ポイヤックのワインの特徴と通販での選び方
フランスのボルドー地方、メドック地区に位置する「ポイヤック」。
ポイヤック村(ポーイヤックとも表記)は、ボルドーワイン通なら誰もが知っている、言わばメドック地区で一番有名なワイン生産地です。
こちらでは、そんなポイヤックのワインの特徴についてご紹介いたします。
同じくメドック地区の銘醸地として名高いサン・テステフ村とサン・ジュリアン村に上下を挟まれた場所にあります。
メドック地区の中でも特に優れたワインを生産する村の一つに数えられており、さらには「ボルドー全体で見ても最高峰」という呼び声も高い銘醸地です。
そのためポイヤック村の中には様々な有名シャトー(生産者)が点在しているのですが、狭い面積の中に18もの格付けされたシャトーを有しています。
その中でも特筆すべきは、メドック格付けの最上級である”第1級”を獲得した5大シャトーのうち、なんと3つがこのポイヤック村に集まっているという事でしょう。
ポイヤック村にある格付け1級シャトーとは、「ラフィット・ロートシルト」、「ラトゥール」、「ムートン・ロートシルト」の3つ。
まず、下流のサン・テステフ村側に位置する「シャトー・ラフィット・ロートシルト」。
こちらは110haというポイヤックで最大規模の面積を所有しています。
ラフィットの持つ気品溢れる洗練された味わいは世界中で愛されており、セカンドラベル(シャトーの2番手のワイン)もその高い品質から大人気です。
次に、上流のサン・ジュリアン村側に位置する「シャトー・ラトゥール」。
こちらはポイヤック南東端のジロンド川近くに位置しており、自然の恩恵を受けた究極のワインが生産されています。
女性的なラフィットに対して、ラトゥールは力強い味わいから「男性的なワイン」とも言われており、いずれも極上のボルドーワインを生産する1級シャトーです。
最後に「シャトー・ムートン・ロートシルト」。
1855年に格付けされた時点では第2級でしたが、その後1973年に第1級に昇格することになり、これはメドック格付けにおける唯一の例外として知られています。
「ポイヤックの真髄」とも称されるカベルネ主体のワインは、熟成により真価を発揮する濃厚なテイストです。
さて、こうした世界的な格付けシャトーを有するポイヤック村で収穫したブドウから造ったワインには、「ポイヤックAOC」という村名AOCを表記したものが存在します。
AOCとは「アペラシオン・ドリジヌ・コントローレ」の略で、それぞれの産地の個性を守るための規制です。
つまりAOC表記があるワインは、各AOCの基準を守って生産しているという意味になります。
さらに細かく言うなら、メドック地区には下流の「メドックAOC」、上流の「オー・メドックAOC」というAOCがあるのですが、ポイヤックのように品質の高い限られた村だけが「ポイヤックAOC」のような村名AOCを有しているのです。
ポイヤックAOCでは白ワインは認められていませんので、赤ワインのみ。
そしてポイヤックの赤ワインはボルドーワインの中でも特に力強く、タンニンは強めでコクがあり、長期熟成に向いているタイプが多い傾向にあります。
また、ポイヤックはオランダ式の醸造方法をフランスで初めて取り入れたエリアとしても有名です。
具体的には、ワインに微量の二酸化硫黄を添加することによって樽の中での二次発酵を避け、それにより品質を安定させているのです。
このように、ポイヤック村はボルドー屈指の生産地として、世界的に名を馳せています。
名立たる富豪や大企業もポイヤック村のワイン製造に投資を行っており、ポイヤックのワインは今後も価値が高まっていく可能性が高いと言えるでしょう。
こちらでは、それぞれの品種の特徴をご説明いたします。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは栽培面積世界1位を誇る、最も人気のある黒ブドウ品種です。小さめの粒で皮が分厚く、大きめの種が特徴。食べられる果肉はほとんどありません。
