シャトー・ムーラン・ド・カントローブの特徴と通販での選び方
フランス・ボルドー地方の中でも、特に格式高い赤ワインを生産していることで知られているサン・テミリオン地区。
そんなサン・テミリオンに拠点を構える「シャトー・グロ・カイユ」のセカンドワインとして知られるのが「シャトー・ムーラン・ド・カントローブ」です。
こちらでは、シャトー・ムーラン・ド・カントローブの特徴と通販での選び方をご紹介いたします。
そのシャトー・グロ・カイユが生み出した大人気のセカンドワインが「シャトー・ムーラン・ド・カントローブ」です。
(※生産者が厳選したブドウを使用して造られた最高品質のワインを「ファーストワイン」、そのファーストワインの基準とは違うコンセプトで打ち出した2番手のワインを「セカンドワイン」と言います。)
シャトー・ムーラン・ド・カントローブの造られるサン・テミリオン地区は高級赤ワインの産地として名高く、1999年にワイン産地としてユネスコの世界遺産に登録されました。
ボルドー地方と同じ海洋性気候であることから、夏は涼しく、冬は比較的温暖で、気温差が少ないことが特徴の一つです。
そしてサン・テミリオンにはGros Caillou(グロ・カイユ)と呼ばれる区画があるのですが、この区画の中の12.5haを所有しているのがシャトーの所有者であるデュピュイ家なのです。
デュピュイ家はこの区画を6代にわたって所有しており、極上のワインを生みだしています。
それではデュピュイ家のファーストワイン「シャトー・グロ・カイユ」と比べて、セカンドワインの「シャトー・ムーラン・ド・カントローブ」がどう違うのか見ていきましょう。
まず、ファーストワインは特別な区画である「サン・テミリオン・グラン・クリュ」という特級畑から生まれるワインです。
対してシャトー・ムーラン・ド・カントローブは、特級畑である必要はありません。
しかし、だからと言って品質が低いわけではなく、どちらもAOCサン・テミリオン(原産地統制呼称)の厳しい規定をクリアしています。
シャトー・ムーラン・ド・カントローブもファーストワインと同様に、温度管理が可能なコンクリートタンクで醸造しており、ステンレスタンクは使用していません。
伝統的なコンクリートタンクを使用していますが、それ以外では最新の設備が導入されています。
タンクで行われるアルコール発酵はヴィンテージによって期間が調整され、3週間から1か月ほどの期間をかけて行われるのが特徴です。
シャトー・グロ・カイユとシャトー・ムーラン・ド・カントローブで製法が異なってくるのは、アルコール醗酵が終わってからになります。
それぞれ違った方法で熟成が行われるのですが、シャトー・グロ・カイユが木樽に入れられるのに対して、シャトー・ムーラン・ド・カントローブは木樽には入れられません。
その理由は、主体として使用されるメルローや、サン・テミリオンの特徴をより活かすためです。
全て同じ方法で行うのではなく、ヴィンテージによっては熟成期間を変えるなど、特徴に応じて熟成方法が考えられています。
こうして造られたシャトー・ムーラン・ド・カントローブは、濃い味わいでありながら、軽やかで飲みやすく、ブドウの旨味がしっかりと感じられるのが特徴です。
ベリーやカシスなどの果実の甘い香りに、黒コショウやシナモンのスパイシーさ、複雑な香りが楽しめます。
シャトーの属するサン・テミリオンの土壌は、石灰岩が中心の丘陵地帯「コート」と、砂を含んだ砂利質の土壌を持つエリア「グラーヴ」の2つに分かれています。
石灰岩が中心のコートではメルローが、砂利質のグラーヴではカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンといったブドウ品種が栽培されているのが特徴的です。
それでは、それぞれのブドウ品種について見ていきましょう。
メルロー
メルローは黒ブドウ品種の中でも人気が高く、栽培面積は世界第2位を誇ります。病害に強い、多産といった長所を持ち、さらにはどの産地で造られても良質なブドウになることが、世界で人気が高い理由とも言えるでしょう。
ブドウ自体の特徴は、大きめの房に青みがかった黒色の中くらいの粒で、早熟タイプです。
早熟であることから糖が上がりやすく、果実味が豊かな味わいのワインに仕上がります。
また、やや明るめの色調のワインになり、ブラックベリーやブラックチェリーなど果実の香りや、クローヴといったスパイスの香りを感じられます。
メルローは、シャトー・グロ・カイユの畑の60%という大部分を占める主要品種です。
