ポル・ロジェの特徴と通販での選び方
職人の手で丁寧に造り上げられた、繊細で極上な泡が魅力の「ポル・ロジェ」。
世界中の愛好家を魅了し続け、「英国王室御用達のシャンパーニュ」としても知られています。
こちらでは国際的に高い評価を受けているシャンパーニュメゾン「ポル・ロジェ」のワインの特徴をご紹介いたします。
モエ・エ・シャンドン発祥の地としても知られるフランス・シャンパーニュの街エペルネで1849年に設立されて以降、気品溢れるシャンパンを造り続けています。 哲学としている「気品と優美」は、まさにポル・ロジェのシャンパーニュの味わいを表していると言えるでしょう。
創業者は社名にもなっている、ポル・ロジェ氏。
公証人であった父が病に伏していたこともあり、彼は18歳からワインを販売していました。
元々はシャンパーニュの主要産地とされるモンターニュ・ド・ランスに住んでいましたが、1851年にエペルネに移住。
その後、格調高いシャンパーニュを生産するようになり、会社は大きく発展していったのです。
1899年にポル・ロジェ氏が亡くなると、メゾンは彼の息子であるモーリス、ジョルジュの2人に引き継がれます。
広報、販売、マーケティングに関してはモーリスが、ジョルジュは醸造を担当し、シャンパン・ハウスを確固たる地位にまで築き上げていきました。
その要因の一つとも言えるのは、英国王室との深い関りでしょう。
モーリスは釣りと狩猟が趣味で、イギリスを第二の故郷と感じていたようです。
そんなイギリスを愛するポル・ロジェ社の造り出すシャンパーニュは、元英国首相チャーチル氏の心を射止めました。
チャーチル氏はモーリスの息子の妻と生涯の友人関係にあり、1908年以降のポル・ロジェ社の揺るぎない顧客として知られています。
ポル・ロジェの力強くエレガントな味わいがチャーチル氏の好みに嵌り、お酒の中でも特に愛飲していたシャンパンだったとのことです。
さらに、所有していた競走馬に”ポル・ロジェ”と名付けるなど、メゾンとの関りが深いことが伺えます。
チャーチル氏の死後には、哀悼の意を込めて「キュヴェ・サー・ウィンストン・チャーチル」が造られました。
また、ポル・ロジェは2004年にボランジェ、クリュッグ、ルイロデレールと並んで「英国王室御用達シャンパーニュ」に任命されています。
さらに2011年にはウィリアム王子とキャサリン妃のロイヤルウェディングに、2018年にはハリー王子とメーガン妃のロイヤルウェディングで、ポル・ロジェのシャンパーニュが採用されました。
他にも、フランスで最も権威があるワインガイド「メイユール・ヴァン・ド・フランス」の2012年版で3つ星を獲得、大きく話題になりました。
このように、ポル・ロジェのシャンパーニュの味わいと品質は、国際的に高い評価を得ているのです。
そんなポル・ロジェのワイン造りの特徴とも言えるのが、木樽を一切使用していない点でしょう。
木樽ではなくステンレスタンクで発酵させることにより、ブドウが持つ繊細な味わいを引き出しています。
また、ルミュアージュはすべて専門の職人によって手作業で行われています。
ルミュアージュとは瓶を少しずつ傾け、酵母の残骸を瓶口に集める工程のこと。
このような工程を手作業で行うのは、現在のシャンパーニュで非常に珍しくなっています。
また、ポル・ロジェの有する地下33mに広がるセラー(地下貯蔵庫)は、数多くのシャンパンメゾンを有するエペルネでも最も深いとされています。
そのセラーでゆっくりと熟成させられることで、非常に繊細な極上の泡を持つシャンパーニュが生まれるのです。
また、ポル・ロジェは大変人気の高いメゾンであるにも関わらず、生産量を制限しています。
制限しているのはクオリティを維持するためであり、昔からの家訓を守っているのです。
現在は年間130万本ほどを生産しており、約6年分とされる600万本ほどのストックがあります。
こちらでは、ぞれぞれの品種の特徴をご紹介いたします。
シャルドネ
世界で最も有名な白ブドウと言われるのが、「シャルドネ」です。栽培面積世界第5位を誇り、多くのワイン生産国で栽培されています。
フランスのブルゴーニュ地方にあるマコネ地区のシャルドネ村が原産地とされていますが、現在までに証明はされていません。
