ドメーヌ・ド・シュヴァリエの特徴と通販での選び方
「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」はその品質の高さから、世界中のワイン愛好家を魅了し続けている生産者です。
近年では同じ地区にある5大シャトーの1つ、かの「シャトー・オー・ブリオン」にも引けを取らないとまで言われています。
こちらでは、そんなドメーヌ・ド・シュヴァリエの特徴、通販での選び方についてまとめました。
(※シャトーとは、ブドウの栽培~瓶詰まで一貫して行う生産者のこと)
シャトー名の由来は、世界遺産に登録されている「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」の巡礼路に隣接しており、”騎士”を意味する言葉「シュヴァリエ」からきています。
ドメーヌ・シュヴァリエは17世紀にはすでにその名が記録されてあり、ブドウ畑やワインの醸造設備が存在していたことがわかっています。
樽職人のアルノー・リカーがシャトーを購入した1865年頃は、主に放牧・穀物の栽培が収入源で、ブドウ栽培は副収入とされていました。
アルノー・リカーの亡き後は息子であるジャン・リカーがシャトーを引き継ぐことになるのですが、ジャン・リカーは土地の素晴らしさを見抜き、周りの土地を購入して畑を15haまで拡大させました。
これによりシャトーの勢いが増してワイン生産に力を入れていくことになるため、ドメーヌ・ド・シュヴァリエの創設者はジャン・リカーだと言っても間違いではないでしょう。
1900年にジャン・リカーは亡くなり、次の後継者となったのは義理の息子であるガブリエル・ボーマルタンです。
ガブリエル・ボーマルタンは木材の売買で成功をおさめたことで、巨万の富を築きました。
彼はその後40年間シャトーの責任者を務めるのですが、ネゴシアン(卸売業者)に販売を任せ、シャトーの名をさらに世に広めます。
1940年にはその娘婿ジャン・リカーに引き継がれますが、これまで維持してきた品質を守り、数多くの素晴らしいワインを生みだしました。
8年後に息子のクロード・リカーに引き継がれると、完璧主義者のクロード・リカーによってシャトーの品質はさらに向上します。
新しい設備の導入、ブドウの選果を徹底的に行うなど、彼は品質を高めるための努力を惜しみませんでした。
そして、その結果とも言えるのが、1953年に実施された「グラーヴの格付け」で赤ワイン、白ワインともに格付けされたことでしょう。
1855年に行われたメドック格付けの影響を受けて実施されたのが、グラーヴ地区の格付けです。
(※メドック格付けとは、1855年のパリ万国博覧会にて実施されたメドック地区のワインの格付けのこと。第1級~第5級の5段階で格付けされています。)
グラーヴ地区の格付けはメドック格付けとは異なり、階級はなく、赤ワイン・白ワインの両方が対象となっています。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエを含めた16シャトーが格付けされ、その中にはメドック格付け1級シャトーとして有名な「シャトー・オー・ブリオン」も含まれているのです。
そしてドメーヌ・ド・シュヴァリエは1983年に、大手の酒造企業を所有するベルナール家によって購入されます。
新たなオーナーになってからも約5年はクロード・リカーもワイン造りに携わり、現在の当主であるオリビエ・ベルナールと技術や知識を共有しました。
オリビエ・ベルナールはシャトーの理念である”良いワインを造るためには、良いブドウが必要”という言葉の通り、品質を重要視したワイン造りを行っている人物です。
続いて、環境や製法について見ていきましょう。
現在ドメーヌ・ド・シュヴァリエが所有するブドウ畑は赤ワイン用が35haと大半を占めていますが、白ワイン用の畑も4.5haほどあります。
砂利と黒色の砂が混ざった表土の下に砂利と粘土が混ざった層が広がった土壌です。
3方向を森に囲まれていることも特徴的でしょう。
森に囲まれていることによってもたらされる保温効果は、ブドウの成熟を促すメリットがあると言えます。
一方で、空気の循環を妨げ霜の被害を受けやすいという点は大きなデメリットです。
そのためドメーヌ・ド・シュヴァリエでは霜の大きな被害を避けるために森の伐採、暖房設備の設置をしています。
他にもヘリコプターを飛ばして空気を循環させるなど、少し変わった方法で対策をとっているのです。
そして、ブドウは手摘みで収穫され、畑の中に設置された選果台で1度選果を行い、醸造所でさらに2度選果を行います。
この計3回という徹底した厳密な選果は、ヴィンテージの出来にかかわらず高品質のワインを生みだし続ける理由の一つだと言えるでしょう。
卓越した品質が魅力のドメーヌ・ド・シュヴァリエは、赤・白ともにグラーヴ地区の格付けに名を連ねています。
赤ワインは複雑さとバランスの良さが評価され、メドック格付け1級のシャトー・オー・ブリオンに匹敵する品質と言われるほどです。
さらに白ワインは「ボルドーの白ワインを代表する逸品」として高い評価を受けており、生産量が少ないことから希少性も高くなっています。
赤、白どちらも晩熟であることが特徴で、特に白ワインは飲み頃になるまでは10年以上かかるとされています。
白ワイン用の畑にソーヴィニヨン・ブラン70%、セミヨン30%といった構成で植えられています。
