CHATEAU TROTTE VIEILLE
シャトー・トロット・ヴィエイユ
ボルドーの中で最も歴史を持つサン・テミリオン騎士団。ワインショップソムリエにはその騎士団が多数在籍。いつでも、極上のサンテミリオンに目を光らせています。
(写真は2007年サン・テミリオン騎士団授与式です)
15世紀にはすでにその名が知られていたほど、歴史の長いシャトー。
畑には今でも、フィロキセラ以前の樹齢140年以上の古木も存在しています。
フリィップ・カステジャがシャトーのかじ取りをするようになってから、品質の向上が著しく、ロバート・パーカー氏も高評価を与えています。
『このシャトーのワインの目覚ましい品質向上は、おおむねフリィップ・カステジャの手腕によるものだ。厳しい選別、新樽の増加、そして遅い収穫の決定とマセレーションを長くしたことが、相当の深遠なワインに結実し、いまやこのアペラシオンの最上のワインに挑むレベルにまできている。』
(ボルドー第4版より)
このように高評価を得ている格付けシャトー。
さらには、ドゥニ・デュブルデュー氏をコンサルタントに迎え、ますますの品質向上が図られています。
今後の格付け見直しが期待されており、今のうちに押さえておきたいシャトーです。
このシャトー・トロット・ヴィエイユがプルミエ・グラン・クリュ・クラッセなのに掘り出し物な訳はこのシャトーを所有するのが、ボルドーでボルドーのネゴシアンとしても知られているカステジャ家であるからです。
カステジャ家と言えばメドックの格付けシャトーであるシャトー・バタイエとシャトー・ランシュ・ムーサも所有しています。格付けシャトーでありながら、その価格が良心的なのは一般的なボルドーワインと違い大手のネゴシアンを経由せず市場に流通されているからなのです。
ボルドーの右岸を代表するワインの名産地の一つサンテミリオン。 スペインにある巡礼地サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼路の宿場町として、中世より栄えていた街並みを今でも残しています。 町の名前はこの地に隠遁した聖エミリオに因みます。 彼の従者たちがこの地のワイン造りはのちの発展に大きく貢献しました。 13世紀にはワインの品質に対し、厳しい基準を設けていたことが知られています。 その結果、品質の高いワインを口にした巡礼者たちが、世界全土へとサンテミリオンのワインの品質の良さを広めていくことになったのです。
1999年にサンテミリオン地域は世界遺産に登録されました。
現在ではボルドーを代表する高級ワイン産地になっています。
主に石灰質と粘土の土壌から生まれる、そのメルロとカベルネフラン主体のワインは穏やかなタンニンの舌触りで、芳醇さと「絹のような」まろやかさを持ったワインとよく表現されます。
ボルドー右岸サン・テミリオンのシャトー・トロット・ヴィエイユを訪問しました。
他にもシャトー・デュ・ドメーヌ・ド・レグリーズ、シャトー・ラ・クロワ・デュ・カスとともにボルドーのネゴシアン「カステジャ家」が所有するシャトーの一つで醸造責任者クリストフさんにシャトー内を案内していただきました。
プルミエ・グラン・クリュ・クラッセの格付けのこのシャトーは、上記シャトーのポムロールから近くにはなりますが、こちらは粘土質と石灰質の入り混じったサン・テミリオンの土壌で育てられるブドウで造られます。
メルロー55%、カベルネ・フラン40%、カベルネ・ソーヴィニョン5%の比率で栽培されるぶどう畑は、10haほどの面積。中にはフィロキセラの被害に合っていない樹齢140年のブドウ樹もあるそうです。
そのブドウは醸造するときも別のタンクで分けて醸造されます。
熟成は、18か月ほど行い贅沢な100%新樽ということでした。
庫内はきれいなフランス産オーク樽が整然と積まれていました。
1年ほど使用された後は、中古として他のシャトーに売りまた新しい樽を買って次のヴィンテージの熟成をするそうです。
さすがグランヴァンという印象のきれいなこじんまりとしたシャトーでした。
今回訪れた、「シャトー・トロット・ヴィエイユ」の熟成庫やシャトー内を動画にまとめましたのでご覧ください。一部聞き取りにくい個所がありますので、翻訳テキストをお読みいただければと思います。
●聞き手: ネットショップ店長田中、通訳・仕入れ担当セバスチャン