エグリ・ウーリエの特徴と通販での選び方
「エグリ・ウーリエ」は最高峰のピノ・ノワールが生まれるフランス・アンボネイ村に位置するシャンパーニュメゾンです。
テロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境)の個性を最大限に活かした味わいは、世界中の多くの愛好家を魅了しています。
こちらでは、そんなエグリ・ウーリエの特徴をご紹介いたします。
シャンパーニュ地方には独自の格付けがあり、グラン・クリュ(特級)、プルミエ・クリュ(一級)と村ごとに区別されているのですが、アンボネイ村はグラン・クリュに格付けされています。
土壌は石灰質で、南向きの斜面に位置していることから日照時間に恵まれており、主要品種であるピノ・ノワールの栽培に適した環境です。
それでは、エグリ・ウーリエの歴史について見ていきましょう。
1930年創業の歴史のあるメゾン(生産者)ですが、当初所有していたグラン・クリュはわずか3haほどでした。
そこから徐々に増えていき、現在はアンボネイ村やヴェルズネイ村のグラン・クリュを含んだ約12haほどまで広がっています。
創業当時はまだ無名だったメゾンですが、転機が訪れたのはフランシス・エグリ氏が4代目当主に就任してからのことです。
フランシス・エグリ氏はまず土壌微生物学者のクロード・ブルギニョン氏に助言を求め、ブドウの栽培の見直しを行いました。
その時に取り入れたのが、まだシャンパーニュ地方では珍しかった「有機栽培」です。
ほぼ無農薬に近いスタイルの栽培へと変更し、有機肥料を使用して手作業で丁寧に手入れを行うようになりました。
さらに1996年には、偉大な醸造家ドミニク・ローラン氏による指導のもと、新樽発酵を開始。
この新樽発酵は、現在ではエグリ・ウーリエの代名詞とも言える醸造方法となっています。
”新樽の魔術師”とも呼ばれるドミニク・ローラン氏から受けた指導は、ブルゴーニュワインの造りのようにこだわった醸造です。
試行錯誤を繰り返し、ついに所有する畑のテロワールの個性を最大限に表現したスタイルを確立しました。
「成功しても失敗しても原因を必ず探る。テロワールの個性を鮮明に表すのが自分の使命。」と語るフランシス・エグリ氏は、シャンパーニュ造りに飽くなき探求心を持つ生産者なのです。
こうして現在、エグリ・ウーリエは世界的なシャンパーニュメゾンとして名を馳せています。
例えばフランスの有名ワインガイド誌「ル・クラスマン」では三ツ星を獲得しました。
シャンパーニュで三ツ星を獲得しているのは、「クリュッグ」や「サロン」といった名だたるメゾンだけ。
つまりエグリ・ウーリエはそれらのメゾンと肩を並べる生産者であり、RMシャンパーニュメゾンにおける代表的な存在なのです。
(※RMとは「レコルタン・マニュピュラン」の略で、ブドウ栽培から醸造・瓶詰に至るまで一貫して行う生産者のこと)
品質への徹底的なこだわりを持って造られたエグリ・ウーリエのシャンパーニュ。
一般的なシャンパーニュに比べて熟成期間が長いことも特徴の一つに挙げられるでしょう。
銘柄によって期間は異なりますが、例えばラインナップの一つである「ブラン・ド・ノワール」では、なんと60か月以上におよぶ長い熟成期間が設定されています。
美しい酸味や凝縮感のある果実味を持ち、熟成によるバランス感が良く、厚みのある深い味わいが特徴的です。
所有するブドウ畑は総面積約12haで、そのうち「アンボネイ」が約7.8haと大部分を占め、その他には「ブジー」「ヴェルズネイ」「ヴリニー」で構成されています。
それでは、それぞれのブドウ品種の特徴を見ていきましょう。
ピノ・ノワール
ブルゴーニュ地方原産の「ピノ・ノワール」は、世界でも人気の高い黒ブドウ品種の一つです。小ぶりな粒と薄めの果皮が特徴で、明るく鮮やかな色調のワインに仕上がります。
