シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンの特徴と通販での選び方
かの有名な五大シャトーの一つ「シャトー・オー・ブリオン」と同じ所有者で、偉大なボルドー白ワインを生みだす「シャトー・ラヴィル・オー・ブリオン」。
こちらでは、シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンの特徴についてご紹介いたします。
グラーヴ地区の中でも、さらに恵まれた土地を持つ「ぺサック・レオニャン」と呼ばれる一帯に属しています。
ぺサック・レオニャンはもともとAOCグラーヴに属する地域でしたが、優れた品質のワインを生みだすエリアとして認められ、1987年に原産地として独立しました。
ボルドーの他地区と同様に海洋性気候で、南側に位置することから左岸のメドック地区よりも温暖な気候が特徴です。
土壌は砂が含まれた砂利質、石灰岩質で、他の区画よりも砂利質が多くなっています。
メドック1級で知られる「オー・ブリオン」の周囲には、今回紹介する「ラヴィル・オー・ブリオン」の他に、「ラ・トゥール・オー・ブリオン」や「ラ・ミッション・オー・ブリオン」といった有名シャトーが存在しています。
ややこしいですがシャトー名に含まれる「オー・ブリオン」とはこの一帯の地名であり、元は同じシャトーだったものが過去にそれぞれ分離・独立したため名称が似ているのです。
ラヴィル・オー・ブリオンの歴史は少し複雑で、メドック格付けが行われた19世紀ごろはメドック格付け1級で有名なオー・ブリオンと品質を競っていました。
1931年になると、当時シャトー・ラ・ミッションを所有していたウォルトナー氏がシャトーを購入します。
しかしウォルトナー家では経営を巡る争いが絶えなかったためシャトーは手放され、1983年以降は「クラランス・ディロン社」の手に渡りました。
現在、クラランス・ディロン社は「ラヴィル・オー・ブリオン」だけでなく、「ラ・トゥール・オー・ブリオン」「オー・ブリオン」「ラ・ミッション・オー・ブリオン」をすべて所有しています。
そして紛らわしいのですが2009年以降のヴィンテージでは、「ラヴィル・オー・ブリオン」は「ラ・ミッション・オー・ブリオン・ブラン」として世に出されています。
さて、そんな「ラヴィル・オー・ブリオン」ですが、特徴の一つに”絶好の醸造環境”が挙げられます。
なんとワイン造りは兄弟シャトーである「ラ・ミッション・オー・ブリオン」の中で行われ、ブドウの栽培から瓶詰に至るまでは「オー・ブリオン」のスタッフが手掛けているのです。
これらの手間によって、現在では「5大シャトーのオー・ブリオンに匹敵する」と評されるほどの高品質なワインを生産しています。
そして品質の高さもさながら、ラヴィル・オー・ブリオンは生産量が少なく”希少性が高い”ことでも有名です。
そのブドウ畑はわずか3.7haで、年間生産量は平均1万200本。そのうちの約95%は輸出されています。白ワインのみの生産となり、ぺサック・レオニャンらしいしっかりとしたボディの上品でフレッシュなスタイルとなっているのが特徴的です。
長期熟成に耐えうるポテンシャルを持っている一方で、ヴィンテージによっては味が開くまでに5年から10年ほどかかる事もあるでしょう。
また、かの有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏は、ラヴィル・オー・ブリオンを「世界で最も偉大な辛口白ワインの一つである」と評しています。
ここからはそれぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
セミヨン
「セミヨン」はフランス・ボルドー地方が原産の白ブドウ品種です。世界の栽培面積は約20,000haで、主要産地はフランスやオーストラリア。
原産地のボルドー地方では、辛口から甘口まで幅広いタイプのワインが造られています。
セミヨンは穏やかな酸味と、控えめなアロマ、繊細な味わいが特徴です。
そして、落ち着いた果実味があり、どっしりとしたボディのワインに仕上がります。
特筆すべきは優れた長期熟成能力で、10年以上熟成させることで上質なコクが生まれます。
また、樹勢が強いことから生産性が高く、安定した収穫量が期待できるブドウです。
ラヴィル・オー・ブリオンの畑でセミヨンは70%植えられており、主要品種として栽培されています。
セミヨンを主体としてソーヴィニヨン・ブラン、ミュスカデルとブレンドし、ラヴィル・オー・ブリオンの特徴でもあるしっかりとしたボディや、長期熟成に耐えうるポテンシャルをもたらしています。
ソーヴィニヨン・ブラン
「ソーヴィニヨン・ブラン」はセミヨンと同じくフランス・ボルドー地方が原産の白ブドウ品種です。フランス中央部では「ブラン・フュメ」、オーストリアでは「ムスカット・シルヴァーナー」など、産地によって異なる名前で呼ばれています。
