フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアのワインの特徴と通販での選び方
イタリア随一の白ワインの産地として知られる「フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア」。
この土地で生まれる多様で良質な白ワインは、世界中で広く愛されています。
こちらでは、そんなフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア産のワインの特徴をご紹介いたします。
オーストラリアとスロベニアとの国境に接し、北はアルプス山脈、南はアドリア海に面した自然豊かな土地です。
山岳地帯が42%、平野地帯が38%、残りの20%が丘陵地帯で構成されているため、同じ州でもテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境)が異なります。
アドリア海の影響を受けた海洋性気候で比較的温暖ですが、山岳地帯は寒さが厳しいことからブドウの栽培にはあまり適していません。
一方で、中南部はアルプス山脈から冷たい風とアドリア海の温かい風が吹くため、ブドウの栽培に適した環境です。
土壌は石灰質、粘土質、砂質など多様で、この土壌の複雑さがワインに異なった個性を与えています。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアはいくつかの国境に接していることもあり、これまで様々な国の支配下となってきました。
オーストリア領、ヴェネツィア共和国領、イタリア領など、幾度となく支配国が変わった歴史を持つことから、様々な国の文化が混じった地域です。
ワイン造りの歴史は非常に古く、古代ローマ時代にはすでにワインの生産が盛んに行われていました。
1869年にはフランス人のテオドア・ド・ラ・トゥール伯爵によって、シャルドネやメルローなどの国際品種が持ち込まれ、多くの生産者が国際品種に切り替えたとされています。 そして、1970年代にはフリウリで量より質を重視した白ワイン造りが始まり、その品質の高さから次第に”白ワインの聖地”として名を馳せるようになりました。
フリウリはイタリア随一の白ワイン産地ということもあって、生産量の77%が白ワインです。
土着品種だけでなく国際品種の栽培も盛んに行われ、独特の個性を持ったワインが造られています。
そして、フリウリの原産地統制呼称の振り分けは、DOCGが4つ、DOCが12、IGTが3つです。
その中で代表的なDOP(イタリアにおける原産地呼称保護制度)は、「DOCGコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ」「DOCフリウリ・グラーヴェ」が挙げられます。
まず、DOCGコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリは、スロベニアとの国境に接した位置にある優れた赤・白ワインの産地です。
粘土と石灰を含んだ泥灰土と砂岩の層が交互になった土壌、気候は日中の気温差が激しい大陸性の気候で、ブドウの栽培に適したテロワールとなっています。
この土地で造られる白ワインはシャルドネやピノ・グリージョなどを使用し、エレガントで力強い味わいが特徴です。
そして、DOCフリウリ・グラーヴェは、州の中南部に広がる広大な産地です。
こちらでは早飲みに向いている赤ワインや、軽快で親しみやすい白ワインなど、多様なスタイルのワインが生まれています。
さて、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアは白ワイン産地として名を馳せてきましたが、近年では「オレンジワイン」にも注目が集まっています。
オレンジワインとは、白ワインを使用して「赤ワインの製法」で造られたワインのこと。
果皮と種を漬け込んだ状態で発酵を行うことによって成分が抽出され、オレンジの色調に変わり、タンニンとミネラルを持つ独特の白ワインが生まれるのです。
オレンジワインはもともとジョージアが発祥の地とされていますが、フリウリの一部の生産者が感銘を受けて作り始めたことがきっかけとなっています。
その中でも主に使用されているのが、「フリウラーノ」「ピノ・グリージョ」「シャルドネ」です。
それでは、それぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
フリウラーノ
「フリウラーノ」は白ブドウ品種の一つで、主要産地はフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア、ヴェネト州です。1800年頃にハンガリーからイタリアに輸入されたのがこの品種の起源とされています。
かつては「トカイ・フリウラーノ」の名で広く知られていましたが、ハンガリーのトカイ種との区別をつけるために現在の名称になりました。
フリウラーノを使用したワインは、黄みがかった黄金色に仕上がります。
