アマローネ コルテ・フィオリータ(IEI)
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深い色、豊かな深みのある香り…一見普通に見えるこの赤ワインが、
飲んでみると、驚くほどの豊潤さ、複雑さ、
そして力強さも秘めていることに驚きます。 それもそのはず、
このワイン、実は普通の造り方ではありません。
なんと「干しブドウから造ったワイン」なんです!
イタリアで長年かけて洗練されてきた偉大なワイン「アマローネ」
しかも、今回は何年もの昔から造り続けてきた土地のブドウから造られる、
「アマローネ・クラッシコ」です!!
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ヴェネトといえば水の都ヴェニス、海の幸豊かな郷土料理を想像しがちですが、「ロミオとジュリエット」で有名なヴェローナをはじめ、実は内陸部の都市も多く存在します。
そんな地域では、海沿いのヴェネチア等と比べて食事も肉料理やレバーなど重いものや、燻製製品、ハム、ソーセージ等保存食などがたくさん造られます。
乾燥した内陸性気候、またアルプスからやってくる乾燥した風が、こうした保存食を美味しくするそうです。)
重めの肉料理が主体になると、当然ワインもしっかりした、凝縮味のあるものが欲しくなりますよね。
アマローネはまさにそんな地元の文化を色濃く反映したワイン。 |
このアマローネの造り方は、もともと陰干ししたブドウから造る濃密な甘口ワイン「パッシート」を造るための伝統的な手法でした。
一説では、ある時誤ってデザートワインにすべきところを干しブドウから辛口ワインを作ってしまい、それが余りに素晴らしかったため、いろんな蔵が造るようになったと言われます。
そのため、蔵ごとに独自の造り方を行っており、一口にアマローネといっても、それぞれ違いがあって面白いのも特徴。
いろんな生産者のアマローネを飲んでみたくなりますね。 |
アマローネという名前は「アマーロ(苦い)」という言葉が語源。
このワインを口にすれば複雑な香りや、甘み、苦み、酸味と様々な要素が混じりあった
深い味わいが感じられて、イタリアの文化や長い歴史を感じることができます。
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ブドウを乾燥させるという技法は、もともとデザートワイン造りで培われた技です。
収穫した実を風通しの良いところに置き、乾燥させます。(アパッシメント)
こうして乾燥させたブドウ(最大5カ月間も陰干しします!)を絞って造る辛口ワインのことを
「アマローネ」と呼びます。
実の中の水分が蒸発することで、自然と味わいが強くアルコール度も高い、すごくたくましいワインになります。 |
干しブドウから造るワイン、と聞くと何となく濃縮感のあるものを想像してしまいませんか?
しかし、実物はあくまでエレガント。
職人の見極めにより、余分な水分だけを飛ばして、ワインとして大切な部分はしっかりと残します!その後、生産者の方針にもよりますが、
伝統的な大樽でゆっくり熟成させてから販売します。
この間に、深みのある独特な香り・味わいが醸成されます。
こうして、ヴェネト州の誇りとも言うべきワイン、「アマローネ」が生まれるのです。 |
このようにアマローネにはとても手間暇かけて、
他のワインでは表せない味わいを表現した素晴らしい逸品です。
しかし、この特別な製法の為価格が高くなってしまいがちです…
なかなか気軽に試すというわけにはいきませんね。
そこで、地元の人々は、アマローネの入門編とも言うべき素晴らしいワインを作りました。 |
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まず通常のヴァルポリチェッラの赤ワインを作ります。
アマローネ用のブドウを絞った後、搾りかすが残っているところに、この赤ワインを投入!! |
アマローネの搾りかすは、乾燥させたブドウならではの独特の風味があり、
それがワインにしみこみます。 |
つまり、乾燥させて糖度が上がったブドウの風味が加わり、
アマローネ由来の深みと厚みを与えられた特別なヴァルポリチェッラがリパッソです。 |
しかも、アマローネよりもお値段はうんと低く抑えることができるため、高級赤ワインのニュアンスをお手頃価格で楽しめます。
最近、リパッソの良さが広く認知され、ヴァルポリチェッラ以外の
生産者も同様の醸造法によって深みと複雑味のある素晴らしいワインを造るようになっています。 |