フィドーラ
FIDORA
フィドーラは、イタリア・ヴェネト州にある、イタリア最古の自然派ワイナリーの一つです。
1974年から、昔の農法を体系的にまとめたビオディナミ農法へ転換し、ヴェネト州に限れば、州内で最古の自然派ワイナリーと言われています。
現当主のエミリオ・フィドーラ氏は4代目ですが、いたずらに規模を拡大せず、ワイナリーの熟練スタッフのみで管理できる範囲を守り続けています。
フィドーラの特徴は、単に畑で自然栽培を行うという近視的な視野ではなく、ブドウが根付く環境全体の循環を学び、理解し、実践するという強い志を持っている点です。
「大地をいたわり生物多様性を維持することが、健康なぶどうの生育、ひいてはおいしいワイン造りに繋がる」
こう考え、中世に修道僧たちが造ったビオディナミ(バイオダイナミクス)のスタイルを踏襲。
草地、生垣、雑木林、池など、畑ではない部分が所有(260ha)の4割(100ha)をも占め、地域全体の生態系を守っています。
ブドウ畑(160ha)ではウサギ、キツネ、アヒル、様々な渡り鳥達が集まる、楽園のような光景を目にすることができます。
1974年に、父グイドは一家の畑をすべてオーガニックへ切り替えることを決意しました。
当時、オーガニック栽培という言葉は広く認知されておらず、今日のようにマーケティングで使われる事も、ファッションで使われることもありませんでした。
農薬や殺虫剤といった化学的なものは、人類の正しい進歩と信じられており、収穫量を増やすことが第一義とされていた時代でした。
我々人類には1000年以上にわたって化学物質に依存していなかった経験があるにも関わらず、ほとんどの人は、ただ過去を忘れているように見えました。
化学薬品には、どこでも使える詳細なマニュアル、使用方法がついていますが、オーガニック栽培には、テキストも、リサーチ結果も、教師もありません。
その土地で得た経験のみが、唯一の道しるべとなります。
私たちも、誰から学ぶでもなく、試行錯誤とその経験から学び、オーガニック栽培の道を切り開いてきました。
しっかりと手間暇をかけ、通常のプロセッコを超えた品質を提供しようと努力を惜しみません。
通常のプロセッコならば2~3週間の発酵で、スピード重視でコストを下げるのが普通ですが、
フィドーラではなんとその2倍以上、8週間かけて発酵を行い、
グレラ種のもつ深い味わいを表現しようとします。
もう一つの看板ワイン、アマローネも長期熟成を身上とし、
複雑でボリュームのある味わい・香りの特徴を表現するよう時間をかけて作り上げます。
もはや、ワイン造りの一スタイルとして確立した「ビオディナ(ビオダイナミック農法)」誰もが飲みたがる、ドメーヌ・ルロワやフィリップ・パカレなどでも採用されている農法です。「ビオディナミ」とは農薬や化学肥料を使用しない農法ですが、一般的に無農薬といわれる農法とはかなり異なります。
そこでは、ビオディナミカレンダーと呼ばれるものにしたがい、畑を管理しています。それは、天候の予測や肥料のみではなく地球と月や太陽の位置関係のエネルギーを利用することで、ブドウの樹そのものの生命力を強めようとするものです。
もともと「テロワール」と呼ばれるその畑の個性を表現したワイン造りをするのが身上というワイン生産者たち。
農薬・化学肥料が一般化し、醸造技術も進歩する一方でそれは世界どこでも美味しいワインを作ることができる単調な世界になりつつあるともいえます。畑の持つ本来のポテンシャルを活かし、その畑でしかできない個性の表現されたワインを作る。
それこそがビオディナミの目指すところであり、自然派生産者たちの望む本来のブドウと作り手の関係であります。地球と月や太陽の位置関係のエネルギーを利用することで、ブドウの樹そのものの生命力を強めようとするものです。
