モリーゼのワインの特徴と通販での選び方
ワイン大国として知られるイタリアの州の中で、二番目に小さな州が「モリーゼ」です。
小さいことから一般的にはあまり知られていない地域ですが、自然が広がる土地で良質なワインが造られています。
こちらでは、そんなモリーゼのワインの特徴をご紹介いたします。
面積はおよそ4,438km2で人口約33万人となっており、イタリアの中でも小さい州です。
もともとはアブルッツオと共にまとまって一つの州だったものが分割され、モリーゼ州として独立したのが1963年ですので、まだ歴史的に新しい地域となっています。
そのため他の州に比べると知名度が低く、あまり広く知られていないのです。
モリーゼは土地の大半が山岳地帯、丘陵地帯になっているため、平野部はほとんどありません。
夏は暑く、冬は厳しい寒さになる寒暖差の激しい気候が特徴で、日当たりの良い丘陵地帯はブドウの栽培に適した環境です。
山脈がほとんどを占めている土地柄、穀物やオリーブといった農産物が有名な州なのですが、生産量は少ないながらブドウの栽培も行われています。
そして近年ではワインも州の重要な産業の一つとなり、徐々にワイン産地として注目が集まるようになってきました。
イタリア全体で見るとまだまだ生産量が少ない地域ですが、わずかながら生産量、輸出量共に年々増加してきています。
モリーゼで認定されているDOC(イタリアの原産地統制呼称)は、「モリーゼ」「ビフェルノ」「ペントロ・ディ・イセルニア」「ティンテリア・デル・モリーゼ」の4つです。
その中の一つ「ティンテリア・デル・モリーゼ」は、モリーゼの固有品種である「ティンティリア」を使用したワインであり、2011年にDOCに認定されました。
全体の生産量の約7割を占める赤ワインとロゼは「モンテプルチアーノ」というブドウ品種が主体で、赤ワインはなめらかな口当たりでほどよいタンニンが特徴です。
そして、残りの約3割の白ワインは「トレッビアーノ・トスカーノ」というブドウ品種が主体となって造られており、果実味が豊かなフレッシュな味わいとなっています。
そんなモリーゼですが、まだ知名度が低い州であることから、リーズナブルな価格で購入できる点も特徴の一つです。
お手頃な価格でありながら良質なワインが造られており、コストパフォーマンスの良さに定評があります。
モリーゼは高品質なワイン産地として、今後さらに注目が集まっていく事が期待されている地域だと言えるでしょう。
ここからはそれぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
モンテプルチアーノ
「モンテプルチアーノ」はイタリア・トスカーナ地方原産のブドウ品種で、モリーゼでは主に赤ワインやロゼに使用されています。モンテプルチアーノを主体とし、その他に「アリアニコ」「トレッビアーノ・トスカーノ」などをブレンドして造られることが多いです。
ブドウ自体の特徴としては、分厚く硬い果皮を持ち、深いルビー色のワインに仕上がります。
味わいはベリー系の凝縮された果実味を感じられ、まろやかで口当たりの良いタンニンとほどよい酸味が特徴的です。
モリーゼの赤ワインではメインで使用されることが多いので、全体的にモンテプルチアーノの特徴が大きく反映されています。
もう一つの特徴としてモンテプルチアーノは熟すのが遅く、日当たりの良い環境を好む品種です。
そのため、日差しが当たるモリーゼの丘陵地帯は、まさに栽培に適した土地と言えます。
また、生産量が多いことからリーズナブルなものから高価格なものまで幅広くあり、コストパフォーマンスが高いことで知られています。
アリアニコ
「アリアニコ」はギリシャが原産の黒ブドウ品種で、イタリア南部で主に栽培されています。イタリアに渡ってきたのは6世紀から7世紀頃とされており、非常に長い歴史を持つ品種です。
アリアニコを使用して造られるワインは、強めのタンニンとしっかりとした酸味が特徴で、力強く男性的な印象を持ちます。
また、長期熟成向きで若いうちは非常にタンニンと酸味が強く感じられますが、熟成が進むにつれて果実味が増し、バランスの取れた味わいになります。
モリーゼの赤ワインはモンテプルチアーノを主体にしつつ、このアリアニコをブレンドして造られることが多いです。
強めのタンニンと酸味を持つ男性的な印象の品種なので、ブレンドすることによって味わいにボリューム感を与えています。
トレッビアーノ・トスカーノ
「トレッビアーノ・トスカーノ」はトレッビアーノ種の一つで、イタリアの他にもフランスやオーストラリアなどで栽培されている白ブドウ品種です。フランスでは「ユニ・ブラン」という名でも呼ばれています。
トレッビアーノ・トスカーノは酸味が豊かで、フレッシュな味わいが特徴です。