干し草や野生の花を連想させるアロマに、上品でまろやかな口当たりが特徴です。
単一品種で造られることもありますが、リボッラなどの品種とブレンドしたワインも多く造られています。
ピノ・グリージョ
「ピノ・グリージョ」は白ワイン用のブドウ品種で、ピノ・ノワールの突然変異種です。フランスでは「ピノ・グリ」、ドイツでは「グラウ・ブルグンダー」など、産地によって様々な名称で呼ばれています。
栽培面積は世界19位ですが、人気が高いことから急激に栽培面積が広がっています。
フランス語で”灰色”を意味する「グリ」が由来とされ、その名の通り果皮は灰色がかったピンク色です。
洋梨やパイナップルなどフルーティーなアロマが特徴で、ほのかな果実味と落ち着いた酸味を感じられます。
ピノ・ノワールの突然変異種であることから、ボディの厚いコクのある味わいが特徴です。
イタリアではあえてピノ・グリージョを早摘みし、軽快な辛口の白ワインに仕上げているところもあります。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアでも、早摘みのピノ・グリージョを100%使用した軽めでフルーティーな味わいの辛口白ワインが造られています。
シャルドネ
「シャルドネ」は世界で最も人気が高い白ブドウ品種です。栽培面積は白ブドウの部類の中では2位を誇り、ほとんどのワイン生産国で栽培されています。
原産地はフランスのブルゴーニュ地方。マコネ地区に位置するシャルドネ村が原産とされていますが、現在まで証明はされていません。
小さめの粒と薄い果皮が特徴で、熟すのが早いブドウです。
もともとブドウ自体に目立った風味や個性がなく、栽培される産地のテロワールや、醸造方法によって味わいに違いが生まれます。
例えば、冷涼な産地ではすっきりとした味わいから、温暖な産地ではコクのある味わいまで、多様なスタイルのワインが造られています。
イタリアには19世紀に持ち込まれ、以降広く栽培されている主要品種です。
単一品種で造られることもあれば、ブレンドにも使用されるなど、幅広く活用されています。
その他の品種
上記の品種の他にもフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアでは、「リボッラ・ジャッラ」「メルロー」「ヴェトヴェスカ」など様々なブドウが栽培されています。そこで、ここからはフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアのワインを通販で購入する際の選び方と、楽しみ方をご紹介いたします。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にしてお選びください。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアのワインの選び方
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアは生産量の77%を白ワインが占める、イタリア随一の白ワイン産地です。エレガントなタイプから軽快で親しみやすいタイプまで、多様なスタイルのワインが造られています。
全体的に質が良く、世界的な評価も高い産地ですので、初めてイタリアワインを購入するお客様にもおすすめです。
それではフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアの中でも特に有名な生産者をご紹介いたしますので、是非ご参考になさってください。
リバティーワインズ
1997年にデイヴィッド・グリーヴ氏によって設立された「リバティーワインズ」。デイヴィッド・グリーヴ氏は最難関のワイン国家資格最上位「マスターオブワイン」の保有者で、もともと輸入や販売を行っていましたが、イタリアワインをさらに世に広げるべく、自身もワイン造りを開始しました。
リバティーワインズの特徴は、地方の生産者と協力してワイン造りを行っていること。
大手メーカーではなく地域の生産者と協力しながら造り上げているので、余計な設備投資も必要なく、高品質でありながらリーズナブルな価格で提供できるのです。
生産者は代々受け継がれてきた畑を大切にし、極力化学肥料や農薬を使用しない栽培を行っています。
さらに、醸造に関しては酸化防止剤を使用しないなど、自然にこだわった栽培・醸造が特徴です。
続いて「リバティーワインズ」の代表的な2種類のワインについて、特徴を見ていきましょう。
■ポンテ・デル・ディアボロ ピノ・グリージョ
ピノ・グリージョ100%で造られる辛口タイプです。
リンゴやパイナップルなどの果実の香りを持ち、まろやかな味わいが特徴。
バランスの良い味わいに、後味に優しい酸味を感じられます。
特別際立つものがないことから、様々な料理に合わせられる万能なスタイルと言えるでしょう。
■ポンテ・デル・ディアボロ ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブラン100%で造られる辛口タイプです。