シャルドネは小さめの果実と薄めの果皮が特徴で、早熟タイプのため寒冷の土地にも適合します。
ブドウ品種としてはあまり目立った個性はなく、味わいの特徴も少ないです。
しかし、その分だけ育った土地の環境や、造り手の技術・醸造方法によって味わいに違いがでます。
例えば、暖かい産地では木樽で熟成させることによって、コクのある味わいに。
一方、涼しい産地ではポル・ロジェのようにステンレスタンクで熟成させることによって、すっきりとした味わいになります。
このように、シャルドネはそれぞれの産地によって、多様な表情を見せてくれるブドウ品種なのです。
環境への適応力が高く、産地や造り手の個性を出しやすいことが、世界で人気が高い理由だと言えるでしょう。
ポル・ロジェの拠点でもあるシャンパーニュ地方では、ピノ・ノワールとブレンドされ、世界最高峰のシャンパーニュが数多く造られています。
実際にポル・ロジェのシャンパーニュにおいても、このシャルドネとピノ・ノワールやピノ・ムニエが絶妙なバランスでブレンドされており、すっきりとした上品な味わいに。
また、ポル・ロジェのラインナップの一つである「ブラン・ド・ブラン・ミレジメ」など、グランクリュ(特級畑)の厳選されたシャルドネを100%使用したシャンパンもあります。
ピノ・ノワール
赤ワイン用ブドウ品種の代表の一つでもある「ピノ・ノワール」。ピノ・ノワールは栽培面積世界第10位で、世界中で栽培されているブドウです。 国によって呼び名が異なり、オーストラリアでは「ブラウアー・ブルグンダー」、ドイツでは「シュペート・ブルグンダー」と呼ばれています。
ピノ・ノワールを使用して造られたワインの色味は明るめで、妖艶な香りを持つ繊細な味わいに仕上がります。
しかし、ポテンシャルの高い品種ではあるものの、果皮が薄いことから病害に弱く、栽培が難しいです。
また、繊細な味わいが特徴のブドウであるため、成熟が早い暖かい産地ではその味わいが失われやすく、栽培に成功している産地は多くありません。
ピノ・ノワールはシャルドネと同様に、シャンパーニュ地方では最高級のシャンパーニュの原料となる品種です。
ポル・ロジェではシャルドネとブレンドされ、ピノ・ノワールの特徴である複雑な香りと、繊細な味わいをもたらしています。
ポル・ロジェのラインナップの一つである「ミレジメ」では、ピノ・ノワール60%とシャルドネ40%という伝統的なメゾンのブレンド比率が採用されています。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。
ポル・ロジェの選び方
まず、ポル・ロジェには大きく「ミレジメ」、「ブラン・ド・ブラン」、「ロゼ・ミレジメ」の3つのラインナップがあります。それぞれ使用しているブドウ品種、味わいなどが異なるので、特徴を比較してお選びいただくと良いでしょう。
■ミレジメ
ポル・ロジェの「ミレジメ」に使用されるブドウ品種は、ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%の割合です。
モンターニュ・ド・ランス地区と、コート・デ・ブラン地区に属する20のグランクリュとプルミエクリュで栽培された、最高品質のブドウが使用されています。
(※シャンパーニュ地方では区画によって畑の階級が分けられており、”特級畑”はグランクリュ、”一級畑”をプルミエクリュと呼びます)
ミレジメの特徴は、深く魅力的な黄金色の外観と、繊細な泡が長く続くことです。
みずみずしいリンゴの香りと、複雑で芳醇な香りが絶妙に混ざり合っています。
また、まろやかでボリューム感があり、上品さを兼ね備えたバランスの良い味わいです。
セラーで8年間熟成させてからの出荷ということもあり、繊細かつしっかりとした成熟度を感じられるでしょう。
■ブラン・ド・ブラン・ミレジメ
ポル・ロジェの「ブラン・ド・ブラン・ミレジメ」に使用されるブドウ品種は、シャルドネ100%です。
コート・デ・ブラン地区の以下の5つのグランクリュから選別した、一番搾りのシャルドネだけを使用しています。
・オイリ(Oiry)
・シュイイ(Chouilly)
・クラマン(Cramant)
・オジェール(Oger)
・アヴィズ(Avize)
ブラン・ド・ブラン・ミレジメの特徴は、淡い黄金色の外観と、きめ細やかな泡です。