チェリーやラズベリーといった小さい果実や、キノコや皮製品の複雑なアロマを持ち、ほどよいタンニンと綺麗な酸味のある繊細な味わいが特徴的です。
また、口当たりがなめらかなことから、シルクのような飲み心地と表現することができます。
ピノ・ノワールは石灰質の土壌を好み、冷涼な気候に適した品種です。
早熟タイプのため冷涼な産地にも適応する上、涼しい環境でじっくりと熟成が進むことが好ましい点がその理由として挙げられます。
そしてエグリ・ウーリエのあるアンボネイ村は、まさにそれらを満たしたテロワールであることから「ピノ・ノワールの聖地」と呼ばれているのです。
栽培に理想的な畑で造られたピノ・ノワールは、エグリ・ウーリエでは主要品種として使用されています。
主にシャルドネとブレンドされ、美しい酸味といったピノ・ノワールの持つ特徴を味わいにもたらしています。
シャルドネ
白ブドウ品種の中では栽培面積2位を誇る「シャルドネ」は、ほとんどのワイン生産国で栽培されている人気品種です。環境への適応力が高く、冷涼な気候でも温暖な気候でもどこでも質の高いワインが造られることが、世界で広く栽培されている理由として挙げられます。
もともとブドウ自体の個性や風味が少ない品種ですが、栽培される産地のテロワールや、生産者が取り入れている醸造方法などによって味わいに違いが出やすいです。
目立った特徴は少ないものの果実味や酸味は備わっており、良質なワインの原料となるポテンシャルの高さを持っています。
シャンパーニュ地方では最高品質のスパーリングワインの原料となり、ピノ・ノワールとブレンドされることが一般的です。
エグリ・ウーリエでもピノ・ノワールとブレンドされ、豊かな果実味や綺麗な酸味のある味わいのワインに仕上げられています。
ピノ・ムニエ
シャンパーニュ地方を代表する黒ブドウ品種「ピノ・ムニエ」は、ピノ・ノワールやシャルドネを含んだシャンパンに使用することが認められている品種の一つです。葉っぱの裏側が白いことから、”粉屋”という意味を持つ「ムニエ」が名前になったと思われます。
色調が明るく仕上がるピノ・ノワールと比べると、より明るい色調になり、酸味も強いことが特徴です。
また、チェリーやイチゴといったフレッシュな果実味があり、熟成向きでないことから若いうちに果実味を味わうのに適しています。
エグリ・ウーリエが所有するブドウ畑は大半をピノ・ノワールが占めており、残りがシャルドネ、ピノ・ムニエです。
プルミエ・クリュのヴリニーの区画で栽培されるピノ・ムニエは、非常に古いブドウの樹から生まれることによって驚くべき完熟度となっています。
通常は酸味が強く出るのですが、エグリ・ウーリエのシャンパーニュでは丸みのある味わいが特徴です。
楽しみ方も併せてご紹介しますので、購入されたお客様は是非こちらを参考にお楽しみください。
エグリ・ウーリエの選び方
エグリ・ウーリエではシャンパーニュからロゼまで様々なラインナップがありますので、迷ってしまわれる方も多いかもしれません。ここではお選びいただく際の参考になるよう、代表的な銘柄についてご紹介いたします。
ブリュット・グラン・クリュ・ミレジメ
「ブリュット・グラン・クリュ・ミレジメ」は、本拠地であるアンボネイと、グラン・クリュのブジ―、ヴェルズネイのブドウを選出して造られた逸品です。60か月以上の長期熟成を経ている点が特徴で、複雑で妖艶なアロマと柔らかく気品のある味わいの辛口シャンパンとなっています。
ブリュット・トラディション・グラン・クリュNV
「ブリュット・トラディション・グラン・クリュNV」は、アンボネイ、ブジ―、ヴェルズネイの平均樹齢40年の古樹で造られたピノ・ノワールを使用しています。そこに良質なシャルドネがブレンドされ、凝縮された果実味が際立つ美しい酸味を持った味わいが特徴的な、ノンヴィンテージの辛口シャンパンです。
グラン・クリュブラン・ド・ノワールヴィエイユ・ヴィーニュNV
