オスピス・ド・ボーヌ
HOSPICES DE BEAUNE
ブルゴーニュで1851年から始まった、世界最古のワインのチャリティーオークション、それがオスピス・ド・ボーヌ ワイン・オークションです。
毎年11月の第三日曜日に開催され、すでに150回を超える実績を持ち、名実ともにワイン業界で最も有名でかつ影響力があるオークションと言われています。オークションと言っても、フォーマルな社交会的要素も強く、昔ながらの格式あるオークションのスタイルで行われます。
運営するのは、1766年創業の、世界で最も長い歴史を誇る美術品オークションハウス「クリスティーズ」。
そして、このオークションで得た収益で、今も貧しい人々へ無料で医療を提供し続けています。設立当初から続くその伝統は今もなお失われていません。
また、このような文化的、歴史的な側面だけでなく、純粋に品質の高さから注目されているのも特徴です。
ブルゴーニュの粋を集めた高品質ワインの競売は、ワイン業界だけでなく世界中のブルゴーニュ好きが注目する一大イベントとなっておりその年のワインの出来や相場を見る、という意味も持ちます。
ブルゴーニュ公国時代から受け継ぐユニークな伝統だけでなく、素晴らしい味わいのブルゴーニュワインも生み出す、そんなオスピス・ド・ボーヌは、ブルゴーニュ好きの中でも一種特別なワインです。
オスピス・ド・ボーヌ (Hospices de Beaune) は、1443年にブルゴーニュ公国財務長官 ニコラ・ロラン (Nicolas Rolin) 夫妻がボーヌ (Beaune)に創設した施療院 「オテル・デュー (Hotel-Dieu、"神の館")」に始まります。
この施療院は戦争の災禍と疫病に苦しむ病人や貧しい人々を救済するためのものではありましたが、単なる療養施設ではなく“貧しき者の宮殿”となるべく、長い歳月をかけて建設されました。
さらに当時は治療費を払えない人々が多かったため、ニコラ・ロラン夫妻は自らの所有する葡萄畑を寄付。その葡萄畑から造られるワインの収益によって、オテル・デューは病院として、また貧しい人の宿泊施設として運営され利用されてきました。
ブルゴーニュを旅行するとき、ハイライトとなる建物オテル・デュー (Hotel-Dieu、"神の館")、独特の屋根の模様が印象的な建物があります。
オスピス・ド・ボーヌのワインはこの建物抜きに語ることはできません。この建物は500年以上前、オスピス(施療院)として建てられました。ここでは病気に苦しむ人々、戦争ですべてを失くした人々が無料で施療してもらえたのです。
このオスピスの運営費は、オスピスが造る高品質なワインの売り上げで賄われていました。
この奉仕の心に賛同し、オスピスには次々と素晴らしいワイン畑が寄進されるようになります。
今では、これらのワインがオークションにかけられ、世界中のブルゴーニュワイン好きが落札しようと押しかけます。といっても、ボトル販売ではありません。「樽」売りです。
許可を得て、ワイン仕入れ目的の人はこのオークションに参加することができます。
見事落札した人は、数年後その樽から瓶詰めされたワインを受けとることができます。
そのエチケットには落札者の名前が記されます!!
因みに、このオスピス、美しい建物とともに、造られた当時の、その本来の目的も変わることなく保たれている点が驚きです。
ワインの収益からこの病院が運営され、シスター達は、数百年前と変わることなく病人と貧しい人の世話に身を捧げ続けています。
1971年には、モダンな新病院が作られ、現在は博物館として一般公開されています。
中では、当時の治療器具からキッチン、希少な美術品まで見ることができます。
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