シャトー・ポンテ・カネの特徴と通販での選び方
ボルドー屈指の銘醸地ポイヤック村に位置する「シャトー・ポンテ・カネ」。
恵まれたテロワール(ブドウ畑を取り巻く自然環境)を持ち、世界から高い評価を受けるワインを生みだしています。
こちらでは、そんなシャトー・ポンテ・カネの特徴をご紹介いたします。
ポイヤックはメドックの村名AOC(原産地統制呼称)で、数多くの著名シャトー(ブドウ栽培から醸造・瓶詰に至るまで一貫して行う生産者)を有するボルドーを代表する銘醸地です。
赤ワインのみがAOCに認定されており、メドックの中でも特に濃く力強い味わいが特徴です。
それでは、シャトー・ポンテ・カネの歴史を振り返っていきましょう。
創立者であるジャン・フランソワ・ド・ポンテ氏は、18世紀初頭にポイヤックの畑を購入します。
数年後には「カネ」と呼ばれる区画を追加で購入し、現在の名称であるシャトー・ポンテ・カネとなりました。
当時から高い評価を受けていたシャトーでしたが、徐々に荒廃していき、1855年のメドック格付けでは5級に格付けされています。
(※メドック格付けとは、1855年にナポレオンの命により制定されたメドックのワインにおける格付けのこと。階級は1級~5級の5段階に分けられます。)
その後ポンテ家はシャトーを売却することになり、1865年にボルドーきってのワイン商として知られていたヘルマン・クルーズ氏が購入。
巨大な財力の保持者であったクルーズ家は、多額の資金をシャトーに投資し、品質の向上に献上します。
その結果世間からの評判が上がると共にシャトーの名が広まり、格付け5級でありながら2級や3級に匹敵するほどの評価を得るようになりました。
しかし、ブドウの出来が悪いワインをブレンドしていたことなどのスキャンダルを起こし、名誉を失墜させてしまいます。
クルーズ家は100年以上もの長い間所有していましたが、スキャンダルから信頼を回復させることができず、シャトー・ポンテ・カネはテスロン家へ売却されました。
このテスロン家が新たな所有者となってから、シャトーは見事に復活を遂げます。
地下セラーの改修を行ったり、セカンドワイン(シャトーの2番手のワイン)を登場させることによって品質が向上したのです。
また、老朽化による木製の発酵槽からステンレスタンクへの置き換えや、著名コンサルタントのミッシェル・ロラン氏の招致によって、特に1994年以降は飛躍的に品質が向上しました。
現在の運営を行っているアルフレッド・テスロン氏も積極的に投資を行い、シャトーのさらなる躍進にチャレンジし続けています。
次に、畑や製法についても見ていきましょう。
シャトー・ポンテ・カネが現在所有するブドウ畑は80haと、メドックの中でも広大です。
メドック格付け1級「シャトー・ムートン・ロートシルト」に隣接しているという、非常に恵まれたテロワールを有しています。
石灰や粘土が含まれた砂利質の土壌の個性を活かして、タンニンがしっかりとした長期熟成向きのワインが造られているのが特徴です。
さらに2004年以降は、「ビオディナミ製法」を取り入れた事で評価が上がりました。
ビオディナミとは化学肥料を使用しない有機栽培のことで、当時のメドックでは珍しい農法でした。
しかし、収穫量を抑えることによって品質は向上。2009年と2010年にはワイン評論家のロバート・パーカー氏から希少な100点を獲得。
そして、2010年にはオーガニック、ビオディナミの認証である”エコセール”と”ビオディヴァン”を取得しました。
数頭の馬を所有しており、重量のあるトラクターより負担をかけない”馬による耕作”が行われている事でも知られています。
このように、ポンテ・カネは絶好のテロワールを最大限に引き出すために自然に近い方法を追求しているシャトーです。
そのポイヤックらしい力強い味わいのワインは、近年非常に評価が高まっています。
それぞれの品種の特徴を見ていきましょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン
「カベルネ・ソーヴィニヨン」は、世界で最もポピュラーな黒ブドウ品種です。どの産地で育っても良質なワインができるポテンシャルの高さを持ち、世界中で広く栽培されています。
分厚い果皮と大きな種が特徴で、食せる果肉はほとんどなく、その分色調の濃いワインに仕上がります。
強めのタンニンと酸味としっかりとした骨格があり、がっちりとした力強い味わいが特徴です。
また、カシスといった小さな果実とすっきりとしたミントの香りを持ち、力強さの中に上品さも感じられます。
原産地であるボルドー地方では、長期熟成タイプの男性的なワインが造られています。
カベルネ・ソーヴィニヨンだけを使用して造られることは基本的になく、メルローなどの品種とブレンドして味わいのバランスをとることが多いです。
シャトー・ポンテ・カネでもこのカベルネ・ソーヴィニヨンが主体となり、メルローやカベルネ・フランとブレンドされています。
ヴィンテージによってブレンドの比率は多少異なりますが、基本的には60%以上使用されており、ワインにしっかりとしたタンニンと骨格を与えているのです。