「グラン・クリュブラン・ド・ノワールヴィエイユ・ヴィーニュNV」は、樹齢50年以上の古樹から生まれるピノ・ノワールを100%使用して造られています。力強さとフィネスを兼ね備えた深い味わいが特徴的で、上質なピノ・ノワールからもたらされるミネラルも感じられるシャンパンです。
コトー・シャンプノワ・アンボネイ・ルージュ・キュヴェ・デ・グラン・コート
「コトー・シャンプノワ・アンボネイ・ルージュ・キュヴェ・デ・グラン・コート」は、最高品質のピノ・ノワール100%で造られた赤ワインです。醸造家ドミニク・ローラン氏が厳選した木を使用した樽で、発行、熟成が行われています。
アンボネイ村のピノ・ノワールからは豊富なミネラルがもたらされ、パワフルかつ繊細なバランスのとれた味わいが特徴です。
プルミエ・クリュレ・ヴィーニュ・ド・ヴリニー
「プルミエ・クリュレ・ヴィーニュ・ド・ヴリニー」は、1級のヴリニーで造られたピノ・ムニエ100%のシャンパンです。ヴリニーは1級ではあるものの特級と肩を並べるテロワールを持ち、驚くほどの完熟度のピノ・ムニエが生まれます。
ピノ・ムニエはもともと強めの酸味を持つ品種ですが、こちらでは丸みのある味わいとなっており、凝縮された果実味が魅力的な逸品です。
エクストラ・ブリュットVPグラン・クリュNV
「エクストラ・ブリュットVPグラン・クリュNV」は、ピノ・ノワール60%、シャルドネ40%のブレンド比率で造られています。こちらの最大の特徴は、70か月以上という非常に長い熟成期間でしょう。
通常よりもはるかに長い熟成期間を経ていることから、複雑で深い味わいの素晴らしい仕上がりとなっています。
キュヴェ・ブリュット・ロゼ・グラン・クリュNV
「キュヴェ・ブリュット・ロゼ・グラン・クリュNV」は、50か月を超える長い期間の熟成を経た、深みのある味わいが特徴のロゼです。ラズベリーやカシスなどの果実のアロマを感じ、濃密な甘さと細やかな酸味のある別格の味わいとなっています。
エグリ・ウーリエの楽しみ方
エグリ・ウーリエの特徴の一つは、長い熟成期間を経ていることです。銘柄によって期間は異なりますが、「エクストラ・ブリュットVPグラン・クリュNV」はその中でも長く、70か月以上も熟成されています。
購入後すぐに開栓してお楽しみいただけるでしょう。
次に、お料理と合わせる場合はどうでしょうか。
シャンパーニュでしたら、ペスカトーレビアンコや白身魚のカルパッチョなどの魚介系のお料理との相性が特に良いでしょう。
ロゼはメイン料理の他にも、イチゴなどのフルーツとの相性が良く、食後のデザートと合わせてみるのもおすすめです。
基本的にシャンパーニュやロゼは幅広いお料理と合わせることができますので、是非、様々なお料理とのマリアージュ(相性)をお楽しみください。
自宅で飲むのも良いですが、各種パーティなどでの使用もおすすめです。
エグリ・ウーリエのスパークリングの持つきめ細やかな泡と輝く色調は、記念日や誕生日など特別なシーンのテーブルを美しく演出してくれるでしょう。
有名ワインガイド誌「ル・クラスマン」で三ツ星を獲得している最高峰のシャンパーニュメゾンですので、大切な方へのギフトやワイン好きな方へのプレゼントとしても最適です。
シャンパーニュはデリケートなワインですので、保存方法にはご注意ください。
劣化を早めないために保管はできるだけ暗く、12℃前後の場所が好ましいです。
ご自宅にセラーがある方はそちらでの保管が一番良いですが、お持ちでない方は冷蔵庫の野菜室で保存すると良いでしょう。
ワインショップソムリエでは厳選した「エグリ・ウーリエ」を取り扱っていますので、ラインナップの中からお好みのものをお楽しみいただけましたら幸いです。
代表的な存在のRMシャンパーニュメゾンが生みだす最高峰の味わいを、是非この機会にご堪能ください。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)