キウイフルーツやグレープフルーツを思わせる爽やかなアロマが広がり、余韻には柑橘系の香りが残ります。
そして、フレッシュな果実味に、酸味とタンニンのバランスがとれた味わいが特徴です。
ヴェンドラーメ
「ヴェンドラーメ」はフリウリの中心部に位置する、ヴェンドラーメ家が所有するヴィッラ・マニンにあります。ヴィッラ・マニンはヴェネツィア共和国の最後の総督が受け継いできた土地で、夏に過ごす別荘として使用されていました。
この土地でヴェンドラーメ家がブドウの栽培を行っていましたが、後に正式に所有することになり、現在で4代目となっています。
ヴェンドラーメの造りだすブドウ品種の持つ個性を最大限に表現したワインは世界的に評価が高いです。
続いて「ヴェンドラーメ」の代表的なシリーズの特徴を見ていきましょう。
■フリウラーノ ヴェンドラーメ
フリウラーノ100%で造られ、淡いレモンイエローの色調が特徴。
パイナップルやアプリコットのアロマに、フルーティーな味わいに仕上がっています。
ほどよい酸味を感じられ、すっきりとした辛口タイプです。
■ピノ・グリージョ ヴェンドラーメ
ピノ・グリージョ100%で、フリウラーノと同じく淡いレモンイエローの色調です。
レモングラスなどのハーブ、レモンやライムなどの柑橘系のアロマが広がります。
果実味とミネラル感を感じられ、清涼感のあるすっきりとした味わいが特徴です。
■ソーヴィニヨン ヴェンドラーメ
ソーヴィニヨン・ブラン100%の辛口タイプで、緑がかった綺麗なイエローの色調。
熟したパイナップルや白桃の香りに、ピーマンを連想させる香りも感じられます。
生き生きとした酸味とミネラルを持ち、エレガントなボリュームのある味わいです。
■シャルドネ ヴェンドラーメ
シャルドネ100%で造られ、明るめの茶色がかったイエローの色調。
豊かなトロピカルフルーツのアロマに、ほのかにパン酵母のアロマを感じられます。
全体のバランスが良く、なめらかな口当たりのエレガントな味わいが特徴です。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアのワインの楽しみ方
同じ白ワインでも多様なスタイルのワインが造られているフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア。ブドウ品種が同じでも生産者によって特徴に違いが出るため、フリウリのワイナリー同士で飲み比べてみるのもおすすめです。
もしくは同じくイタリア白ワインの産地として有名な「ヴェネト州」のワインと比較すると、違いを楽しめるでしょう。
フリウリでは様々なタイプのワインが造られていますが、全体的な印象としてすっきりとした味わいが挙げられます。
フレッシュな果実味や上品さも感じられるため単体でもお飲みいただけますが、料理と一緒に楽しむことでより味わいを感じられます。
特に魚介系や野菜とのマリアージュ(相性)が良好なので、鯛のカルパッチョや新鮮な野菜を使ったサラダなどに合わせてお楽しみください。
そして、より美味しく楽しむためには、飲み頃の温度にも注目しましょう。
基本としてワインは温度を上げると香りが豊かになり、まろやかな味わいに、逆に温度を下げるとすっきりとした印象になります。
白ワインの場合は、甘口は5℃~10℃、辛口は10℃前後が適温です。
冷やしすぎてしまうと風味や本来の味わいを感じにくくなってしまうので、あまり冷やしすぎずにお飲みいただくことをおすすめします。
また、フリウリのワインは、高品質ながら全体的にリーズナブルな価格であることも魅力の一つです。
デイリーワインとして日頃の食事に合わせてお楽しみいただくのも良いですし、ホームパーティーなどで集まった時に皆で気軽に飲むワインとしてもお使いいただけます。
以上、イタリアを代表する白ワインを産地「フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア」のご紹介でした。
ワインショップソムリエではフリウリの中でもソムリエ厳選の一押しワインを取り揃えておりますので、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)
キーワードで絞り込む
- ボディ(コク)
3,410円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆
- ボディ(コク)
3,410円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆
- ボディ(コク)
3,410円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆
- ボディ(コク)
7,040円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆
- ボディ(コク)
2,640円 (税込)
総合評価
- ★
- ★
- ★
- ★
- ☆