ナバーラのワインの特徴と通販での選び方
優れたワインを生みだす産地として昨今注目が集まっている「ナバーラ」。
かつてはロゼワインで有名でしたが、近年はスペインの赤ワインにおける重要産地として知られています。
こちらでは、そんなナバーラ産のワインの特徴をご紹介いたします。
ラ・リオハ州、バスク州、アラゴン州に接しており、エブロ川流域にボデガ(醸造所)が点在しています。
バスク語で”山々に囲まれた平原”が由来とされている通り、ナバーラが位置するのはピレネー山脈から緩やかに広がる広大な平地。
ピレネー山脈からの冷涼な風を受けるため冬は寒く、夏は暑い大陸性気候ですが、リオハに比べても温暖な気候が特徴です。
「バルディサルべ」「ティエラ・エステーリャ」「バハ・モンターニャ」「リベラ・アルタ」「リベラ・バハ」の5つの地域で構成され、中でも重要な地域のリベラ・ハバは砂岩質の土壌となっています。
ナバーラ州のワイン造りの歴史は紀元前2世紀まで遡ることができ、非常に長い歴史があります。
中世には独立していた王国であったナバーラにはサンティアゴ巡礼路があり、巡礼者からの需要によりブドウの栽培が発展していきました。
「ナバーラのワインは美味しい、決して虜になってはいけない」と、巡礼者に向けたガイドブックに記されていたほどです。
しかし、1890年代にスペインでフィロセキラ(害虫)が流行したことにより、かつては50,000haほどあったブドウ畑は、わずか713haまで減少してしまいます。
これほどまでに大きな被害を受けたためワイン産業はなかなか復興できませんでしたが、フィロキセラに強い台木に接ぎ木する方法を取り入れ、畑の再建に取り組みました。
そして、栽培しやすいガルナッチャ種を植え、ワインは質よりも量を重視して生産量を増やしリーズナブルなロゼを輸出したことから、ナバーラはロゼワインで有名になったのです。
1932年にスペインでDO(スペインにおける原産地統制呼称)が制定されると、ナバーラは翌年1933年にDOとして認定されました。
さて、当時ナバーラはロゼワインで有名な産地ではありましたが、銘醸地リオハの隣ということもあり、陰に隠れていた存在でした。
しかし、1980年代に研究の結果テンプラニーリョの栽培に適した環境であることが判明し、植え替えや醸造設備の革新が行われます。
さらに、ガルナッチャやテンプラニーリョの他にも国際品種取り入れ、高品質なワインが造られるようになり、今では赤ワインの重要産地として広く知られるようになったのです。
そんなナバーラで生産されているワインの割合は、赤60%、ロゼ30%、白10%。
ナバーラの赤ワインはガルナッチャ、テンプラニーリョ種を使用したものから、国産品種を使用したものまで様々で、しっかりした樽香を持つコクのある味わいが特徴です。
ロゼはガルナッチャ100%で造られた果実味のあるフレッシュな味わいが特徴で、白ワインは生産量が10%と少なめですが、半数がシャルドネを使用して造られています。
こちらではそれぞれのブドウ品種の特徴をご紹介いたします。
テンプラニーリョ
「テンプラリーニョ」は栽培面積世界4位の黒ブドウ品種ですが、その大半を占めるのはスペイン、ポルトガルです。テンプラニーリョの他にも「ティント・デル・パイス」「ウル・デ・リェブレ」など、スペインでも様々な名前で呼ばれています。
スペイン語で”早熟な”を意味するTempranoが名前の由来と言われている通り、ガルナッチャなど他の品種よりも早く熟すブドウです。
小さい粒で果皮が薄く、透明感のある明るいルビー色のワインに仕上がります。
十分な酸味とタンニンがあるものの口当たりはなめらかで、繊細な香りが特徴です。
ナバーラではフレンチオーク樽を使用していることから、しっかりとした樽香を感じられます。
短い熟成期間であれば適度な酸味を持ったフルーティーな味わいに、長期熟成を経ていれば複雑な味わいになるなど、多様なスタイルに仕上がる点も特徴として挙げられます。
ナバーラでのブドウの栽培面積は約9割が黒ブドウ品種なのですが、そのうち36%がテンプラニーリョです。
他の品種と比べても一番多く、主要品種として使用されています。
テンプラニーリョ単一でワインが造られることもありますが、ナバーラではガルナッチャなどの品種とブレンドされることが多いです。
ガルナッチャ
「ガルナッチャ」はスペインのアラゴン地方が原産の黒ブドウ品種です。スペインではガルナッチャですが、フランスや新世界では「グルナッシュ」と呼ばれています。
栽培面積は世界7位で、世界中で広く栽培されているブドウです。
ガルナッチャは熟すのに時間を要するため、温暖なエリアでの栽培が適しています。
樹勢が強く、栽培に手間がかからないことから、ナバーラがワインの品質よりも量を重視した時代に植え替えられました。
糖が上がりやすく、アルコール度数が高いことも特徴として挙げられます。