こちらでは、ドメーヌ・ド・シュヴァリエに使用されるブドウ品種の特徴をご説明します。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界で最も人気の高い黒ブドウ品種です。ドメーヌ・ド・シュヴァリエでの栽培比率は65%となっており、主要品種として使用されています。
小さな粒ながら大きな種を持ち、さらに果皮が厚く、食べられる果肉はほとんどありません。
カベルネ・ソーヴィニヨンを使用したワインは色味が濃くなり、タンニンが強めのしっかりとした構造に仕上がります。
また、カシスといった黒い果実、ピーマン、ミントの香りを感じられ、力強さの中に上品さも併せ持つ味わいが特徴です。
カベルネ・ソーヴィニヨンは病害への抵抗性、耐寒性が強いという長所があり、どの産地でも上質なブドウが育つと言われています。
そのポテンシャルの高さが、世界中で広く栽培されていることや、人気が高い理由だと言えるでしょう。
原産地のフランス・ボルドー地方では、単一品種でワインが造られることはほとんどありません。
メルローといった他の品種とブレンドされ、力強い味わいに柔らかさなどを加えています。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの拠点でもあるグラーヴ地区では、このカベルネ・ソーヴィニヨンを用いた長期熟成型のワインが多く造られています。
メルロー
メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンと同じく、世界で人気の高い黒ブドウ品種の一つです。人気が高い理由は、環境への適応力の高さ、病害に強いこと、多産などが挙げられます。
青みがかった黒色の中くらいの粒で、大きめの房が特徴です。
早熟タイプのため糖が上がりやすく、果実味が豊富なワインに仕上がります。
プルーンやブラックベリーなどの果実系や、クローブといったスパイスの香りがあり、タンニンと酸味は控えめです。
香りも味わいも比較的ソフトな印象で、ワインを飲み慣れていない方でも飲みやすく感じる口当たりとなっています。
メルローの原産地は、フランス・ボルドー地方です。
ボルドー地方では単一品種のワインが造られることはほとんどなく、主にブレンドに使用されています。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエでも力強いカベルネ・ソーヴィニヨンとなどの品種とブレンドされることで、果実味や柔らかさを与える役割を担っています。
カベルネ・フラン
カベルネ・フランは世界中で栽培されていますが、栽培面積の約7割という大部分をフランスが占めている品種です。フランス国内では「ブルトン」「ブーシェ」と呼ぶ地域もあります。
ブドウ自体の特徴はカベルネ・ソーヴィニヨンとよく似ていますが、カベルネ・フランの方がより早熟で軽やかな味わいです。
ワインに仕上がった時の色味も薄めで、香りもブルーベリーやスミレなど優しい印象を持ちます。
酸味もそこまで強くなく、力強さよりも上品さを感じるブドウと言っても良いでしょう。
主要産地であるボルドー地方では、カベルネ・フランはブレンド品種として栽培されることが多いです。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエでも2.5%の割合で植えられており、赤ワインのブレンドに使用されることの多い、欠かせない品種となっています。
プティ・ヴェルド
プティ・ヴェルドは、フランス・ボルドー地方原産の赤ワイン用ブドウ品種です。熟すのに時間を要する品種のため、ボルドー地方では1960年代以降に栽培面積が減り、現在もブレンド用として栽培されています。
果皮と種に果汁が多く含まれており、黒がかった濃い紫色のワインに仕上がります。
また、タンニンと酸味が非常に強く、はっきりとした骨格が特徴的です。
ブルーベリー、カシス、コーヒーなどの香りがあり、スパイスの風味も感じられます。
主要産地のボルドー地方で造られるワインには、ブレンド用として少量のプティ・ヴェルドが使用されることが珍しくありません。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエでも数%と少なめですがブレンドに用いられ、色味やスパイスなどのアクセントを与える重要な品種となっています。
ソーヴィニヨン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは、栽培面積世界8位を誇る白ブドウ品種です。国によって呼び名が異なり、フランス中央部では「ブラン・フュメ」、ドイツでは「ムスカット・シルヴァーナー」と呼ばれています。
小さめの房と粒を持つソーヴィニヨン・ブランは、フランス語で”野性的”を意味する「ソヴァージュ」が名前の由来です。
すっきりとしたフレッシュな酸味が特徴で、いきいきとした果実味もあり、爽やかな印象の味わいに仕上がります。
香りもグレープフルーツなどの果実の爽やかさがあり、全体的にフレッシュさが際立つブドウ品種です。
主要産地であるボルドー地方では、セミヨンとブレンドされた白ワインが多く造られています。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエで造られる白ワインでもソーヴィニヨン・ブランをセミヨンとブレンドすることで、爽やかな香りをもたらしています。