メルロー
「メルロー」は栽培面積世界2位を誇る、世界でも人気の高い黒ブドウ品種の一つです。人気が高い理由として挙げられるのは、収穫量が多いことや病害に強いといった長所があることでしょう。
中くらいの大きさの粒と大きな房を持ち、熟すのが早い品種です。
早熟タイプであることから果実味が豊富で、穏やかな酸味とタンニンが特徴の優しい口当たりのワインに仕上がります。
果実味が中心となった親しみやすい味わいですので、赤ワイン初心者の方でも飲みやすく感じるでしょう。
メルローが主に栽培されているのは、原産地であるフランス・ボルドー地方。
カベルネ・ソーヴィニヨンと同じく単一品種で造られることはほとんどなく、ブレンドに使用されることが一般的です。
シャトー・ポンテ・カネでも主要品種として使用されており、メルローの特徴である果実味と柔らかさを味わいにもたらしています。
その他の品種
上記の品種の他にも、シャトー・ポンテ・カネでは「カベルネ・フラン」「プティ・ヴェルド」などがブレンドに使用されています。購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。
シャトー・ポンテ・カネの選び方
シャトー・ポンテ・カネを選ぶ際ですが、まずはヴィンテージを考慮する必要があるでしょう。なぜなら一時期はスキャンダルで評判を失墜させるなど、あまり品質が高くなかった時期があるからです。
シャトー・ポンテ・カネで評価が高まったのは、著名コンサルタントのミッシェル・ロラン氏を招いたことで飛躍的に品質が向上した1994年以降になります。
そのため、実力を重視するのであれば1994年以降、さらにはビオディナミを取り入れた2004年以降のヴィンテージを選ぶのがおすすめです。
特に近年のものは非常に評価が高いですので、ヴィンテージごとに多少の違いはありますが、どれを選んでも失敗はしないでしょう。
ワインショップソムリエでは選りすぐりのヴィンテージを取り扱っておりますので、安心してお選びください。
現在、シャトー・ポンテ・カネはその品質の高さから「格付け1級シャトーを脅かす存在」とまで言われています。
その証拠に、厳しい評価で知られるフランスのワイン誌「ル・クラスマン」では「実直にポイヤックの特徴が表現されており、近年のヴィンテージはポテンシャルが傑出している。」と高評価を獲得。
さらに、2009年、2010年には連続してロバート・パーカー氏から100点を獲得するなど、確かな実績を持つシャトーです。
一方でその実績のわりに価格は控えめですので、初めてボルドーワインを購入する方や、格付けシャトーのワインを試してみたいという方にも非常におすすめできます。
また、テロワールを活かした自然に近い形でのワイン造りにこだわっていますので、健康志向の方にも是非おすすめしたいシャトーです。
シャトー・ポンテ・カネの楽しみ方
シャトー・ポンテ・カネのワインの飲み頃は収穫後8年~30年とされており、長期熟成型であることが特徴です。購入後すぐに開栓していただくことも可能ですが、寝かせておくことで深みが増します。
ですので熟成された味わいを楽しみたい方は、ご自宅のワインセラーでお好みの味わいになるまで寝かせておくのも良いでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンが主体のためしっかりとしたタンニンが感じられますが、メルロー、カベルネ・フランなどの柔らかさや愛らしい印象が加わっていますので、単体でもお楽しみいただけます。
お料理と合わせる場合は、肉料理と合わせることでより味わいを感じられるでしょう。
力強い味わいには、独特な風味を持つラム肉とのマリアージュ(相性)が良好です。
コクのあるチーズとの相性も良いですので、是非ゴーダチーズなどをおつまみに選んでみてください。
また、飲み比べる場合は、ポイヤック村の他のシャトーを選んでみてはいかがでしょうか。
同価格帯の有名なシャトーとしては、同じく格付け5級の「シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト」が挙げられます。
こちらもカベルネ・ソーヴィニヨンが主体で造られていますが、テロワールによって味わいに多少の違いがあるので、飲み比べてみることでよりシャトー・ポンテ・カネの魅力を感じられるでしょう。
普段の食事に合わせる以外にも、ホームパーティーやお誕生日などの特別なシーンにも最適です。
「ル・クラスマン」やロバート・パーカー氏から高評価を得ているシャトーですので、大切な方へ贈るギフトとしても使用いただけます。
名高い1級シャトーに隣接する恵まれたテロワールを持つ「シャトー・ポンテ・カネ」。
近年飛躍的に品質が向上し、格付けの見直しが行われたら確実に昇格するであろう大注目のシャトーです。
“ポイヤックらしさ”が躊躇に表れているワインを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
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