豊かな果実味に酸味とタンニンは控えめで、柔らかい印象の味わいも特徴的です。
アロマはイチジクといった果実や白胡椒、クローヴなどスパイシーなニュアンスを感じられます。
ガルナッチャ単一品種からワインが造られることは少なく、基本的にテンプラニーリョなど他の品種とブレンドされることが多いです。
ナバーラでの栽培比率はテンプラニーリョに次ぐ32%で、主要品種として使用されています。
その他の品種
上記の品種の他にもナバーラ産のワインには、「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」「シャルドネ」「ビウラ」など様々なブドウ品種が使用されています。そこで、ここからはナバーラ産のワインを通販で購入する際の選び方をご紹介いたします。
楽しみ方も併せてご紹介しますので、購入を検討されているお客様は是非こちらを参考にしてみてください。
ナバーラのワインの選び方
ナバーラはもともとロゼワインで有名な産地でしたが、近年ではスペインにおける赤ワインの重要産地としても知られています。昔はそこまで目立っていなかった事もあり、比較的リーズナブルな価格に抑えられている点も魅力として挙げられるでしょう。
高品質でコストパフォーマンスに優れていますので、スペインのワインを初めて購入する方はもちろん、気軽に飲めるデイリーワインをお探しの方におすすめです。
ナバーラには、高品質なワインを生みだす優良なワイナリーがいくつも存在します。
その中でもおすすめな生産者として挙げられるのは、「ボデガス・エスクデロ」です。
ボデガス・エスクデロはエスクデロ氏によって設立された、150年以上もの歴史を持つボデガ(醸造所)です。
エスクデロ家はナバーラの土地がテンプラニーリョの栽培に適していると判明した際に、いち早くテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境)に赤ワインが適していると気づいていました。
そして、その当時ガルナッチャが大半を占めていたブドウ畑に、すぐさまテンプラニーリョを植えます。植えられたブドウは現在では樹齢80年ほどとなり、他の畑に比べても平均樹齢が高いことが特徴です。
そして、ボデガス・エスクデロのもう一つの特徴は、自然と共存したワイン造り ブドウの栽培においては1997年から化学肥料を一切使用していません。
さらに、害虫対策や病気対策を行い、雨水を浄化してから再利用するなど、徹底した自然への配慮がうかがえます。
より自然に近い栽培、醸造によって生まれるボデガス・エスクデロのワインは、素晴らしい樽香を持つエレガントな味わいが特徴です。
価格もお求めやすい額ですので、高品質なナバーラの赤ワインを試してみたいというお客様に、是非おすすめしたいワイナリーです。
ナバーラのワインの楽しみ方
ナバーラは銘醸地リオハに隣接しているため、リオハの陰に隠れた存在とも評されてきましたが、近年ではリオハの品質に並ぶワインが多く生産されています。リオハのワインにもテンプラニーリョ、ガルナッチャが使用されており、しっかりとした樽香を感じられる点や、コクのある味わいなど似ている部分も多い印象です。
いずれもリーズナブルな価格が魅力的ですので、是非リオハのワインと飲み比べてみてください。
スペイン以外だと、ボルドーワインと飲み比べてみるのも面白いでしょう。
ナバーラの赤ワインは単体でもお楽しみいただけますが、料理と一緒に楽しむことでより味わいを感じられます。
香り高く、コクのある味わいですので、牛肉を使ったお料理とのマリアージュ(相性)は抜群です。
ビーフシチューやお肉のトマト煮込みなど、しっかりした味つけの料理と合わせてお楽しみください。
その他にも塩味のきいた生ハムともよく合いますので、是非おつまみに生ハムを選んでみてはいかがでしょうか。
そして、より美味しく楽しむためには、飲み頃の温度にも注目しましょう。
赤ワインは温度が低すぎると渋みが強くなりやすいので、冷やしすぎないように注意が必要です。
一般的に、ナバーラのワインのようにコクがあるタイプの赤ワインは、16℃から18℃が適温となっています。
温度が高い方が香りが広がりやすいため、グラスに注いでからゆっくりとお楽しみいただくと良いでしょう。
近年では高品質な赤ワインを産出している、スペインの銘醸地「ナバーラ」。
コストパフォーマンスに優れ、普段使いのデイリーワインとしても最適です。
ワインショップソムリエでは数ある中からソムリエが厳選したナバーラのワインを取り扱っていますので、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)
キーワードで絞り込む
- ボディ(コク)
2,684円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