セミヨン
セミヨンはボルドー地方原産の白ブドウ品種で、栽培面積は世界で約20,000haです。大きめの房に明るめの黄緑色の果皮が特徴で、病害に強いという長所があります。
また、生産性が高い品種であり、安定した収穫量を見込めるところが魅力です。
セミヨンから造られるワインは、穏やかな酸味があり、繊細な味わいに仕上がります。
若いうちはあまり特徴がないブドウですが、長期間熟成させることによって非常にコクがある味わいへと変化します。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエが拠点を構えるグラーヴ地区では、ソーヴィニヨン・ブランとブレンドした長期熟成型の白ワインが造られています。
ソーヴィニヨン・ブランの爽やかさと、セミヨンのコクなど、お互いにない部分を補った味わいが特徴です。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの白ワインもセミヨンを使用した10年以上の長期熟成型になっており、ソーヴィニヨン・ブランとのブレンドでセミヨンの良さが最大限に活かされています。
楽しみ方も併せてご紹介しますので、是非こちらを参考にお試しください。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの選び方
ドメーヌ・ド・シュヴァリエには、赤ワインと白ワイン両方のラインナップがあります。選び方のポイントの一つとして、それぞれの味わいの特徴を把握した上で、お好みのワインを選ぶのが良いでしょう。
まず、赤ワインについてですが、カシスなどの黒い果実の香りと、スパイスの香りが特徴的です。
凝縮感のある味わいの中に深みが感じられ、バランスの取れたタンニンが魅力と言えます。
晩熟タイプで10年以上の熟成に耐えられるポテンシャルを持ち、5大シャトーと比肩すると評されるほど格式高いワインです。
また、それほどの高い評価を受けているにも関わらず、ヴィンテージによっては1万円以下で購入できる点も魅力の一つ。
高品質な本格派のボルドーワインを試してみたいという方に是非おすすめです。
そして、白ワインは複雑さと余韻を長く楽しめる点が魅力的です。
ボルドーというと赤ワインをイメージしがちですが、ドメーヌ・ド・シュヴァリエの白は「ボルドーの白ワインを代表する逸品」として高い評価を受けています。
ソーヴィニヨン・ブランの爽やかさと、セミヨンのまろやかなコクが合わさった味わいを感じられるでしょう。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの白は生産量が少なく、希少価値が高まっているため赤ワインよりも価格は高めです。
しかし、それ相応の品質を持つ白ワインですので、きっと満足していただけるでしょう。
また、ドメーヌ・ド・シュヴァリエは、赤、白ともにグラーヴ格付けで格付けされているトップ・ドメーヌです。
白ワインに関してはあの有名ワイン評論家ロバート・パーカー氏に「何よりも素晴らしいのは、完全無欠の品質である」とまで言わせました。
赤・白ともに世界が認める高い品質を誇っているドメーヌ・ド・シュヴァリエ。
ワインショップソムリエでは厳選したヴィンテージの逸品をご用意しておりますので、ラインナップの中から安心してお選びいただけます。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの楽しみ方
ドメーヌ・ド・シュヴァリエの特徴の一つでもあるのが、赤、白ともに「晩熟タイプ」であることです。若いうちは硬く閉じており、開くのは10年以上の年月が必要とされています。
そのため、ヴィンテージによっては購入してから飲み頃になるまで寝かせておくのも良いでしょう。
熟成させるごとに香りはより複雑さを増し、上品な味わいをお楽しみいただけますので、是非十分に寝かせて熟成感をご堪能ください。
ドメーヌ・ド・シュヴァリエのワインをお料理に合わせる場合はどうでしょうか。
まず、赤ワインはタンニンが豊富でしっかりとした構造を持っていますので、しっかりめの味付けの料理と合わせると良いでしょう。
例えば、ラムチョップ、牛肉のトマト煮、ビーフシチューなどと合わせると、最高のマリアージュをお楽しみいただけます。
次に白ワインですが、爽やかな香りとまろやかな口当たりが特徴ですので、魚介を使った料理との相性が良好です。
あさりのパスタや、鯛のカルパッチョ、天ぷらなどと是非合わせてお楽しみください。
赤は単品で飲んだり、格付けシャトーや5大シャトーと飲み比べてもお楽しみいただけるでしょう。
白はボルドーの最高の白ワインという事で、誕生日会やホームパーティーなど特別なシーンに使えるだけの話題性があります。
グラーヴ格付けワインということで、大切な方への贈り物にもおすすめです。
赤白ともに世界が認める最高品質を誇る「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ」。
熟成させるごとに増していく複雑な香りや極上の味わいを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
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