ボルドーと並びフランスを代表するワイン産地として名高いブルゴーニュ。
「ロマネ・コンティ」や「ジョルジュ・ルーミエ」などの著名ドメーヌ（生産者）を擁し、最高品質のワインを数多く産出している銘醸地です。
ブルゴーニュ地方では畑ごとに格付けがされ、最上位の特級畑「グラン・クリュ」、一級畑の「プルミエ・クリュ」、村名、地域名の4つに分けられています。
特級畑や一級畑を持つ地域の中でも現在注目を集めているのが「ブルゴーニュ南部」の地域です。
その中の一つ「マコネ地区」は、良質なワインがリーズナブルな価格で入手できるため、ブルゴーニュの穴場として注目されています。

そして、今回ご紹介する「ヴィニュロン・デ・テル・スクレット」は、ブルゴーニュ南部マコネ地区の「ソリュトレ、プイィ、ヴェルジッソン」といった地域に拠点を構える栽培家が集結した協同組合です。
名称の一部のTerresSecretes（テル・スクレット）には、”秘密の土地”という意味があります。
その名の通りまだあまり知られていないブルゴーニュの地域の発展を願って、各エリアのブドウ栽培家が集まり誕生しました。
ヴィニュロン・デ・テル・スクレットは1928年に設立され、現在では120の家族が参加しています。
協同組合として所有するブドウ畑の総面積は約960haにも及び、マコネ地区の中でもトップクラスの規模を誇る生産者です。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットに参加している多くの栽培家は、この地に愛着と誇りを持ち、ブドウ畑を代々守ってきました。
そして、後世により良い形でブドウ畑を引き継ぐために、設立当初から農薬や化学物質の使用を極力避けています。
爆発的ではなく持続的な発展をすることを哲学とし、少しづつ知名度を上げて周囲の地域を盛り上げたいという考えのもと、地道に活動を行っているのです。

現在ヴィニュロン・デ・テル・スクレットの代表を務めているのは、DavidDelaye氏。
彼は以前有名な協同組合「シャブリジェンヌ」で栽培・醸造を担当し、後にマネージャーに抜擢された人物です。
そして、各生産者の畑を管理する栽培担当は、EmelineMeyer-Favre氏が務めています。
彼女もシャブリ・ジェンヌやボルドーの格付けシャトーなど、様々な地域で栽培担当として働いてきたベテランです。
このように優れた人材が集まったことでヴィニュロン・デ・テル・スクレットの品質は確実に向上しており、数々のコンクールで40以上にも及ぶメダルを受賞しています。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットの特徴としては、ユニークなテロワール（ブドウ畑を取り巻く自然環境）を活かしたワイン造りが挙げられるでしょう。
ブルゴーニュ南部の土地は石灰質土壌がベースとなり、その他にも粘土が混じった粘土石灰質土壌になっています。
さらに細かく見ていくと、ケイ素を含んだ粘土質、花崗岩とケイ素が混じった火山性土壌など、地域ごとに異なる土壌を持ちます。
このように多様な土壌で育ったブドウは異なる個性を持っているため、単一品種で造られたワインでも深みや複雑な味わいを表現することができるのです。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットに使用されているブドウ品種は、主に「シャルドネ」と「ピノ・ノワール」の2種類です。
こちらでは、それぞれのブドウ品種の特徴をご紹介いたします。

シャルドネ

シャルドネは栽培面積世界5位を誇る、人気の高い白ブドウ品種です。
原産地はフランス・ブルゴーニュ地方。ヴィニュロン・デ・テル・スクレットの本拠地マコネ地区に位置するシャルドネ村が原産とされていますが、現在まで証明はされていません。

小さめの粒に果皮は薄めで、青みがかった黄色や金色の色調のワインに仕上がります。
冷涼な土地ではりんごやミントのようなすっきりした香り、温暖な土地ではマンゴーや洋梨などの果実の香りなど、産地によって異なるアロマが特徴です。
シャルドネは元々目立った個性が少なく、あまり特徴がない品種ですが、産地のテロワールや醸造方法によって味わいに違いが出やすく、様々な表情を見ることができます。
独自の風味や個性は少ないものの、果実味や酸味などの基本的な能力は高いです。

原産地のブルゴーニュ地方では、地域によって異なる味わいのワインが造られています。
コート・ドール地区は果実味が豊かで、引き締まった酸味を持つメリハリのある味わいに。
一方シャブリ地区では鋭い酸味を持ち、ミネラルを含んだ透明感のある味わいが特徴です。

