メドックのワインの特徴と通販での選び方
メドックは、フランスワインの中でも特に名が知られているボルドーワインの産地です。
ボルドーワインを探していると、メドックという単語を頻繁に耳にする事でしょう。
ここでは、そんなメドック地域のワインの特徴、通販で購入する際の選び方、楽しみ方について詳しくご紹介いたします。
ジロンド川の左岸に位置していることから、「左岸」と呼ばれる地域でもあります。
対して「右岸」と呼ばれる地域もありますが、これは東西の土地によってワインの味わいが異なるため、ボルドーの説明をする際によく使われる言葉です。
そして今回ご紹介する「メドック」という地域は「左岸」の代表的な産地の一つです。
さて、ボルドーワインの生産で有名なメドック地区ですが、赤ワインのみAOCで認められており、白ワインは認められていません。
AOC(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)とは、産地の個性、品質を守るために定められた法的な規制で、細かい指定と条件をクリアしたものだけが認められます。
メドック地区は大きく2つに分けられており、主にジロンド河の下流は「AOCメドック」、上流は「AOCオー・メドック」と呼ばれ区別されています。
メドックの土壌の特徴としては、砂利や砂が多く、「カベルネ・ソーヴィニヨン」というブドウ品種との相性が良好です。
そのため、メドックではカベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワインが多く作られています。
一方で、下流にいくほど粘土質土壌が強くなる傾向にあり、下流のAOCメドックでは「メルロー」というブドウ品種が多く栽培されています。
次に、品質はどうでしょうか。
メドックのワインは、フランス産のワインの中でも質が高いことで有名です。
上流の「オー・メドック地域」の中にはさらに6つの村名(アペラシオン)があり、それぞれの村名がボトルに記されたワインは、より厳しい規定の下で生産されています。
メドック全体としては、鮮やかな濃い赤色をした「長期熟成にも適したワイン」が多く見られるでしょう。
これらは熟成させることによって渋みが柔らかくなり、まろやかで深みのあるワインに仕上がっていきます。
そして、もうひとつメドックのワインにかかせないのが「メドックの格付け」です。
メドックの格付けとは、メドックで生産される数々のワインをランク付けしたものを指します。
この格付けが行われたきっかけは、1855年のパリ万国博覧会が関係しています。
世界各国から多くの人が訪れる博覧会で、フランスのワインを広めるためにナポレオン三世がワインの格付けが必要だと考え、この格付けが行われました。
格付けは第一級から第五級の5段階になっており、一度決まったメドックの格付けの見直しは、例外を除いて行われません。
下記を主体に複数のブドウをブレンドさせることによって、様々な味わいを持ったワインに仕上げているのです。
・カベルネ・ソーヴィニヨン
・メルロー
・カベルネ・フラン
・プティ・ヴェルド
・マルベック
この中でも主に使われているのは「カベルネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」です。
ここでは、メドックで使われるそれぞれのブドウの特徴について詳しくご紹介いたします。
カベルネ・ソーヴィニヨン
数あるブドウの種類の中でも特に人気の高い「カベルネ・ソーヴィニヨン」。メドックの属するボルドーを代表する品種で、多くのメドックワインで主体として使用されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたワインは、渋みと酸が強めで、しっかりとした骨格のある力強い味わいが楽しめます。
フレッシュなカシスの香りと、すっきりとした清涼感あるミントの香りで、上品ながら凝縮された旨味を感じられるでしょう。
冷涼な土地から温暖な土地まで様々な地で栽培されていることから、ポテンシャルを秘めたブドウと言われています。
メルロー
人気の黒ブドウ品種のひとつである「メルロー」。カベルネ・ソーヴィニヨンと並ぶほど人気の高いブドウ品種です。
環境への適応力が高いブドウ品種だと言われており、こちらも世界中で栽培されています。
ブラックチェリー、プルーンなど熟した濃い色の果実、チョコレート、コーヒーの香りが特徴的です。渋みと酸味はあまり強すぎず、なめらかな口当たりとまろやかさを感じられるソフトな印象。
メドックでは、ジロンド河口に近い粘着質な土壌を持つ場所などで、メルローのブレンド比率が高くなっています。
カベルネ・フラン
「カベルネ・フラン」は赤ワインに使われるブドウ品種です。世界で広く栽培されているブドウ品種ではありますが、主にフランスで栽培されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの交配親ということで知られており、見た目や味わいが似ています。違いは、カベルネ・ソーヴィニヨンより早熟であることと、味わいが軽やかで繊細ということでしょう。
ほどよいタンニンと酸味があるものの、柔らかくて素朴な印象があります。ワインを飲み慣れていない方でも飲みやすいと感じられるブドウ品種でしょう。
ただしジロンド側左岸のメドックではほんの数パーセント作られているだけに過ぎず、右岸のサンテミリオンで使用される事の多い品種です。