ヴェニスの入り江そばのCivranettaという、自社畑のグレラ種を100%使用。土壌は、ヴェネトに特徴的な「caranto」です。このcarantoは、東アルプス山塊のドロミーティから流れ出たものが堆積してできており、石灰質を多く含む粘土質、様々なミネラルを含んでいます。この土壌と、プロセッコを生み出すグレラ種の愛称は非常によく、香り高い複雑な味わいのブドウに仕上がります。
また、海から吹く潮風の影響、寒暖差の影響から、ブドウは香り高く、甘みと酸味のメリハリの効いた凝縮した味わいに育ちます。
ブドウは収穫後酸化しないよう、素早くプレスします。一次発酵はステンレスタンクで行い、その後シャルマ製法で二次発酵を行います。
フィドーラのプロセッコの特徴は、二次発酵の期間の長さです。通常のシャルマ製法では、2~3週間程度で終わるところ、フィドーラではその倍以上、8週間という長い期間をかけて、発酵を行います。こうして、繊細な泡と、奥深い味わいを表現します。
フルーティーで生き生きした軽快なタイプ。プロセッコにしてはコクを感じる味わい。フルーツのコンポート、黄色いフルーツ、リンゴジャム、シュガー、余韻にややミネラル感が残る。辛口で泡立ちもしっかりしているタイプ。
サーヴするときは、6~8度、暑い日はキンキンにしっかり冷やして提供するのがお勧め。
フレッシュで溌溂した味わいは、食前酒としてとてもお勧め。あるいは、牡蠣やムール貝の前菜、シーフードのフリットなどとも良く合います。
ヴェニスの入り江そばのCivranettaという、自社畑のグレラ種を100%使用。土壌は、ヴェネトに特徴的な「caranto」です。このcarantoは、東アルプス山塊のドロミーティから流れ出たものが堆積してできており、石灰質を多く含む粘土質、様々なミネラルを含んでいます。
また、海から吹く潮風の影響、寒暖差の影響から、ブドウは香り高く、甘みと酸味のメリハリの効いた凝縮した味わいに育ちます。
この無濾過で微発泡のワインを造る技法は、実はこの地でははるか昔から伝わる伝統的な技法です。泡は人為的に作るのではなく、ボトルの中で、シャンパン製法のように自然に起こり、澱が生まれます。
こうして生まれたフリッツァンテは、泡のさわやかさと、シュールリーの白ワインのコクを併せ持ち、伝統的なヴェネトの料理とも非常に良い相性を見せます。
微発泡で、のど越しが心地よい、後味さっぱりで食事に合わせやすいタイプ。アプリコット、ライチ、カモミール、トロピカルフルーツのような香り。酸味は穏やか、フルーティーだが突出していない飲みやすさがある。
サーヴするときは、最初は6~8度で冷やして提供。ボトルの場合、その後徐々に温度を上げて10度前後にすれば、香りや味わいのボリュームが開き、スパークリングのような味わいから白ワインの味わいまで、重層的に楽しめます。アペリティフは冷やしめではじめ、前菜のイカやエビのフリットとともに。あるいは、少し温度を上げて鶏肉やアジアのスパイシーな料理と合わせるのもお勧めです。
ヴェニスの入り江そばのCivranettaという、自社畑のモスカート種を100%使用。土壌は、ヴェネトに特徴的な「caranto」です。このcarantoは、東アルプス山塊のドロミーティから流れ出たものが堆積してできており、石灰質を多く含む粘土質、様々なミネラルを含んでいます。
また、海から吹く潮風の影響、寒暖差の影響から、ブドウは香り高く、甘みと酸味のメリハリの効いた凝縮した味わいに育ちます。
モスカートと言えば、「香り高いブドウの王様」と言われるほど、華やかなアロマが特徴です。ヴェネト州では、はるか昔からこのブドウを大切に育ててきました。海産物の多いこの州の伝統料理ともぴったり合うからです。フィドーラのモスカートは、このブドウを完熟させますが、酸味と甘みのバランスに配慮して、最適なタイミングを見計らって収穫します。収穫後は、何よりもスピードを重視し、果汁を酸化させないようにします。一次発酵はステンレスタンク、二次発酵はシャルマ製法で行い、香りを逃がさないような製法を行います。