ソーヴィニヨン・ブランは野生的を意味する”ソヴァージュ”が語源と言われている通り、樹勢が強い品種です。
そして、早熟タイプでフレッシュな酸味が特徴なので、冷涼な気候のエリアでの栽培が適しています。
柑橘系やハーブのようなアロマを感じられ、生き生きとした果実味があることから、「爽やか」というフレーズがぴったりなブドウです。
原産地のボルドー地方では、セミヨンとブレンドした白ワインが多く造られています。
ラヴィル・オー・ブリオンでもセミヨン、ミュスカデルとブレンドされ、フレッシュな酸味と香りを与える役割を担っています。
ミュスカデル
「ミュスカデル」は白ブドウ品種の一つで、主にフランス、オーストラリアで栽培されています。ミュスカ、ミュスカデと名前が似ているため間違えられることが多いですが、全く違う品種です。
熟すのが遅く、低めの酸味とムスクを連想させるアロマが特徴です。
ミュスカデルは単一でワインを造られることはほとんどなく、補助的品種として使用されています。
ラヴィル・オー・ブリオンでの栽培面積比は3%と一番少なめで、アッサンブラ―ジュ(ブレンド)も数%程度です。
ブレンドされる割合は少なめで補助的役割ではありますが、欠かせない品種であることは間違いありません。
併せて楽しみ方もご紹介しますので、ご購入を検討されているお客様は是非こちらを参考にしてみてください。
シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンの選び方
シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンは常に品質のレベルが高く、その品質は1級のシャトー・オー・ブリオンに匹敵すると言われるほど。しっかりとしたボディと上品でフレッシュな味わいの、まさにぺサック・レオニャンらしい高品質な白ワインだと言えるでしょう。
その分お値段は張りますが、ボルドーで極上の白ワインをお探しの方には、是非おすすめしたいシャトーです。
選び方としては、ヴィンテージとラベル表記に注意する必要があります。
シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンが最も偉大な白ワインの一つと言われるようになったのは、1983年にディロン家が所有してセラーの改修や最先端の設備が導入されて以降です。
そのため実力を重視するのであれば1983年以降のヴィンテージが候補にあがるでしょう。
また、2009年以降、「ラヴィル・オー・ブリオン」は「ラ・ミッション・オーブリオン・ブラン」という名前に改称されていますので、その点だけご注意ください。
現在ではオー・ブリオンを冠する4つのシャトーが1つに集まり技術が結集した事で、5大シャトーに負けず劣らずの品質となっています。
ヴィンテージによって味わいや価格に違いはありますが、近年のものはどれも上質であることは間違いありません。
ワインショップソムリエでは厳選したヴィンテージだけを取り扱っていますので、安心してラインナップの中からお選びください。
一方で、生産量自体が少なく非常に希少性が高いため、ワインショップソムリエでも貴重な入荷となります。
一般的なワインに比べると高額にはなりますが、見かけた際はお早めのご購入をおすすめいたします。
シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンの楽しみ方
シャトー・ラヴィル・オー・ブリオンは長期熟成型のボルドー白ワインです。そのため味わいが開くまで一般的に5年~10年を要すると言われており、ヴィンテージによっては20年~25年の熟成に耐えられるものもあります。
13か月から16か月の熟成を経てからリリースされるため、購入後すぐに開栓してもお楽しみいただけますが、熟成された味わいがお好みの方は寝かせてから飲むのもおすすめです。
単体でお飲みいただくことも可能ですが、料理に合わせることでより飲みやすく感じられるでしょう。
しっかりしたボディでフレッシュな辛口タイプですので、刺身やお寿司など魚介を使用した料理とのマリアージュ(相性)が抜群です。
おつまみと一緒に楽しむ場合は、クセの少ないカマンベールなどのチーズと合わせると良いでしょう。
ラヴィル・オー・ブリオンは年間生産量が少なく、希少性が高いため、一般的なワインと比べても高額となっています。
そのためお誕生日や記念日などのお祝い事や、大切な方への一生に一度の贈り物としても最適です。
「最も偉大な白ワインの一つ」と称される最高峰の白ですので、ワイン好きの方には間違いなく喜んでいただけるでしょう。
1級ワインに並ぶ文句なしの品質の、機会があれば是非お試しいただきたい高級白ワインです。
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