ブルゴーニュ南部に属するヴィニュロン・デ・テル・スクレットでは、良質なシャルドネを100％使用し、果実味と酸味のバランスが絶妙な味わいのワインに仕上げています。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方が原産の黒ブドウ品種です。
世界中で広く栽培される人気の高い品種で、「シュペート・ブルグンダー」や「ブラウアー・ブルグンダー」など様々な名前で呼ばれています。
中間くらいの大きさの密集した粒を持ち、果皮は比較的薄め。
果皮が薄いことから病害に弱く、栽培が難しい品種とされています。

ラズベリーやストロベリーといった果実、華やかなバラ、皮製品やキノコなど、複雑で魅力的なアロマが特徴的です。
そして、少なめのタンニンと心地よい酸味があり、エレガントで繊細な味わいのワインに仕上がります。

ピノ・ノワールはシャンパーニュ地方などの例外を除いて、単一品種で造られることが基本です。
単一品種で造られることから産地によって味わいの違いが出やすく、同じ産地であっても畑ごとに異なる個性、味わいを持つワインが生まれています。
ヴィニュロン・デ・テル・スクレットが造るピノ・ノワール100％のワインは、華やかなアロマと穏やかな酸味が特徴です。

ここからはヴィニュロン・デ・テル・スクレットのワインを通販で購入する際の選び方、楽しみ方をご紹介いたします。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットの選び方

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットでは赤ワインと白ワインが造られていますので、まずはそれぞれのラインナップの特徴を見ていきましょう。

■ブルゴーニュ・シャルドネ
「ブルゴーニュ・シャルドネ」は、シャルドネ100％で造られている白ワインです。
柑橘、りんご、白桃などの豊かな果実の香りに、かすかにハーブの香りも感じられます。
穏やかな酸味と果実味のバランスが良く、柔らかい口当たりが特徴です。
爽やかで穏やかな味わいになっていますので、初めてブルゴーニュの白ワインを購入する方でも飲みやすく感じるでしょう。

■ブルゴーニュ・ピノ・ノワール
「ブルゴーニュ・ピノ・ノワール」は、ピノ・ノワール100％で造られている赤ワインです。
チェリーを連想させる果実味に、華やかなアロマがあり、ピノ・ノワールの持つ特徴がしっかりと表現されています。
穏やかな酸味とかすかにタンニンも感じられ、全体的にバランスの取れた味わいが特徴です。
高品質なピノ・ノワールを使ったブルゴーニュワインをお探しの方はもちろん、赤ワインを飲み慣れていない方にもおすすめの逸品です。

また、ヴィニュロン・デ・テル・スクレットに参加する栽培家たちは、環境への負担を減らすために農薬や化学物質の使用を極力避けています。
リュット・リゾネ（減農薬農法）を採用して造られていますので、健康志向の方にも是非お試しいただきたいワインです。

ワインショップソムリエではソムリエが厳選した商品のみを取り扱っていますので、ラインナップの中から安心してお選びいただけたらと思います。
特にヴィニュロン・デ・テル・スクレットでは、シャブリ・ジェンヌなどでキャリアを積んだ優秀な人材を集めてチームが作られています。
世界各地で開催されたコンクールで数多くの賞を受賞している実績もありますので、その品質の高さに間違いはないでしょう。
高品質なブルゴーニュワインを試してみたい方にはおすすめの生産者です。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットの楽しみ方

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットは単体でもお飲みいただけますが、料理と合わせることでもお楽しみいただけます。

まず、「ブルゴーニュ・シャルドネ」は果実やハーブの香りを感じられ、穏やかな酸味が特徴のワインです。
酸味と果実味のバランスが良く、爽やかさもあるため、魚介を使用した料理と良く合います。
クラムチャウダーやアサリの酒蒸しなども良いですし、天ぷらなどを含む和食とのマリアージュ（相性）も良好でしょう。

続いて、ブルゴーニュ・ピノ・ノワールは華やかな果実味とアロマが特徴的です。
口に含むと心地よい酸味とかすかにタンニンを感じられ、バランスの取れた味わいに仕上がっています。
こうした繊細で穏やかな酸味を持つピノ・ノワールには、ローストビーフや赤身肉のステーキなど牛肉を使用した料理がおすすめです。
また、シャルドネと同じく和食との相性も良いので、お寿司や刺身など素材の味を活かした料理に合わせてお楽しみください。

ヴィニュロン・デ・テル・スクレットには、良質でお手頃な価格のワインが揃っています。
普段の食事に取り入れていただくのも良いですし、ホームパーティーや女子会などで気軽に使いやすいのが魅力的です。
シャルドネやピノ・ノワールは土地よって味わいや香りに違いが出やすいので、同じブルゴーニュ地方でも様々な違いを楽しむことができます。
そのため、ブルゴーニュ地方のワイン同士で飲み比べてみるのも面白いでしょう。

ブルゴーニュ南部でトップクラスの規模を誇る協同組合「ヴィニュロン・デ・テル・スクレット」。
数々のコンクールで受賞している実力派ワインを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。