シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブランの特徴と通販での選び方
ボルドーといえば赤ワインを想像される方も多いと思いますが、ボルドーの銘醸地グラーヴ地区には品質の高い白ワインも多く存在しています。
こちらではそんなボルドー白ワインの中から、いま世界で高い評価を受けている「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」の特徴をご紹介いたします。
ボルドーワインの銘醸地であるグラーヴ地区に位置しており、古くは広大な土地を有していた他、景観の美しさでも知られています。
同じくグラーヴ地区にある5大シャトーで有名な「シャトー・オー・ブリオン」と字面が似ていますが、別のシャトーです。
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンは時代によってシャトー名や所有者が変わっており、現在の名前となったのは1941年のこと。
実は1970年代から80年代にかけてなど、あまり手入れされておらず人気が低迷していた時期もありました。
ですが1987年に「フィリップ・ジェルヴォゾン氏」がシャトーのオーナーとなり大きな投資を行った結果、低迷から立ち直ります。
さらに1996年には、世界100以上のワイナリーを指導する凄腕の醸造家として知られる「ミッシェル・ロラン氏」がコンサルタントに就任。
氏の下で、大幅な改革(完熟したブドウのみを扱う事や、手摘み収穫、選果手法の厳格化など)が次々と行われていきます。
これらの改革によりシャトーの品質は格段に向上し、現在その名を知らしめるようになったのです。
また、シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンは同地区で知名度の高い「シャトー・オー・バイィ」に隣接している他、高評価の「シャトー・スミス・オー・ラフィット」と同じ高台にあるなど、高条件の立地を備えています。
グラーヴ格付け外ではありますが、このような優れたテロワール(気候や立地などの条件)に恵まれていることが、高い品質に繋がっていると言えるでしょう。
さて、そんなシャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンですが、生産量・輸出量ともに少ないため、日本での知名度はいま一つかもしれません。
一方で、ヨーロッパでは名のあるホテルやレストラン・公のイベントなどで使用されることも多く、欧州ワイン関係者の間においては比較的知名度が高いシャトーです。
近年では赤、白ともに高品質ですが、その中でも市場で高い評価を得ているのは、「ペサック・レオニャン」で造られる白ワインでしょう。
ペサック・レオニャンとはグラーヴ地区の中でも最高の土壌を持つ、ボルドーワイン発祥の地とも言われる銘醸地の事です。
こちらの畑で手摘み収穫したブドウは圧搾後、温度管理が可能なタンクで約2日間デブルバージュ(不純物を取り除く作業)されます。
その後、新樽で3か月間の発酵と約1年間の熟成を経てから市販されているのです。
品質にこだわって造られた白ワインは、芳醇な果実の香りとエレガントな味わいに仕上がりっており、かのワイン評論家ロバート・パーカー氏も下記のように評価しました。
「米国ではあまり見かけることがなかったが、ここ5年の間に劇的に良くなった。
このシャトーは、途方もなく向上する可能性がある」
このように、一時は低迷したものの見事な復活を遂げ、近年ではこれほどまでの高い評価を受けるようになったシャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン。
ブドウの樹齢が古く、砂利質の優良な土壌を持っていることから、今後ますますの発展が期待されています。
こちらでは、それぞれの品種の特徴をご説明いたします。
ソーヴィニョン・ブラン
ソーヴィニヨン・ブランは栽培面積世界8位の白ブドウ品種であり、1990年~2010年の間に約2.5倍も面積が広がっています。フランスの中央部では”ブラン・フュメ”、ドイツでは”ムスカット・シルヴァーナー”と呼ばれるなど、産地によって異なる名前を持つブドウです。
ソーヴィニヨン・ブランの語源は、フランス語で野性的を意味する言葉「ソヴァージュ」からきていると言われています。
樹勢が強い早熟タイプの品種で、房と粒は小さめです。
そして、フレッシュな酸味が特徴であることから、冷涼な産地での栽培に適しています。
弾けるようなフレッシュな果実味と、生き生きとした酸味があり、柑橘系とハーブのアロマを感じられます。
ソーヴィニヨン・ブランを一言で表す言葉を選ぶとしたら、「爽やか」が当てはまるでしょう。
フランスのボルドー地方が原産地とされていましたが、ロワール地方が原産地である説も出ています。
ロワール地方ではミネラル豊富な味わいが特徴ですが、ボルドー地方ではセミヨンなどの他の品種とブレンドされ、酸味と香りを与える役割を担う事が多いです。
「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」ではこのソーヴィニヨン・ブランが主要品種として使われており、豊かな果実のアロマを活かしたエレガントな味わいに仕上がっています。
セミヨン
セミヨンは世界の栽培面積約20000haとなっており、ブドウ品種の中では中堅どころだと言えます。フランス・ボルドー地方のソーテルヌ地区が原産地で、最高峰のワインの原料になっている品種です。
比較的大きめの房と粒が特徴のセミヨンは、樹勢が強く、生産性が高いブドウとして知られています。