淡い麦わら色と細かい泡がきれいに立ち上がる。香りは、黄桃のコンポート、マスカットの甘いブドウの香り、かりんやアンズ、ライチやトロピカルフルーツのエキゾチックな香り。味わいは、香りと同じくフルーティーだが、後味はさっぱりとしており、すっと体になじむようなスムースな飲み心地。辛口だが甘いフルーツの香りが鼻から抜ける。細かい泡がきめ細かく、のど越しが気持ちのいいスパークリングワイン。
サーヴするときは6~8度と冷やすのがおすすめ。このモスカートは、生の魚介類と非常によく合います。(生魚と合う白ワインは思いのほか少ないです)生ガキはもちろん、刺身、寿司ともぴったりです。
また、鶏肉を使ったスパイシーなアジアの料理ともよく合います。
ヴェニスの入り江そばの自社畑のピノ・グリージョ種を100%使用。土壌は、ヴェネトに特徴的な「caranto」です。このcarantoは、東アルプス山塊のドロミーティから流れ出たものが堆積してできており、石灰質を多く含む粘土質、様々なミネラルを含んでいます。また、海から吹く潮風の影響、寒暖差の影響から、ブドウは香り高く、甘みと酸味のメリハリの効いた凝縮した味わいに育ちます。
ピノ・グリージョは、もともとフランスで栽培されていたブドウです。ブルゴーニュ地方のピノ・ノワール種の変異種として生まれたもので、ピンクの美しい果皮が特徴です。涼しい地域で美味しくなるタイプで、ヴェネトやお隣のフリウリで造られるようになると、イタリア国内やアメリカでたちまち人気が出て、今ではすっかりヴェネト州の人気品種となっています。バランスがよく、ややボリュームのあるタイプで、洋ナシや桃を思わせる華やかな果実味を感じますが、基本的にきりりと引き締まった、ミネラル感溢れる辛口の味わいに仕上げます。
淡い緑がかった麦わら色。柑橘系、緑のハーブ、グリーンノート、シトラス、爽やかで果実の濃縮感も感じる。ややコクのある果実味に爽やかなきりっと辛口、アフターに心地よい苦みと感じる、程よい果実味とミネラル感のあるきりっとしまった果実味で飲みごたえを感じる。
サーヴするときは少しだけ冷やした温度帯、10~12度あたりがおすすめ。アペリティフで楽しめるほか、魚介類を使ったメインや、リゾット、パスタと合わせて。また、山菜の天ぷらや白身のお寿司、ビネガーのきいたカルパッチョなどともよく合います。
ヴェニスの入り江そばの自社畑の、3種の白ブドウを使用。畑の土壌は、ヴェネトに特徴的な「caranto」です。このcarantoは、東アルプス山塊のドロミーティから流れ出たものが堆積してできており、石灰質を多く含む粘土質、様々なミネラルを含んでいます。
また、海から吹く潮風の影響、寒暖差の影響から、ブドウは香り高く、甘みと酸味のメリハリの効いた凝縮した味わいに育ちます。
収穫後、ブドウは酸化しないよう素早くプレスされ、ステンレスタンクで発酵されます。このワインのユニークな点は、3品種を一緒に発酵させるところです。8か月間、タンク内で澱と一緒に寝かせ(シュール・リー製法)、ワインにまろやかな味わい、コクを表現します。
色調は淡いレモンイエロー、レモンやライムなどのフレッシュな柑橘系の香りにシトラスのような爽やかな香り、また白桃や白い花といったフローラルな香りが鼻から心地良く抜けバランスよく広がります。味わいはミネラル感があり、フレッシュな果実味に穏やかな酸味を感じイタリアらしい陽気なワインで気軽に楽しむことができます。カルパッチョやマリネといった魚介はもちろんの事、和食の山菜の天ぷらや旬のおひたしなどお野菜類との相性がよく、白身のお寿司やお刺身などともバランス良く調和します。
混醸技法で造られるタイプで、角がなく、丸みのある味わいで、料理との相性が非常に良いのが特徴です。
ヴェネト州のやや奥地、ヴァルポリチェッラ・クラシカ、ヴェローナなど黒ブドウの自社畑から収穫されるブドウを使用。素晴らしい赤ワインを生み出すこの地域のテロワールに任せ、ブドウのポテンシャルを引き出すようなワイン造りがポリシー。
ブドウは発酵の後、フレンチオークの大樽(25ヘクトリットル)へ移し、最低でも1年間熟成させ、ワインの味わいにまとまりが得られるようにします。
