トスカーナのワインの特徴と通販での選び方
「トスカーナ」は、イタリアにある州です。
イタリアの中でも良質なワインを生み出すことでも知られています。
ここでは、この地の人々にとって欠かせないものとなっている「トスカーナ」のワインについて、その特徴や楽しみ方などをご紹介いたします。
全体的には比較的温暖な気候ですが、州の中央部は夏と冬、さらには朝と夜の寒暖差が激しい気候となっています。
このエリアは天候の変化も激しいため、年によってブドウの品質に差が出やすい点が特徴です。
温暖な気候で安定しているのは、どちらかといえば海岸沿いのエリアでしょう。
いわゆる大陸性気候のため、夏も冬も過ごしやすくなっています。
それからトスカーナの土壌は石灰質でミネラル分が多く、粘土質である点も特徴的です。
土壌に水分がしっかりと蓄えられるため、このような土壌で育ったブドウで作られたワインは、香りが芳醇でふっくらとした味わい深いものに仕上がります。
しかしながら、砂や泥が目立つ土壌も多く、層が幾重にも重なり合っているエリアも少なくありません。
このようなエリアで栽培されたブドウは、ワインに仕上げた時に力強さや重厚感をもたらしてくれます。
トスカーナのワインの歴史は古く、ブドウの化石が見つかっていることから、この地では遥か昔からブドウが自生していたと考えられています。
古代ローマ時代には外国への輸出も始まり、中世に入るとブドウの栽培とワインの醸造が盛んとなり、ルネッサンス時代にはトスカーナワインの地位が確立。
昔のローマ法王もこの地のワインを楽しんでいたようで、現在でも毎年法王にトスカーナのワインが献上されています。
ルネッサンス時代からは、トスカーナでは量産するのではなく品質を向上させようとする動きも見え始めました。
こうして時間をかけてワインの価値が変化し、時代の流れによって現在の高品質のワインが生まれたわけです。
トスカーナ州で作られるワインの9割近くは赤ワインです。
トスカーナ州で一番有名な産地としては、辛口の赤ワイン産地として知られるキャンティ地区が挙げられるでしょう。
イタリア高級ワインとして知られる「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」の産地「モンタルチーノ地区」も、トスカーナ州です。
さらにティレニア海沿いの「ボルゲリ地区」は、「スーパートスカーナ」「サッシカイア」の登場で脚光を浴びている産地となっています。
また、残り1割とわずかですがトスカーナで生産されている白ワインも伝統があり、味わい深い酸味を持っています。
D.O.C.Gを有する「サン・ジミニャーノ地区」の白ワインが特に有名で、フルーティーで比較的飲みやすい白ワインと出会えるでしょう。
このようにトスカーナ州ではほぼ全域でワイン用のブドウが作られており、州をあげてワイン作りの伝統と文化を守ってきました。
「ワイン・サーチャー」をはじめとしたインターネット上のワインランキングでも、常にトスカーナのワインは上位に多数ランキングされるほどの人気ぶりです。
近年では有機栽培を行う畑の数も毎年増えてきている他、多くのセレブがトスカーナのワイナリーを購入するなど、ブドウ畑の価格が高騰している地域でもあります。
この地で栽培されるブドウの6割以上を占めており、キャンティを筆頭にたくさんのトスカーナワインでサンジョヴェーゼが主要品種となっています。
サンジョヴェーゼ
トスカーナの主要ブドウ品種「サンジョヴェーゼ」は、ベリー系やスミレの花のような香りも漂わせる妖艶な品種です。キャンティをはじめとしたトスカーナの有名なD.O.C.G.(原産地呼称のこと)の赤ワインの多くが、このサンジョヴェーゼから造られています。
しっかりとした酸味を備えており、タンニン(ブドウの種や皮などに含まれる渋み成分)の主張も申し分ありません。
比較的主張の強いインパクトのある味わいが特徴ですが、熟したサンジョヴェーゼはプラムのような香りが強まり、深みを持ったコクを生み出します。
カナイオーロ・ネーロ
トスカーナワインには、「カナイオーロ・ネーロ」というブドウ品種もよく使われています。こちらもトスカーナを代表するブドウ品種ですが、単体で使われることはあまり多くはありません。
主に「サンジョヴェーゼ」にブレンドし、ワインを柔らかく丸みのある風味にする役割として用いられます。
しかしながらカナイオーロ・ネーロも、割としっかりとしたタンニンを感じることができます。
サンジョヴェーゼと混ぜ合わせると、まろやかにはなりつつも深みが増すと表現した方がいいでしょう。
その他のブドウ品種
その他、赤ワインを作り出すブドウ品種として有名な「メルロー」「カベルネ・ソーヴィニヨン」もトスカーナワインにはよく使われています。どちらもフランス系の品種ですが、トスカーナの「メルロー」は甘みが優しく、なめらかである点が魅力です。
「カベルネ・ソーヴィニヨン」は重厚感がありながらも口に馴染みやすく、複雑な果実味が味わえるワインに仕上がります。
ヴェルナッチャ
トスカーナ州の白ワインによく使われているブドウ品種といえば、「ヴェルナッチャ」です。トスカーナ州の中でもシエナ県での栽培が盛んな品種で、花の香りが漂う非常に繊細な風味を持っています。
この品種で作られた白ワインは少し成熟させることで香ばしさが増してきます。
口に入れればアーモンドのようなナッツの後味が残り、フルーティーな爽やかさと相まって、とても複雑な味わいを楽しむことができるでしょう。
トレッビアーノ・トスカーノ
また、トスカーナの白ワインにはトスカーノの原産種「トレッビアーノ・トスカーノ」も多く使用されます。とても爽やかでフレッシュな生き生きとした風味が特徴的な品種です。こちらは白ブドウでありながら、しばしば赤ワインに使われることもあります。
