DOMAINE PRIEURE ROCH
ドメーヌ・プリューレ・ロック
飲む人を虜にする、世界中に崇拝者を持つカルト的人気ドメーヌ
ドメーヌ・プリューレ・ロックは、1988年に設立された、比較的新しいドメーヌですが、その知名度、人気はすでに確固たるものになっています。
設立者は、あのブルゴーニュ最高峰DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティ)の共同経営者である、アンリ・フレデリック・ロック氏。同時にビオディナミ栽培でブルゴーニュをけん引するマダム・ルロワ女史の甥でもあります。
彼はもともとワイン造りとは接点のない仕事をしていましたが、ヴォーヌ・ロマネの、ある畑に足を踏み入れたとき、まるで啓示を受けたかのようにワイン造りに目覚めた、と語っています。(その畑クロ・ゴワイヨットは、現在彼のモノポールとなっています)
自然栽培だけでなく、醸造から瓶詰に至るまで、独自の哲学を貫くプリューレ・ロックのワインは、色合いは淡く、無濾過のため濁り、他のワインとは似ても似つかない独特の味わいがあります。
輝かしい経歴からブランドワインのように感じてしまいがちですが、実際にはこの特異な味わいから、信奉者ともいえるコアな顧客が世界中に存在します。
生産量も少ないため、いまや世界で奪い合いの様相を示す、カルト的人気のドメーヌなのです。
プリューレ・ロックのワイン造り
基本的にビオディナミに基づいた栽培ですが、彼は独自に古文書を紐解き、700年以上前のシトー派修道士が行っていたブドウ栽培、醸造方法を取り入れています。
「地中の微生物を活性化させ、地下、地上、さらには宇宙の摂理と調和を目指す」
という方向性は、現代では一見奇異に映るかもしれませんが、中世ヨーロッパにおいては、宗教界においても、知識人の間でも広く一般的な考え方でした。
科学的な根拠や理屈を超えた事実、例えば、現在のような土壌測定機器もない時代、見事にブルゴーニュの特級、一級の畑を選別していき、今日のブルゴーニュの礎を築いたのがシトー派の修道士たちは、いわば科学を超えた摂理に因ってそれを発見した一例です。
彼らの技法を取り入れることで、ブルゴーニュのテロワールに迫ろうとしているのかもしれません。
以前「グラン・オルディネール」という名前で、複数品種をブレンドしたワインを造っていましたが、2012年よりこのレンジのワインは「ヴァン・ド・ターブル」というシリーズに変更となりました。
ブドウの平均樹齢は30年のシャルドネを全房発酵で作ります。全房を使うことで、ワインにミネラル感、生き生きとしたエネルギーを表現することを目的としています。
最初の生産年である2012年はたった1500本でした。その翌年2013年は生産されておらず、続くヴィンテージが2014年になります。