クラガンモア
CRAGGANMORE
スコットランド北部ハイランド地方の北東部を流れるスペイ川流域「スペイサイド」は、シングルモルトの優れた産地です。クラガンモアは多くのファンに愛され、スペイサイドモルトの決定版と称されています。 |
ゲール語で「突き出た大岩」の意味を持つクラガンモア蒸留所は、1869年にジョン・スミスによって設立されました。蒸留に使用されるポットスチルは通常、白鳥の首のような滑らかな形状ですが、クラガンモアは上部が平らで煙突のような「T字型シェイプ」の特徴的な形状で、創業者のジョン・スミスがデザインしました。この特徴的な形状により、効率よく不純物を除去し、複雑な香りと繊細な味わいを生み出すことができると言われています。フローラルや果実の甘い香り、ハーブのような爽やかさと、ライトなスモーキーさなど複雑に重なり広がります。力強いモルトの味わいとバニラやハチミツのような甘みにスモーキーなフィニッシュが続きます。
クラガンモア蒸留所を設立したジョン・スミスはマッカラン、グレンリベット、グレンファークラスといった名高い蒸留所のマネージャーを務めた、ウイスキー造りにおいて当時最も経験豊富な人物でした。彼は大麦が豊富で、スペイ川やストラススペイの線路のすぐ近くという場所に目を付け、地主であったジョージ・マクファーソン・グラントに、新しい蒸留所を建設するために賃借させてもらえるよう説得したのです。クラガンモアは鉄道の利点を活用するため、意図的に線路脇に建設されました。鉄道の支線を蒸留所の敷地内に引き込み、鉄道で大量輸送に成功させた初めての蒸留所です。