プティ・ヴェルド
「プティ・ヴェルド」は主にボルドー地方で栽培されているブドウ品種です。ボルドー地方の気候では熟すのに時間がかかるため、気候が適した南オーストラリアで多く栽培されています。 ほかの品種とブレンドさせる補助的な役割を担っており、このブドウ品種をブレンドさせることによってワインに色味やタンニンが加わります。
プティ・ヴェルドはブルーベリー、カシス、コーヒーのような香りがあり、酸味とタンニンは強めです。
このような力強くはっきりとした味わいが、ブレンドされた時にワインのアクセントになります。
近年メドックでは収穫の安定性の観点から、カベルネ・フランの代わりにこのプティ・ヴェルドを使ったワインへと移行が進んできている状況です。
マルベック
「マルベック」は約9割がアルゼンチンで栽培されているブドウ品種です。その数字のとおり、アルゼンチン産では殆どの赤ワインがマルベックを主体として造られています。
マルベックの特徴のひとつは、「黒いワイン」と呼ばれているほど、濃厚な色味のワインに仕上がることでしょう。熟成期間によって変わりますが、熟成期間が長いほど濃い色ワインになります。
ブラックチェリーやプルーンといった果実の香りで、しっかりとした渋みと酸味がある力強い味わいがあります。強さを感じられるものの、フレッシュな果実味もあるため心地よい口当たりになるのも特徴的です。
オー・メドック地域では「コット」と呼ばれ一部のワインで使用されていますが、生産量は多くありません。
こちらでは通販での選び方、楽しみ方をご紹介いたします。
メドックのワインの選び方
メドックのワインには大きく分けて「カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたもの」と「メルローを主体にしたもの」があります。カベルネ・ソーヴィニヨンは渋みと酸味が強く、力強い味わいになるブドウ品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンが主体となっているワインは、しっかりとしたタンニン、凝縮された果実味、カシスといったベリー系の香りを味わうことができます。
そのため、「渋みや酸味をしっかりと味わいたい」「力強い重厚な味わいがお好み」という方におすすめでしょう。
対してメルローは渋みと酸味があまり強くなく、柔らかい印象のあるブドウ品種です。
メルローが主体となっているワインは、ほどよいタンニンと酸味、なめらかで上品な口当たりを楽しむことができます。
そのため、「力強さよりも口当たりや上品さを重視したい」など、飲みやすさを重視される方におすすめでしょう。
一方でメルロー主体のワインにプティ・ヴェルドが加わると、また違った味わいになります。
プティ・ヴェルドは補助的な品種ですが、しっかりとした渋みと酸味があるため、ブレンドされることによってアクセントが加わるのです。
もう一つ、メドックワインを選ぶ際に気になるのが「格付け」や「どのAOCか」ということではないでしょうか。
通常の「AOCメドック」の他に上流の「AOCオー・メドック」がありますが、上流には特に優れたワインを産出する「サン・テステフ」「ポイヤック」「サン・ジュリアン」「リストラック」「ムーリ」「マルゴー」という村があり、基準に達したワインはそれぞれの村名AOCを名乗る事が許されています。
格付けやAOC名を冠するワインは品質が保証されている証拠でもありますので、ある程度の基準にしてお選びいただくのもいいでしょう。
ただし格付けがないからといって、そのワインが劣っているというわけではありません。
メドックには格付けに関わらず、実に多くの魅力的なワインが存在しています。
中には安価なのに特級シャトー並みのクオリティを持つような、掘り出し物のボルドーワインもあるほどです。
ワインショップソムリエでは様々なメドックの中から厳選した「高品質なメドックワイン」だけを取り扱っています。
どれも美味しく楽しめるワインとなっていますので、迷った時はぜひ当店のラインナップの中からお選びになってみてください。
メドックのワインの楽しみ方
メドックのワインはすぐにお飲みいただくのも良いのですが、長期熟成に適したワインが多いため、熟成させてから楽しむのもおすすめです。熟成させる事で、渋みが柔らかくなりより飲みやすくなるでしょう。
お食事との合わせ方としては、しっかりとしたタンニンと丁度よい酸味を感じられる赤ワインが多いことから、肉料理がおすすめです。
特に「ステーキ、ビーフシチュー、ローストビーフ」といった料理との相性は抜群でしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは、ワイン自体の味わいが濃いため、サッパリした料理よりも上記のような濃いめの味付けの料理と合わせるとより一層ワインをお楽しみいただけます。
その他にも、トマト系のパスタ、キノコを使った料理ともマッチング良好です。
それから、普段のお食事でお飲みいただくほかに、パーティーや記念日などの特別な日に振舞うのもまた良いでしょう。
メドックのワインは贈り物としても人気ですので、安心してお選びいただけます。
ぜひ、この機会にボルドーの赤ワイン産地「メドック」のワインをお楽しみください。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)