シャトー・ネナンの特徴と通販での選び方
「シャトー・ネナン」は、ボルドー屈指のワイン産地として知られるポムロールを代表するシャトー(生産者)の一つです。
1997年に所有者が変わったことによって品質が急激に向上し、世界で注目を集めています。
こちらでは、そんなシャトー・ネナンの特徴をご紹介いたします。
ボルドー地方の中では最も小さな村であり、ブドウ畑の総面積は800haです。 高級ワインを数多く生みだすサン・テミリオンが隣接していることから、サン・テミリオンの陰に隠れた存在でした。
しかし、20世紀頃から高品質ワインを生産する産地として評価が高まり始め、1936年には赤ワインでAOC(原産地統制呼称)の認定を受けています。
ボルドー地方の他の地区と同じく温暖な海洋性気候で、冬は穏やかで夏は暑く、湿度が高いです。
そして、土壌はドルドーニュ川から運ばれる堆積で形成され、鉄分が多く含まれています。
また、西側の地域は砂質、サン・テミリオンが位置する東側は粘土質となっており、エリアごとに異なる土壌が特徴です。
今回ご紹介する「シャトー・ネナン」は、そんなポムロールのエリア中央部に拠点を構えています。
所有するブドウ畑はポムロールの丘に広がり、総面積は約32haと広大です。
このエリアにある他のシャトーのブドウ畑は10ha未満と小さめの所が多く、シャトー・ネナンはその中でもトップクラスの規模を誇ります。
栽培されているブドウ品種はメルローが80%、カベルネ・フランが20%。樹齢50年の古樹を含め、平均樹齢は30年と高めです。
シャトー・ネナンはの歴史は古く1847年から存在しており、19世紀中頃はパイエ家が所有していました。
その後、パイエ家の娘がデプジョール家に嫁いだことによって、所有権はデプジョール家へと移ります。
1975年にはフランソワ・デプジョール氏に相続されましたが、所有権を巡って争いが勃発。1997年にはデプジョール家の従兄弟にあたるジャン・ユベール・デュロン氏が買収しました。
デュロン家といえば、かの有名なメドック格付け2級「シャトー・レオヴィル・ラス・カーズ」を経営している名家です。
デュロン家の所有となってから著名コンサルタントのミシェル・ロラン氏を招き、ブドウの樹の植え替え、醸造設備の近代化など、シャトーの全体的な改革を行いました。
その結果シャトー・ネナンは見事に品質が向上し、近年では「ポムロールの第一線に数えられるシャトー」だと言われるまでに昇りつめたのです。
(※メドック格付けとは、1855年のパリ万国博覧会にて実施されたワインの格付けのこと。61のシャトーが1級から5級にランク付けされています。ちなみにポムロールでは公式の格付けは行われていません。) このように近年高い評価を得ているシャトー・ネナンは、ステンレスタンクによって醸造が行われています。 収穫されたブドウは、温度管理可能なステンレスタンクで18日~20日間発酵。 その後、新樽率30%で平均18か月の熟成が行われ、コラージュ(清澄)を行い、濾過をせずに瓶詰されて出荷されるのです。 造られるワインはメルローが主体で、なめらかでありながらコクもあり、力強さの中にフィネスを感じる味わいに仕上がっています。
ここからは、それぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
メルロー
メルローは人気品種カベルネ・ソーヴィニヨンに次ぐ生産量を誇る、人気の高い黒ブドウ品種です。フランス・ボルドー地方が原産で、環境への適応能力が高いことから、世界で広く栽培されています。
そして、病害に強く、多産である特性があり、どの産地で栽培しても良質なブドウが育つことが人気の理由として挙げられるでしょう。
メルローは大きめの房に中くらいの粒が特徴で、熟すのが早く、果実味が豊富な味わいのワインに仕上がります。
プラムやブラックチェリーなど熟した果実や、コーヒー、チョコレートを連想するアロマを持ち、タンニンと酸味はどちらも穏やかです。
まろやかで果実味が中心の味わいとなっているため、赤ワインを飲み慣れていない方でも飲みやすく感じられるでしょう。
原産地のボルドー地方では単一品種で造られることは少なく、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランとブレンドされることが多いです。
ポムロールを含む右岸エリアではカベルネ・フランとブレンドし、果実味が豊かなコクのあるワインが造られています。
シャトー・ネナンではヴィンテージによってアッサンブラ―ジュ(ブレンドの割合)は異なりますが、メルローは平均で70%以上使用される重要品種です。
カベルネ・フラン
カベルネ・フランは世界中で広く栽培されている黒ブドウ品種です。世界全体での栽培面積は約50,000haで、そのうちの70%はフランスが占めています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの祖先にあたる品種であり、カベルネ・ソーヴィニヨンによく似た特徴を持ちます。