しかし、その分強めのタンニンを持つ色味の濃いワインに仕上がります。
そんなカベルネ・ソーヴィニヨンの原産地は、フランスのボルドー地方。
カシスなどの黒い果実味とミントのような清涼感のある香りを持ち、酸味とタンニンが強めで、しっかりした骨格がありつつ上品さも感じられる味わいになるのが特徴です。
ポイヤックではこのカベルネ・ソーヴィニヨンを使って、強い構造を持つ長期熟成タイプのワインが多く造られています。
完熟させるのが難しい品種ですが、ポイヤック村があるメドックの左岸地区は深い砂利で水はけや温度が良いため、カベルネ・ソーヴィニヨンの熟成に適しています。
ポイヤックのワインの力強さは、このカベルネ・ソーヴィニヨンによって与えられているとも言えるでしょう。
なお、ポイヤック含めボルドーでは、カベルネ・ソーヴィニヨン単体でワインを造ることはほとんどなく、カベルネ・フランなどとブレンドしてバランスをとるのが一般的です。
カベルネ・フラン
カベルネ・フランは世界で約50000ha栽培されている品種であり、そのうち約7割をフランスが占めています。フランスのロワール地方での呼び名は、「ブーシェ」、「ブルトン」です。
ブドウ自体の特徴は、カベルネ・ソーヴィニヨンとよく似ています。
ただ、カベルネ・フランの方がより早熟で、軽い味わいのワインに仕上がります。
酸味はそこまで強くなく、色味も薄めでエレガントさを与える品種です。
フランスのロワール地方ではカベルネ・フラン100%のワインが造られていますが、原産地とされているボルドー地方では、あまり主役として使用されることはありません。
それよりも補助的なポジションとして使用され、ブレンド用の品種として栽培されることが多いです。
そのためポイヤックで主にブレンド目的で使われていますが、決して欠かすことのできないブドウになっています。
メルロー
メルローは栽培面積2位の世界的に人気の高い品種です。特徴としては早熟タイプで糖が上がりやすく、ワインになると果実味が豊かな豊満な味わいに仕上がります。
ブラックチェリーなどの色味の濃い果実と、甘めのスパイスが合わさった香りも特徴の一つ。メルローを使ったワインは柔らかな口当たりになるため、赤ワインを飲み慣れていない方でも飲みやすく感じるでしょう。
また、病気に強いという長所があり、どの産地で造られても上質なブドウが育ちます。
環境への適応力が高いということも、世界的に人気である理由の一つです。
原産地のボルドー地方では、メルローは最も広く栽培されています。
こちらもカベルネ・フランと同様に、単一品種のワインが造られることはあまりなく、ブレンドに用いられることが多い品種です。
ポイヤックにおいても、強い骨格を持つカベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることで、ワインに柔らかさと果実味を与えています。
ご購入を検討されている方は是非こちらを参考になさってみてください。
ポイヤックのワインの選び方
ポイヤックはメドック地区屈指の実力を持つワイン生産地であり、メドックに61ある格付けシャトーのうち18シャトーが点在しています。同じポイヤック村のブドウを使ったワインでもシャトーによって特徴が異なりますので、好みのシャトーからお選びいただくのがオススメです。
もちろん、メドック格付け1級の「5大シャトー」に数えられる「シャトー・ラトゥール」「シャトー・ラフィット・ロートシルト」「シャトー・ムートン・ロートシルト」は、ずば抜けて高品質なボルドーを生み出しています。
1級シャトーという事で価格も高く在庫も稀少にはなりますが、多くのワイン通が一度は手に入れたいと思うだけの、納得の品質をお楽しみいただけるでしょう。
「レ・フォール・ド・ラトゥール」や「ル・プティ・ムートン」などの、1級シャトーのセカンドワインも大人気です。
一方で、メドックの格付けは1855年当時になされ、例外を除いて更新されていません。