フランスで栽培されたものと比べると、少しシンプルで味わいがストレートなのが特徴です。
種類も豊富なため一概に「トスカーナワイン」という括りだけでは、範囲が広すぎて選択に迷ってしまうかもしれません。
ここではトスカーナワインの選び方や楽しみ方に至るまでご紹介いたします。
トスカーナのワインの選び方
まず、これぞトスカーナのワインというワインをお求めの場合は、主要ブドウ品種「サンジョヴェーゼ」を主体として作られた辛口赤ワインを選んでみるといいでしょう。「サンジョヴェーゼ」の特徴は、酸味とタンニンの苦味がしっかりと感じられる重厚感のある味わいです。
濃縮した味と香りやインパクトさを求めるのであれば、「サンジョヴェーゼ」の割合が多いもの(80%以上など)を選択するのがおすすめです。
それに対して、「爽やかさ」「みずみずしさ」「フレッシュさ」といった味わいがお好みの方は、「サンジョヴェーゼ」の割合が少ない赤ワインが良いでしょう。
特に「メルロー」が多くブレンドされている赤ワインは酸味やタンニンの渋みが少し抑えられ、飲みやすい印象です。
選ぶ際に気になる「キャンティ」と「キャンティ・クラッシコ」の違いについても、簡単にご説明します。
まず、どちらもD.O.C.Gであるため、規定を守った品種・配分で作られたワインである事に変わりはありません。
「キャンティ」と表記されているものはサンジョヴェーゼを最低75%使用しており、熟成期間が最低4か月以上(スペリオーレは7か月~、リゼルヴァは26か月~)のものです。
対して「キャンティ・クラッシコ」と表記されているものはサンジョヴェーゼを最低80%以上使用。熟成期間は11か月以上(リゼルヴァは24か月+瓶内3か月~)になっています。
「キャンティ」はその自由度の高さから価格や品質が幅広く、大量生産にも適し、独自のブレンド・個性的なワインが生み出されやすいという特徴があります。
中でもトスカーナの名門生産者「マレンキーニ」が造るキャンティは世界中で非常に人気が高く、無農薬のオーガニック製法にこだわった赤ワインです。
「キャンティ・クラッシコ」は「キャンティ」よりも規定が厳しく、伝統にこだわりを持った生産者の多い、国際的な評価の高い上質ワインとして知られています。
主要品種サンジョヴェーゼの持つポテンシャルを存分に活かしたワインをお求めであれば、「キャンティ・クラッシコ」から選べばイメージと相違しないでしょう。
一方で、あえて格付けの規定に捕らわれない自由な作りを活かした「スーパートスカーナ(スーパータスカン)」と呼ばれる、世界中のワインファンが熱狂するワインも有名です。
スーパートスカーナは「最高ランクのD.O.C.Gを上回る品質のものも多い」とされており、価格帯も幅広いですので、話題のワインを飲んでみたい方には非常におすすめできます。
また、赤ワインが有名なトスカーナではありますが、白ワインを選ぶ際には原産のブドウ品種「トレッビアーノ・トスカーノ」を使用した白ワインを選ばれてみると良いでしょう。
独特の香りとさっぱりとしたストレートな味わいが特徴的な、飲みやすい白ワインになっています。
トスカーナのワインの楽しみ方
トスカーナワインの多くに使われている「サンジョヴェーゼ」は酸味と渋みの主張が強いため、食材や味付けのインパクトが弱いと、お互いの良さが引き立ちません。そのため、おすすめの合わせは肉料理や濃厚な味付けのお料理です。全体的に酸味や脂がしっかりとしたお料理やイタリアンとの相性に秀でています。
トマトソース系のハンバーグやロールキャベツなど合わせても良いですし、イノシシ肉のワイン煮込みやトマトソース煮込みなどとも非常に合います。
ラザニアやボロネーゼのパスタなどもイタリア料理だけあって、トスカーナの赤ワインと合わせやすいでしょう。
このように、「トスカーナワイン」は濃いめの味付けの料理と合わせることでマリアージュをお楽しみいただけます。
ワイン単体では酸味と渋みが強いものも多いため、個人差はありますが、赤ワインを飲み慣れていないと多くの量を口にすることが難しいかもしれません。
特に「キャンティ・クラッシコ」は凝縮された重みがありますので、大ぶりのグラスで17度前後の温度にすると徐々に開いてくる香りをお楽しみいただけます。
長期熟成のものは軽くデキャンタする事で、より一層風味を感じられるでしょう。
また、上記の赤ワインが有名なトスカーナですが、白ワインも味や風味が比較的しっかりとしています。
トスカーナの白ワインは少々濃い味付けの料理にも負けない強さを持っているものが多いので、様々な料理に合わせる事ができます。
イタリア産の「生ハム、チーズ」との相性は素晴らしく、それらを使ったサラダなどと合わせてみるのもいいかもしれません。
メインのお料理であれば、「チキンの香草焼き」「ポークソテー」などにも合わせやすいでしょう。
イタリアの格付けワインの宝庫と呼ばれ、多彩なラインナップと幅広い価格帯を持つトスカーナワイン。
常備しておいて普段のお食事時に楽しむ「デイリーユースのワイン」としても大活躍すること間違いなしですね。
イタリアでトスカーナと並び称されるピエモンテのワインや、品種や気候などの特徴が似ているエミリア・ロマーニャ州西側のワインなどと飲み比べてみるのもおすすめです。
イタリア屈指のワイン産地・トスカーナならではの力強いワインをぜひ、この機会に試してみてはいかがでしょうか。
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- ボディ(コク)
12,210円 (税込)
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