい丘陵地帯と火山ベンチに沿って栽培されたカベルネ・ソーヴィニヨン主体にメルロ、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドをブレンドしたフランスのエレガントなポイヤックを目指し造られました。
活気に溢れエネルギッシュで誇り高く、「ロバート・パーカー氏から「シャトー・モンローズのカリフォルニア版」と称賛されるほどの仕上がりで、重厚でエレガント、深みがある圧倒的存在感のあるスタイルです。
「ヴェリテ」とはフランス語で「真実・真髄」の意味があり、まさにアメリカの偉大な産地のテロワールをこの1本に落とし込んだかのような作品です。
オーパス・ワン
カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏と、ボルドーメドック格付け第一級、シャトー・ムートン・ロスチャイルドを所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の2人がコラボレーションした夢のワインが、オーパス・ワンです。
カリフォルニアのテロワールとボルドーの醸造技術の融合によって、最高品質かつ唯一無二のワインを造るという目標をかかげ、1984年に1979年ヴィンテージと1980年ヴィンテージが発売されました。
「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディーのようなもの」という思いから、音楽用語で「作品番号1」という意味を持つオーパス・ワンと名付けられたこのワインは、エレガントで複雑な香りと深みのある味わいでまさにカリフォルニアを代表するプレミアムワインとしてふさわしい圧倒的存在感を放っています。
20年もの熟成に耐えられる熟成型のワインですが、ブドウの収穫からリリースまでに、すでに3年が経っていますのでリリース直後でも、十分に楽しむことができるのもオーパス・ワンの魅力です。