シャトー・シュヴァル・ブランの特徴と通販での選び方
フランスを代表する銘醸地サン・テミリオンで、確固たる地位を築いている「シャトー・シュヴァル・ブラン」。
ボルドーで最も深遠と称されるワインを生みだし、世界中の多くのワイン愛好家から支持されているトップシャトーです。
こちらでは、シャトー・シュヴァル・ブランの特徴をご紹介いたします。
中世の雰囲気を残した美しい街並みが特徴で、1999年にワイン産地として世界で初めてユネスコ世界遺産に登録されています。
ボルドー地方の他の地区と同じく穏やかな海洋性気候ですが、どちらかと言うと大陸性気候に近く、温暖で日照に恵まれた素晴らしい気候だと言えるでしょう。
サン・テミリオンの土壌は、粘土石灰質や砂利質など、複雑で多様性に富んでいるのが特徴です。
「コート」と呼ばれる粘土石灰質土壌のエリアでは主にメルローが、「グラーヴ」と呼ばれる砂利質土壌のエリアでは主にカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランが栽培されています。
そしてシャトー・シュヴァル・ブランが拠点を構えるのは後者のグラーヴです。サン・テミリオンの中でもポムロールとの境界線付近に畑が広がっています。
所有するブドウ畑の土壌は、20%が砂を多く含んだ砂利質、40%が砂利が入り混じった砂質、残りの40%は表土が砂を含んだ粘土質で、下層は密度の高い青粘土。
砂利が多いことから水はけが良く、カベルネ・フランの栽培に適した土壌となっています。
サン・テミリオンではメルローを主体としたワインが多く造られている中、シュヴァル・ブランはカベルネ・フランの比率が高いという、地区内では珍しいシャトーです。
カベルネ・フランは基本的に補助的役割で使用される品種ですが、シャトー・シュヴァル・ブランではメルローと半々の比率で使用されています。
ヴィンテージによってアッサンブラ―ジュ(ブレンドの割合)は異なりますが、このような世界的にも珍しいブレンド比率は、シュヴァル・ブランの大きな特徴として挙げられるでしょう。
それでは、シュヴァル・ブランの歴史を振り返っていきましょう。
もともとは「シャトー・フィジャック」というシャトーの一部だったのですが、1832年にデュッカス家に売却されたことがシュヴァル・ブランの始まりです。
1854年にアンリエット・デュッカス氏とジャン・フルコー・ローサック氏が結婚すると、ローサック家に所有権が移りました。
「シュヴァル・ブラン」は白馬を意味する言葉で、アンリ4世が故郷へ帰る際に白馬に乗ってこの付近に宿泊していたことに由来しています。
創業後は徐々に品質の高さが世界で認められるようになり、1862年と1878年にはパリとロンドンのワインコンクールで見事金賞を受賞。その時の金賞のメダルは、現在もラベルに描かれています。
1893年にジャン・フルコー・ローサック氏が亡くなると、シャトーは8人の子供にそれぞれ相続されましたが、そのうちの一人であるアルベール氏が全て買い取って単独のオーナーとなりました。
1927年にはシュヴァル・ブランは会社組織となり、1954年にはサン・テミリオンの格付けで最上位を意味する「第一特別級A」にランク付けされます。
こうしてシュヴァル・ブランは名実ともに、サン・テミリオンで確固たる地位を築いたのです。
1998年からはベルギー人の実業家アルベール・フレール氏と、LVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・エ・ヘネシー)の社長ベルナール・アルノー氏の共同所有となっています。
長い間家族経営が続く中で幾度も経営者が変わってきましたが、シュヴァル・ブランの格付けは変わることなく、安定した品質と人気を保ち続けているのです。
続いて、醸造について見ていきましょう。
シュヴァル・ブランではブドウの収穫は全て手摘みで丁寧に行われ、その後醸造所まで運ばれます。
そして、除梗前後に選果し、コンクリートタンクとステンレスタンクで醸造が行われます。
醸造については伝統的な方法を採用していますが、場合によって低温マセレーションを行っている点が特徴として挙げられるでしょう。
その後新樽100%で21日~28日間発酵を行い、18か月~20か月の樽熟成を経て、自社製の機械で瓶詰されて出荷されます。
こうして厳選したカベルネ・フランとメルローをおよそ半々の割合で使用して造られるシュヴァル・ブランのワインは、豊かなアロマを持ち、柔らかい口当たりで上品な味わいが特徴的です。
また、いわゆる「ボルドー8大シャトー」の中でも飲み頃が幅広いことで知られ、若いうちから楽しめるだけでなく、熟成させるごとに素晴らしい味わいとアロマに変化していきます。
開花して輝きだすのは10年~30年の間と言われており、熟成させるごとにシュヴァル・ブランの真髄を感じることができるのです。
シュヴァル・ブランはワインの品質を高めるために収穫制限を厳しく設けており、非常にわずかな量しか生産されません。
そのため、希少性が高く、価格も一般的なワインと比べると高額ですが、高い品質を誇る素晴らしいワインは世界中の愛好家を魅了し続けています。
合計40haのブドウ畑を所有しており、カベルネ・フランが58%、メルローが42%の比率で植えられています。
こちらでは、それぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
カベルネ・フラン
カベルネ・フランは、フランス・ボルドー地方が原産の黒ブドウ品種です。世界でおよそ50,000ha栽培されていますが、そのうちの70%近くはフランスが占めています。
カベルネ・フランの他に、ロワール地方では「ブーシェ」、「ブルトン」といった異なる名前で呼ばれています。
カベルネ・ソーヴィニヨンとよく似た特徴を持つ品種ですが、異なる点はより早熟で軽やかな味わいに仕上がることです。