若い状態の時はあまり目立った特徴がなく、控えめな香りと落ち着いた味わいで、穏やかな印象です。
長期熟成に向き、香りや酸味をプラスする役割があり、ソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることが多いブドウ品種だと言えるでしょう。
「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」でも、このセミヨンを新樽でソーヴィニヨン・ブランと一緒に発酵&熟成させることで高いクオリティに仕上げています。
ミュスカデル
ミュスカデルは白ワイン用のブドウ品種で、主にボルドー地方で栽培されています。「ミュスカ」「ミュスカデ」というよく似た名前のブドウがありますが、これらは全て別物です。
単一品種でワインになることは少なく、アクセントを与える補助的な役割を担っています。
また、晩熟タイプで熟すのに時間を要するため、栽培が難しいところが難点とも言えるでしょう。
果皮が薄いので貴腐菌が繁殖しやすく、貴腐ワインの原料としても使われています。
低めの酸味と花の香りが特徴で、脇役のポジションではありますが、ブレンドに欠かせない品種の一つです。
「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」ではヴィンテージによっては使用されないこともありますが、1-5%程度がブレンドされることでハーモニーを演出しています。
購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にしてください。
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブランの選び方
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオンでは「ルージュ」という表記の赤ワインも生産されていますが、市場で特に評価が高いのが白ワイン「ブラン」になります。ここではグラーヴ地区の銘醸地ペサック・レオニャンで造られた白ワイン「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」について見ていきましょう。
まず、選び方で気になるのが「ヴィンテージによる味わいの違い」ではないでしょうか。
気を付けたいのが、シャトーが低迷していた1996年以前のヴィンテージは、凡庸との評価を得ていたという点です。
一方で、ミッシェル・ロラン氏の改革の成果が顕れた1998年以降のヴィンテージは、基本的にどれも高品質という評価を得ています。
例えば2003年はブドウの出来が非常に良い年で、8月の気温が40℃に達したため早期の収穫となり、よく熟した凝縮感のあるブドウが育ちました。
糖度が高く、低めの酸味が特徴で、複雑なコクと甘さも感じられます。
また、2011年のヴィンテージも試飲会などで好評の出来です。
熟成期間が丁度よく飲み頃で、甘さを含んだ複雑で豊かな香りの中に滑らかなコクとボリューム感のある、エレガントな風味がお楽しみいただけるでしょう。
普段から辛口の白ワインを飲まれる方や、ボルドーの白ワインが好きな方におすすめです。
ワインショップソムリエでは厳選したヴィンテージだけを取り扱っていますので、ラインナップから安心してお選びいただければと思います。
いずれにしてもワイン評論家ロバート・パーカー氏が「このシャトーは途方もなく向上する可能性を秘めている」と絶賛し、パリの有名なホテルやレストランでも使用されていることからも、その品質に間違いはないと言えるでしょう。
まだ日本やアメリカではマイナーであるものの、ヨーロッパでは知名度が高いワインとなっていますので、是非この機会にいかがでしょうか。
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブランの楽しみ方
シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブランは、辛口でフレッシュな果実のアロマが特徴の白ワインということもあり、魚介系の食材とのマリアージュが良好です。例えば、オマール海老のソテーや鯛のカルパッチョなど、さっぱりした味わいの料理とよく合うでしょう。
そして、料理と一緒に楽しむ以外にも、単体でもお飲みいただける素晴らしい味わいです。
約10年~20年の飲み頃ヴィンテージをご購入いただくのも良いですし、出荷時点である程度の期間熟成されていますので、購入直後に開栓して若い状態でも充分お楽しみいただけるでしょう。
品質の割に格付けや大きな知名度がなく価格が高騰していませんので、コストパフォーマンスの観点でもお得なボルドー白ワインです。
一方でデイリーワインのようなチープさはなく、しっかりしたコクがありながらエレガントで飲みやすい辛口の白になっていますので、お祝い事やホームパーティーに持参したりなど、特別な日にもお使いいただけます。
今後もより一層注目されること間違いなしの、ボルドー・グラーヴ地区の辛口白ワイン「シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン ブラン」。
グラーヴ格付け外にはなるものの、物によっては5大シャトーの「オー・ブリオン」の白よりも飲みやすいと評する人もいるくらいの逸品です。
是非、この機会にお試しになられてみてはいかがでしょうか。
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