外観は紫がかったルビー色。ラズベリーやブルーベリー、チェリーなどのフルーツの香りに、すみれの香りが心地よい。口に含むと、ブラックベリーやカシスの香りへと変わり、豊かに広がる。杉などのメントールの香りがほんのりと加わり、カカオやシナモンのような控えめなスパイスも香る。アタックはやや軽いが、フレッシュな酸が立つようなことは無いので、するするっと体へ入っていくような心地の良い飲み心地。
サラサラとしたタンニンが舌の上を転がり、味わいを締めてくれる。重すぎない口当たりが、「もうひと口」とついグラスを傾けてしまう。オーガニックワイン特有の鼻につくような香りは全くと言っていほど感じず、ワインそのものから醸造の際の手際の良さが伝わってくるよう。前菜ならローストビーフやモルタデッラ、コッパ。
ヴェネト州のやや奥地、ヴァルポリチェッラ・クラシカ、ヴェローナなど黒ブドウの自社畑から収穫されるブドウを使用。
リパッソは、干しブドウから造る偉大な赤ワイン「アマローネ」の生産者でなければ作れない赤ワインです。
アマローネを作る過程で出た搾りかすを残した樽にヴァルポリチェッラを20日間入れておき、残っていた糖分で二次発酵させ、アマローネのように濃厚な果実の風味、凝縮した味わいを作り出します。
その後、フレンチオーク樽にうつし24か月熟成させます。
アルコール度は14%と比較的高めになりますが、長い樽熟成でまろやかな味わいです。
濃い目のルビーからガーネット。香りは甘いナッツ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、チョコレートのような甘い香り、コーヒーのような香ばしさ、クローブ、シナモン、木の皮のような香り、酸は穏やかで果実味は中くらい、タンニンは滑らか、アフターに鼻から抜けるアロマがとてもエレガント。なめらかでスムースな口当たり、クリーンできれいな味わい、コクのあるお肉ソースのミートソースやソーセージ、ジビエを使ったシチューなど、お料理もコクのある煮込み料理などと合う。
飲む1時間前にコルクを抜き空気に触れさせるのがお勧めです。温度はやや高め、18~20度で。牛肉や子羊など赤身の肉をグリルやステーキなどシンプルに調理した料理がよく合います。また、ハーブやスパイスを使ったローストチキンもお勧め料理です。
ヴェネト州のやや奥地、ヴァルポリチェッラ・クラシカ、ヴェローナなど黒ブドウの自社畑から収穫されるブドウを使用。アマローネは、はるか昔ローマ帝国時代から続く伝統的な製法「アパッシメント(appassimento)」で生み出される、信じられないほどの手間をかけて造られる極上の1本です。ブドウは収穫後3~4カ月間、風通しの良い場所で乾燥させます。
この過程で、ブドウはおよそ40~50%の水分を失い、果実の甘み、風味は凝縮されます。数カ月乾燥させたブドウは、専用の圧搾機でプレス、高いアルコール度にも耐性がある酵母で発酵させます。その後フレンチオーク樽と500Lの中樽を用いて42~50カ月間熟成させます。瓶詰後にも数年寝かせ、出荷されます。
香ばしい甘いナッツの香り、コーヒー、レーズン、ドライフルーツ、チョコレート、スパイスなど。
ぎゅっと詰まった果実味と香ばしいコーヒーやローストナッツ、滑らかな口当たりでタンニンが溶け込んでいますが、ワインとしてはとてもボディの厚い飲みごたえのあるワイン。
バニラのような甘い香りがエレガントにアフターに残る。ジビエなどの煮込み料理などこってりとしたコクのある料理と合う。
飲む2~3時間前にコルクを抜き空気に触れさせるのがお勧めです。温度はやや高め、18~20度で。牛肉や子羊など赤身の肉料理、イノシシやシカなど、ジビエ料理にもよく合います。
少し変わった組み合わせですが、干しブドウに由来する特徴的な味わいは、甘酸っぱい風味を持つ、中東やアジア料理とも素晴らしい相性を見せます。
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