ブルーベリーや木苺などの果実、スミレを連想させるアロマが特徴的で、酸味とタンニンは穏やか。
アロマと味わいを含め全体的にソフトな印象があり、力強さよりもエレガントさが目立ちます。
主要産地のボルドー地方では、カベルネ・フランを主役としたワインが造られることはほとんどありません。
主にブレンド用として栽培されており、補助的な役割で使用されています。
右岸エリアではメルローとブレンドされることが多く、シュヴァル・ブランはその中でもカベルネ・フランの比率が高いシャトーです。
ヴィンテージによってアッサンブラ―ジュに差はありますが、シュヴァル・ブランではおよそ50%近くが使用され、赤ワインにエレガントさをもたらしています。
メルロー
メルローは栽培面積世界2位を誇る、人気の高い黒ブドウ品種の一つです。カベルネ・フランと同じくボルドー地方が原産で、世界で広く栽培されています。
メルローは早熟タイプのため糖が上がりやすく、果実味が豊富です。
ブラックチェリーやプルーンなどの果実や、コーヒー、チョコレートを連想させるアロマを持ち、酸味とタンニンは少なめ。
豊かな果実味とまろやかな口当たりに仕上がり、親しみやすい味わいが特徴です。
カベルネ・フランと同様にボルドー地方では単一品種で使用されることはほとんどなく、ブレンドに使用されています。
シュヴァル・ブランではカベルネ・フランとブレンドされる事で、メルローの特徴である果実味や柔らかさをもたらしています。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にしてお選びください。
シャトー・シュヴァル・ブランの選び方
シャトー・シュヴァル・ブランではファーストラベルの他にも、セカンドラベルの「ル・プティ・シュヴァル」が生産されていますので、それぞれの特徴を見ていきましょう。(※ファーストラベルとは厳選したブドウを使用して造られるシャトーの代表格で、その基準に満たなかった二番手的存在がセカンドラベルです。)
まず、ファーストラベルの「シャトー・シュヴァル・ブラン」から。
こちらはカベルネ・フランとメルローが使用されており、ヴィンテージによって異なりますが、カベルネ・フランの比率が高めとなっています。
そのため、熟した果実のアロマを持ち、絹のような舌触りのエレガントな味わいが特徴です。
サン・テミリオンのトップシャトーから生まれるファーストラベルですので、実力派のボルドーワインをお探しの方には是非おすすめしたい逸品となっています。
また、長期間の熟成にも耐えうる能力を備えていることから飲み頃が幅広いため、熟成された味わいがお好みの方にも是非お試しいただきたいワインです。
続いて、セカンドラベルの「ル・プティ・シュヴァル」。
ファーストラベルと同じブドウ品種が使用されていますが、こちらはメルローが主体で造られています。
ブラックチェリーなどの果実やミントのようなアロマが広がり、絶妙なバランスのなめらかなタンニンとほどよい酸味が特徴です。
ファーストラベルよりも熟成が早く、若いうちからお楽しみいただける点も特徴として挙げられます。 ル・プティ・シュヴァルはセカンドラベルとは思えないほどの出来栄えで、ファーストラベルの風格を十分に感じられる逸品です。
そして、シュヴァル・ブランは著名ワイン評論家ロバート・パーカー氏から、「ワインを構成している要素(果実味、絹のような舌触り、ふくよかさなど)の全てが、非の打ち所のないつり合いを示している。」と絶賛されています。
また、サン・テミリオンの格付けの最上位である第一特別級Aにランク付けされているため、その品質の高さに間違いはありません。
最高品質のカベルネ・フラン、メルローが奏でる、高級ボルドーワインならではの良さを感じていただけるでしょう。
シャトー・シュヴァル・ブランの楽しみ方
シャトー・シュヴァル・ブランは飲み頃が幅広いことで知られ、若いうちからお楽しみいただける上に、長期熟成に耐えうる能力も秘めています。ファーストラベルは出荷までに18か月~20か月の熟成を経ているため、購入後すぐに開栓していただいても問題ありません。
一方、セカンドラベルの「ル・プティ・シュヴァル」はファーストラベルよりも熟成が早く、こちらも若いうちから充分にお楽しみいただけます。
もちろん熟成させるごとに香りと味わいに深みが増しますので、お好みの味わいになるまでご自宅のワインセラーで寝かせておくのも良いでしょう。
シュヴァル・ブランはカベルネ・フランの比率が高く、豊かなアロマが魅力的な上品な味わいが特徴です。
ボルドーで最も深遠と称されるほどの個性を持っていますので、単体でお飲みいただいてもお楽しみいただけるでしょう。
自分へのご褒美として一人でじっくりと飲む際や、親しい友人や大切な方と語らう場に用いていただくのはいかがでしょうか。
また、シャトー・シュヴァル・ブランは料理との合わせも抜群です。
中でも牛肉とのマリアージュ(相性)が良好ですので、赤身肉のステーキや、ローストビーフといった料理に合わせてお楽しみください。
普段のお食事に合わせる以外にも、お誕生日や記念日など特別な日のお祝いに。
そして、ホームパーティーといった華やかな場にもお使いいただけます。
もちろん日頃お世話になっている方へのお礼の品や、大切な方への一生に一度の贈り物にも最適です。
第一特別級Aに格付けされているトップシャトーですので、ワイン好きの方への贈り物に選んでいただいても大変喜ばれるでしょう。
銘醸地サン・テミリオンの中で確固たる地位を築く「シャトー・シュヴァル・ブラン」。
世界中の愛好家を魅了している深遠で個性的な味わいを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
ワインショップソムリエではソムリエが厳選したワインのみを取り扱っていますので、安心してお選びいただけたらと思います。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)