ヴーヴ・ドゥソー
VEUVE DOUSSOT
ヴーヴ・ドゥソーは、シャンパーニュ地方でも南部より、ノエ・レ・マレという場所にあります。
ヴ―ヴ~という名前は時々ありますが、本来の意味は「未亡人」です。
このメゾンの創始者は、マダム・ドゥソーという人に敬意を払い、この名をシャンパーニュメゾンの名前とすることに決めました。
ヴーヴ・ドゥソーの説明では次のように語られています。
エルネスティーヌ・ドゥソー、とても頑固な女性だった彼女は、ジョルジュ・ジョリーにシャンパーニュメゾンを起こすインスピレーションを与えた偉大な女性でした。
しかしエルネスティーヌの息子であるギィの代で、ドゥソーの家系は絶えてしまいました。
そこで、ジョリー家のジョルジュとジョゼットは、親交の深かったこのマダム・ドゥソーの肖像画を譲りうけ、彼らのシャンパーニュに「ヴーヴ・ドゥソー」の名を冠したのです。そして、今はメゾンはステファン・ジョリーと妹のシルヴィが中心となって切り盛りしています。
国際的に人気があるヴーヴ・ドゥソーは、毎年様々なコンクールに出品し、多くの賞を受賞しています。
ヴーヴ・ドゥソーのシャンパンは、40%が国内で飲まれ、60%が海外へ輸出されています。
国外でも人気が高い理由は、味わいに加え明快なポリシーがあるからです。
・畑の環境を第一に考え、循環的な農法を取り入れる自然派栽培。(リュット・レゾネ)
・伝統的なプレス機を使い、無理な抽出を避けることで上品さを表現。
・他に比べ辛口志向のメゾンで、特に海外では人気が高い。ドサージュ量も公開し、明瞭で分かりやすい説明を心がける。
・使用品種は高貴品種と言われるピノノワールとシャルドネのみ。
※この点は海外マーケットでは特に注目されている点です。
・全てのワインは、香りの複雑さや柔らかい口当たり、バランスのとれた品質を目指すため、全てのキュヴェでマロラクティック(乳酸)発酵を行っています。
先祖代々伝わるぶどう畑を大切にするヴーヴ・ドゥソーは、極力自然な方法で、農薬や化学肥料などを使用しない栽培を行います。(リュット・レゾネ)畑のそばに森があり、周囲を含めて生態系を大切にしているのも特徴です。
甘く美味しいブドウを食べに鹿が畑にやってくる光景もよく見られます。
シャンパーニュ地方の南部「コート・デ・バール」にあるヴーヴ・ドゥソーの醸造所と畑など視察してきました。
今回は、当主のステファンさんがご案内してくださいました。
まずは早速、畑の方へ案内していただきました。
ここは、谷部にあるため天気は良かったのですがとても強風が吹いていました。
ヴーヴ・ドゥソーは、コート・デ・バールのちょうど真ん中あたりに位置しますが、そもそもコート・デ・バールがシャンパーニュ地方の南部なのですぐそこにはシャブリやブルゴーニュがあります。
畑は、15ha強を所有し、土壌はキンメリジャンの石灰が多い、土としてはあまり肥沃ではない土地です。畑の中に石を積み上げてできた小さな建物のようなものがありました。こちらはぶどう畑で働く人たちの休憩所のようなものだそうです。また、区画は丘陵の側面にある谷部分に位置しているためとても作業のやりにくい土地だそうです。
ブドウは、ピノ・ノワールは半分以上をしめ、シャルドネが30%ほど、ピノ・ムニエはほんの少しだけ栽培しているそうです。歴史的には昔からずっとピノ・ノワールがある土地だそうです。樹齢は約50~60年ほどのものが多く、栽培は極力農薬を使用しない減農薬農法(リュット・レゾネ)が行われています。
醸造所のほうへ戻り、まずは4000kg入るという圧搾機を見せていただきました。ここでブドウが圧搾され、温度管理装置の付いたステンレスタンクのほうへ移動します。醸造所は、約3600ヘクトリットルを収められるだけのスペースをその備えています。
シャンパンを造る時には重要な二つの要素があり、それは質と在庫量だそうです。ヴーヴ・ドゥソーでは、毎年約50%を保存しています。それもそれぞれポテンシャルに合わせたリザーヴワインを保管しています。
最後にヴーヴ・ドゥソーのシャンパーニュを試飲させていただき、美味しいおつまみやケーキなど頂きました。
シャンパーニュといえども、家族経営の生産者でとても丁寧なブドウ栽培やワイン作りを行っている生産者でした。
この日は休日ということもあり、別の部屋で近所の方たちとパーティーをしているところにお邪魔させていただいたにも関わらずとても丁寧にご案内していただきました!
今回訪れた、ヴーヴ・ドゥソーの醸造所などを動画にまとめましたのでご覧ください。一部聞き取りにくい個所がありますので、翻訳テキストをお読みいただければと思います。
聞き手:ワインショップソムリエ ネットショップ店長 田中 仕入れ担当セバスチャン