柑橘系の香りを感じられ、フルーティーで軽快な口当たりのワインに仕上がります。
モリーゼではモンテプルチアーノを主体とした赤ワインのブレンド品種として使用される他に、トレッビアーノ・トスカーノ100%の白ワインも造られています。
モリーゼのワインの特徴でもある「フレッシュさ」は、トレッビアーノ・トスカーノによってもたらされているとも言えるでしょう。
ティンティリア
現在イタリアで最も注目され、力が注がれているブドウ品種が「ティンティリア」です。イタリアの固有品種で、ティンティリアを使用して造られるワイン「ティンテリア・デル・モリーゼ」は、2011年にDOCに認定されています。
18世紀頃にスペインから持ち込まれたとされており、モリーゼでも古くから栽培されていたようです。
寒暖差の激しい気候を好むティンティリアはモリーゼの気候に適しており、ワイン造りにおいて重宝されている品種です。
「収穫量が少ない」という欠点から見放されてしまった時期もありましたが、現在は良質なワインを造るブドウ品種として評価され、再び注目を集めています。
ティンティリアを使用して造られるワインは、豊かな果実味とアロマとしっかりとしたタンニンが特徴的です。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。
モリーゼのワインの選び方
モリーゼはイタリアの中でも小さめの州でまだ知名度が低く、比較的リーズナブルな価格でワインを購入できる点が特徴の一つです。そのため、イタリアのワインを気軽に試してみたいというお客様におすすめの産地となっています。
さらにリーズナブルでありながら良質であることが魅力ですので、デイリーワインをお探しの方にもおすすめです。
選び方ですが、モリーゼにはDOCが4つありますので、これらのDOCから探してみるのも良いでしょう。
様々な生産者が存在する中で、実力重視で高品質のワインをお探しの方にお試しいただきたい生産者が「カミッロ・デ・レッリス」です。
こちらはイタリアのワイン雑誌に数多く掲載されるなどの実績を持つイタリアワインのプロフェッショナル、I.E.I(インスティテュート・エノロジコ・イタリアーノ)によって造られています。
カミッロ・デ・レッリスの赤ワインは上質なモンテプルチアーノ種を主体としながら、トレッビアーノ・トスカーノ、アリアニコが適宜ブレンドに使用されています。
オーク樽で18か月熟成された後にタンクで12か月の熟成が行われるワインは、凝縮された果実のアロマとなめらかな口当たりが特徴的です。
高品質かつコストパフォーマンスにも優れていますので、初めてモリーゼのワインを購入されるお客様におすすめ出来ます。
モリーゼのワインの楽しみ方
モリーゼの赤ワインはモンテプルチアーノがメインとなり、その他にアリアニコやトレッビアーノ・トスカーノといった品種がブレンドされています。上で紹介した「カミッロ・デ・レッリス」の赤ワインなど、ブレンドによって丁度よいタンニンとなめらかな口当たりを両立しているワインが多いですので、単体でもお飲みいただけるでしょう。
一方で、料理と合わせることでもワインの味わいを深くお楽しみいただけます。
全体的にお肉を使った料理との相性が良く、牛肉のステーキやラム肉のソテーなどがおすすめです。
飲みやすいテクスチャーで主張しすぎていないスタイルの赤ワインですので、お料理の味わいを引き立たせてくれるでしょう。
良質でありながらリーズナブルという事で、中には2000円未満のものもありますので、デイリーワインにも最適。
普段の食事に合わせて気兼ねなく飲めるのは、うれしいポイントですね。
また、イタリアの他の州で造られるワインとの飲み比べも楽しめるでしょう。
ただし、モリーゼが独立するまで一つにまとまっていた「アブルッツォ州」とは系統が似ています。
アブルッツォ州で造られる赤ワインは、モリーゼと同じくモンテプルチアーノが主要品種として使用されているからです。
まろやかな味わいやリーズナブルな価格といった共通点がありますので、モリーゼのワインが気に入った方はアブルッツォのワインもおすすめです。
良質なワインを生みだす実力派の産地として、注目が次第に高まりつつあるモリーゼ。 ワインショップソムリエでは厳選したモリーゼのワインを取り揃えておりますので、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
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- ボディ(コク)
2,530円 (税込)
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