彼女の生み出すワインは、「ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)」という最高級ワインに匹敵する品質と言われるほど、世界最高峰の女性醸造家です。
メゾン・ルロワ自体は、先代の「アンリ・ルロワ」によって1868年に設立されました。
マダム・ルロワの伝説はこのネゴシアンブランドを任されたところから始まります。
マダム・ルロワは幼い頃からワインテイスティングで鍛えられていたと言われ、「試飲能力、ビジネスの手腕、類まれなるセンス」で一世を風靡。
1991年にDRCの共同オーナーの座を退き、その後は自身が運営する「ドメーヌ・ルロワ」「メゾン・ルロワ」に注力しています。
まず「最高のブドウを収穫したい」という思いが強かった彼女は、ワインにとって重要なことは土壌だと考え、天体の動きに合わせた「ビオディナミ農法」を自社畑でスタートさせました。
ビオディナミは、オーガニック農法の中でもっとも厳格で難易度が高く、並大抵の努力では成功しない農法です。しかし、1993年にワイン評論家「ロバート・パーカー氏」が、彼女の醸したワイン3本に対して同時に100点満点を付け、世界中のワインファンが震撼しました。
天才的な試飲能力を持つ彼女だけに、そのワイン造りへのこだわりは並々ならぬ厳しさがありました。
品質に納得いかなければグラン・クリュ(高品質なブドウが作られる畑。特級畑)を出さなかったり、収穫するブドウはごくわずかなため、実際に生み出すワイン本数もとても少なかったりで知られています。
そんなマダム・ルロワの醸す「ドメーヌ・ルロワ」はもちろん、ネゴシアンブランド「メゾン・ルロワ」のクオリティもトップクラス。
彼女の厳しい基準で育てられた契約栽培農家のブドウが使われており、ドメーヌ・ルロワに引けを取りません。
そのうえ価格は比較的リーズナブル。彼女のワインの哲学を知るのにおすすめできるブランドとなっています。
価格以上の価値を持つ、「メゾン・ルロワ」のワインをぜひお試しください。
味の特徴
「メゾン・ルロワ」のオーナー、マダム・ルロワはテイスティングの天才的な能力で、あまり世に知られていない畑から収穫されたブドウであっても、一切妥協のない「ルロワクオリティ」に仕上げてしまいます。彼女の仕上げるワインは、繊細でエレガントさを感じさせ、奥深さも兼ね備えられています。
まるでマダム・ルロワの魔法にかかったように「果実味が程よく、全体のバランスがまとまった優雅な風味が五感を包みこむ」と評されるほどです。
ワインの舌触りは非常に滑らかで、心地よい余韻がいつまでも続きます。
DRCのオーナーを務めていた彼女だからこそ出せる、エレガントな味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか。
メゾン・ルロワの赤ワイン
メゾン・ルロワの赤ワインは、「ピノ・ノワール」のみで造られています。そして、酸と渋みをしっかりと残した長期熟成タイプが多いです。
非常に厳しい品質管理のもとで生み出される赤ワインは、
・熟したベリーやストロベリー
・うまみに通じる鰹節のような香り
・腐葉土や枯れ葉
・干し肉
など、数多くの複雑な香りに包まれています。舌触りはとても柔らかく繊細さが特徴的です。
年数が若いうちは「ストロベリー、カシス、ザクロ」といったフレッシュさがありながら、やや堅牢に感じるかもしれません。
それが熟成されると、「熟したジャム、ベリー、トリュフを思わせるキノコの香り」「紅茶など複雑なアロマ」が突出し始めます。
こういった経年変化を楽しめるところも、「メゾン・ルロワ」の赤ワインの魅力と言えるでしょう。
メゾン・ルロワの白ワイン
メゾン・ルロワの白ワインは、シャルドネを100%使って造られています。彼女はシャルドネへのこだわりも強く、その産地によってブドウの個性を見極め、大切に醸造しています。
例えば「マコン」という白ワインは、フレッシュなイエローの外観を放ち、「レモン、洋梨、白桃」といった果実味が溢れたフレッシュな印象。酸も大切にしており「ミネラル感を感じさせる、骨格のあるエレガントな仕上がり」になっています。
「プルミエ・クリュ(一級畑)」の白ワインは絶妙な樽使いで仕上げられたものが多いですので、「ハチミツ、アプリコット、白桃、熱したコンポート」など、複雑で甘美な風味を感じられるでしょう。
そこに樽由来のほのかな「アーモンドやヘーゼルナッツの香り」が加わり、「滑らかな口当たりとほどよい酸」が全体をしっかりと下支えする事で、最高のバランスに仕上げられているのです。
メゾン・ルロワの白ワインは「軽やかなタイプ」から「ややボリューム感のあるタイプ」までさまざまですが、共通する特徴は「エレガントで繊細」であるということでしょう。
体中全体に染み込んでいくような、命の水を思わせる優美さこそが、味わいの最大の特徴と言っていいかもしれません。