そしてセカンドワインであるシャトー・ムーラン・ド・カントローブは、このメルローが主体となって造られていることから、濃厚な果実味が特徴です。
ほどよい酸味とタンニンを感じられ、カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランとブレンドされていることによってバランスが取れた味わいになっています。
また、早熟タイプのメルローがメインということもあり、比較的早くから十分な果実味を感じられることも特徴の一つでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨンはメルローと同様に人気が高く、栽培面積は世界第1位の黒ブドウ品種です。小さめの粒ですが分厚い果皮と大きめの種を持ち、色調の濃いワインに仕上がります。
また、タンニンが豊富で力強くどっしりとした骨格があり、カシスなどの果実の香りやミントを連想させるような清涼感のある香りが特徴的です。
シャトー・グロ・カイユの所有する畑では、カベルネ・ソーヴィニヨンは10%の比率で植えられており、補助的品種として使用されています。
セカンドワインのシャトー・ムーラン・ド・カントローブでは補助的な役割を担う品種ですが、味わいのバランスを取る役割を担っています。
カベルネ・フラン
黒ブドウ品種の一つであるカベルネ・フランは、全世界の栽培面積の約7割をフランスが占めています。ブドウ自体の特徴はカベルネ・ソーヴィニヨンとよく似ていますが、晩熟なカベルネ・ソーヴィニヨンに比べて早熟であることがカベルネ・フランの特徴の一つです。
また、カベルネ・フランは力強い味わいのカベルネ・ソーヴィニヨンとは対照的で、軽やかな味わいのワインに仕上がります。
酸味もそこまで強くなく、上品な印象を持つブドウ品種と言えるでしょう。
カベルネ・フランは砂利質や粘土質の土壌を好むため、シャトー・グロ・カイユが拠点を構えるサン・テミリオンの土壌は最適の環境です。
畑には25%の比率で植えられており、シャトー・ムーラン・ド・カントローブにおいても補助品種として使用されています。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。
シャトー・ムーラン・ド・カントローブの選び方
シャトー・ムーラン・ド・カントローブはボルドー右岸の実力派ワインです。サン・テミリオンの高品質ワインをお探しの方や、初めてボルドーワインを購入される方にも是非おすすめしたいシャトーになります。
こちらのシャトーのファーストワインは2006年以降、有名な五つ星ホテルと専属契約をしたことで入手が困難になりました。
セカンドワインであるシャトー・ムーラン・ド・カントローブの人気も高まり、完売となっているヴィンテージ(年代)も見られる状況です。
ワインショップソムリエでは厳選したヴィンテージの逸品を取り扱っておりますので、ラインナップの中から安心してお選びください。
シャトー・ムーラン・ド・カントローブの楽しみ方
シャトー・ムーラン・ド・カントローブは、メルローが主体で造られていることが特徴の一つです。そのため、比較的早くから豊かな果実味を感じられますので、購入後すぐに開栓しても十分にお楽しみいただけます。
もちろん時間が経過するごとに果実味が増していきますので、より豊かな味わいを好む方は少し寝かせてからお楽しみいただくのも良いでしょう。
濃厚な果実味とほどよい酸味、タンニンを感じる味わいを存分に楽しむためには、単体で飲むのも良いですが、料理と合わせるのがおすすめです。
パワフルで濃厚な果実味はお肉料理全般によく合います。
特に鶏肉を使った料理とのマリアージュ(料理とワインの相性のこと)が良いですので、鶏の照り焼きや、チキンのトマト煮込みなどと合わせてお楽しみください。
また、サン・テミリオンのその他のシャトーやボルドーの実力派ワインと飲み比べてみるのも、特徴が分かって面白いでしょう。
同じシャトーが造るグラン・クリュの「シャトー・グロ・カイユ」と比較しても、それぞれの良さが感じられます。
サン・テミリオンの実力派シャトーが生み出す「シャトー・ムーラン・ド・カントローブ」。
高品質のわりに比較的リーズナブルですので、友人との食事会やちょっとしたギフトなど、様々なシーンで使いやすいのもうれしいところです。
濃密な果実味が魅力的な人気セカンドワインを、是非この機会にご堪能ください。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)