そのため現在では、当時の格付けが参考にならないほど高い実力を持ったシャトーも多く存在しています。
格付けが低い事で、高品質であるにも関わらずコストパフォーマンスが良くなっており、お得感があるのもうれしいポイントです。
ここでは、そんな実力派の中から特にオススメの格付けシャトーについて、いくつかご紹介させていただきます。
まずは、「シャトー・デュアール・ミロン・ロートシルト」。ポイヤックで唯一の第4級シャトーです。
1級格付けシャトーを持つロートシルト家が所有しており、そのノウハウを用いて徹底した管理のもと、安定して高品質なワインを生産し続けています。
ブラックチェリーのような果実味を感じられ、豊富なミネラル感が印象的です。
「シャトー・ラフィット・ロートシルト」に近いスタイルにも関わらず、4級の中では比較的お手頃な価格となっています。
ワイン界の権威ロバート・パーカー氏からも高い評価を獲得しました。
次に、メドック格付け5級のシャトーを見ていきましょう。
下記のシャトーは、ポイヤックにある5級シャトーの中でも特に評価が高く、安定して高品質なワイン造りを行っています。
(順不同)
■「シャトー・ペデスクロー」・・・絶好のテロワールが生み出す力強さとエレガントさ
■「シャトー・クロワゼ・バージュ」・・・平均樹齢20年の畑が生み出すグランヴァン
■「シャトー・ランシュ・ムーサ」・・・柔らかで優雅さのあるしなやかなワイン
■「シャトー・ランシュ・バージュ」・・・専門家が2級に匹敵すると評価するポイヤック
■「シャトー・ポンテ・カネ」・・・ムートン・ロートシルトに隣接する好立地
■「シャトー・オー・バタイエ」・・・柔らかで優美な、サン・ジュリアンに近いスタイル
■「シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト」・・・クラシックな正統派ポイヤック
■「シャトー・クレール・ミロン」・・・ムートン・ロートシルトの醸造チーム
■「シャトー・ダルマイヤック」・・・ムートン・ロートシルトの醸造チーム
どのシャトーのワインも、ぜひ手に取っていただきたい実力派ボルドーです。
気になる方は商品ページにて詳細をご覧になってみてください。
ここでは格付けシャトーに絞ってご紹介させていただきましたが、ポイヤックには他にも様々なシャトーが存在します。
ワインショップソムリエではポイヤックの数あるワインの中から、ソムリエ厳選の高品質なワインだけを取り扱っていますので、ラインナップから安心してお選びいただけましたら幸いです。
ポイヤックのワインの楽しみ方
ポイヤックのワインの特徴は、全体的に長期熟成型であること。購入後すぐに開栓してもお楽しみいただけますが、ヴィンテージが若いものはお好みの期間で寝かせておくと、より深みや熟成の良さを感じられるでしょう。
他のエリアに比べてより力強さが際立っているワインが多いため、特な風味を持つラム肉などともマリアージュ(相性)が良好です。
その他にもビーフシチューや赤身肉のステーキなど、牛肉を使った料理や、味の濃いお料理ともよく合います。
豊かなコクがあるゴーダチーズとの相性も良いですので、晩酌に使う際はおつまみにゴーダチーズを選んでみてはいかがでしょうか。
そのほか、ポイヤックのシャトー同士を飲み比べたり、他のボルドーワインと単体で飲み比べてみても、違いが感じられて面白いですね。
このように、ポイヤックには格付けワインからそうでないものまで、実に様々なシャトーのワインが揃っています。
特に前項でおすすめした5級シャトーのワインは比較的安価にも拘わらず非常に素晴らしい味わいに仕上がっていますので、ちょっと贅沢したい時に飲むワインとしても最適でしょう。
しっかりとした強さと上品さを併せ持ち、ボルドー屈指の銘醸地と名高いポイヤック。
世界中から愛されているポイヤックの人気ワインを、是非この機会にご堪能ください。
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