異なる点を挙げるとすれば、カベルネ・フランの方がより早熟で軽やかな味わいになることでしょう。
ブルーベリーやチェリーなどの果実、スミレを連想するアロマを持ち、ワインに仕上がる際の色調は明るめ。
酸味とタンニンはしなやかで全体的に軽やかな印象があり、エレガントで繊細な味わいが特徴です。
原産地のボルドー地方では主役になることはほとんどなく、主に補助品種として栽培されています。
右岸エリアではメルローとブレンドしたワインが多く造られており、シャトー・ネナンではメルロー主体で、カベルネ・フランは平均20%~30%ブレンドして造られています。
補助的な役割で使用されることが多いですが、ブレンドに欠かせない品種であることは間違いありません。
購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にしてお選びください。
シャトー・ネナンの選び方
まずはシャトー・ネナンのワインを選ぶ時に気になる、ヴィンテージについて解説していきます。シャトー・ネナンは1847年から存在する歴史あるシャトーですが、1997年にデュラン家が所有となってから急激に品質が向上した経緯があります。
そのため、実力を重視するのであれば、1997年以降のヴィンテージのものがおすすめです。
ヴィンテージによって味わいや価格に多少の差が出るものの、近年のシャトー・ネナンはいずれも高評価を得ていますので、品質面で大きな違いはないでしょう。
ワインショップソムリエでは数ある中からソムリエ厳選のワインのみを取り扱っていますので、どのヴィンテージでもラインナップから安心してお選びいただけます。
また、ポムロールの中でも最大規模の広さを誇るシャトー・ネナンのブドウ畑は、広大であるが故に複雑な土壌で構成されています。
こうした畑で育った上質なメルロー、カベルネ・フランで造られるワインは、力強い風味の中にエレガントな味わいを感じられるでしょう。
そのため、エレガントな味わいがお好みの方や、ポムロールの高品質ワインを堪能したい方には、特におすすめのシャトーです。
いずれにしても、近年ポムロールの第一線へと昇りつめているシャトーですので、その品質に間違いはありません。
シャトー・ネナンは著名ワイン評論家ロバート・パーカー氏から、「デュロン家が所有となってからよみがえりつつある。デュロン家がレオヴィル・ラス・カーズで成し遂げたことから判断して、今後さらに良くなったとしても驚きはしない。」と高い評価を受けています。
そのため、ワイン通の方はもちろん、初めてポムロールのワインを購入する方にも是非お試しいただきたい逸品です。
シャトー・ネナンの楽しみ方
シャトー・ネナンは新樽率30%で平均18か月の熟成を経てから出荷されていますので、購入後すぐに開栓しても充分にお楽しみいただけます。一方で飲み頃期間は収穫後5年~20年とされていますので、少し寝かせてからお飲みいただくことで味わいや香りにより深みが出るでしょう。
熟成された味わいを堪能したい方は、お好みの味わいになるまでご自宅のワインセラーで寝かせておくのもおすすめです。
飲み比べる場合はどうでしょうか。
シャトー・ネナンが位置するポムロールは、数多くの高品質ワインを産出するボルドー屈指の銘醸地です。
傾向が似ているサン・テミリオン地区のワインと飲み比べると、それぞれの特徴を感じられて面白いでしょう。
また、ボルドーの右岸エリアではメルローが主体ですが、左岸エリアはカベルネ・ソーヴィニヨンが主体となっていますので、同じボルドー産のワインでも大きな違いを感じられます。
お料理との合わせ方についても見ていきましょう。
シャトー・ネナンはしっかりした味付けのお料理と合わせても負けない力強さと上品さを兼ね備えていますので、牛肉やラム肉を使った肉料理とのマリアージュ(相性)が絶妙です。
ローストビーフや赤身肉のステーキ、ラムチョップなどに合わせてお楽しみください。
また、ソフトチーズとも良く合いますので、カマンベールチーズをおつまみに選んでみてはいかがでしょうか。
また、お食事に合わせる以外にも、記念日やお誕生日、ホームパーティーへの持参品としてなど、様々なシーンにお使いいただけます。
ロバート・パーカー氏から高評価を受けている注目のシャトーですので、大切な方への贈り物に選んでも喜んでいただけるでしょう。
近年急激に品質が向上し、世界的に人気が高まっている「シャトー・ネナン」。
長い歴史を持つシャトーから生まれる、ポムロールらしい力強さとフィネスを感じられる味わいを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
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