そして、花を連想させる香りや、柑橘系の優雅な香りを感じられます。
グラスに注ぐとバターや蜂蜜のニュアンスがあり、口に含めば豊富なミネラルが一瞬で広がります。
シャンパン通も唸らせるバランスの良さと、長く続く余韻が魅力的と言えるでしょう。
こちらはセラーで7年間熟成させてから出荷されます。
偉大なテロワール(産地の土壌や気候などの特徴を表す言葉)による、ミネラルや味わいがしっかりと感じられる逸品です。
■ロゼ・ミレジメ
ポル・ロジェのロゼスパークリングである「ロゼ・ミレジメ」に使用されるブドウ品種は、ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%の割合です。
こちらをベースとしつつ、赤い色味やアロマを加えるためにモンターニュ・ド・ランス地区の赤ワイン(ピノ・ノワール)が追加されます。
もちろん、こちらも20のグランクリュ、プルミエクリュから厳選された、良質なブドウだけを使用しています。
ロゼ・ミレジメの特徴は、鮮やかなピンク色の外観と、快活で持続性のある細かい泡でしょう。
初めはラズベリーやカシスの香りが感じられ、時間が経つごとに妖艶な野イチゴの香りに変化します。
赤い果実と柑橘類のフレッシュさとしっかりとした骨格があり、バランスの取れたエレガントな印象です。
こちらもセラーで7年間熟成させてから出荷されます。
次に、気になるヴィンテージについても見ていきましょう。
ポル・ロジェは熟成に耐えうるシャンパーニュですので、出来の良いヴィンテージは長く飲み頃がお楽しみいただけるでしょう。
選ぶ際のコツとしては、発酵タンクをセメントからステンレスへと変更し始めた2001年以降、または英国王室御用達に認定された2004年以降のヴィンテージがおすすめです。
ワインショップソムリエでは数ある中から厳選された飲み頃のヴィンテージだけを取り扱っていますので、ラインナップの中から安心してお選びいただけます。
また、2019年の「世界で最も称賛されるシャンパーニュブランド」において、ポル・ロジェはトップに選ばれています。
こちらはイギリスのアルコール飲料専門誌「ドリンクス・インターナショナル」によって選ばれるのですが、前回ポル・ロジェは惜しくも2位でした。
しかし着実に順位を上げていき、ブランドの品質・安定さなどが高く評価され、見事1位に輝いたのです。
いま最も勢いのあるシャンパーニュの一つですので、選んでみて失敗することはないでしょう。
ポル・ロジェの楽しみ方
ポル・ロジェは7~8年間の熟成を経てから出荷されるため、購入後すぐに開封していただいても充分に楽しむことができます。また、シャンパーニュの特徴であるすっきりとした味わいをより楽しむためにも、6~8℃まで冷やした状態でお飲みいただくのがおすすめです。
そして、ポル・ロジェは上品かつしっかりとした骨格と、妖艶で複雑な香りが特徴です。
料理に合わせるのであれば、キノコクリームソースをかけたチキン、鯛のお刺身といった魚介系と相性が良いでしょう。
また、ロゼの場合はフルーツをふんだんに使ったタルトなど、デザートとの相性も良いので、ぜひメイン料理以外にもお試しください。
ポル・ロジェのシャンパーニュは、綺麗に輝く黄金色や鮮やかなピンク色の外観、きめ細やかな泡が魅力です。
テーブルに並べるだけで一気に華やかな雰囲気になるため、ホームパーティーや女子会などのシーンにもお使いいただけます。
さらに、英国王室御用達であり、世界で最も称賛されるシャンパーニュブランドにも選ばれる実力があるので、大切な方への贈り物にも最適です。
女性の方ならエレガントかつ飲みやすい「ロゼ・ ミレジメ」をチョイスしても良いですし、またはピノ・ノワール主体の「ミレジメ」と、シャルドネ100%の「ブラン・ド・ブラン・ミレジメ」を飲み比べてみるのも、その違いがお楽しみいただけるでしょう。
元英国首相チャーチル氏が愛し、世界から高い評価を受けている「ポル・ロジェ」。
職人の手作業によって生まれる繊細で極上な泡を持つシャンパーニュを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
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