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エマニュエル・ルジェについて語る上で絶対に外せないのは、やはり「アンリ・ジャイエ氏」の存在でしょう。
アンリ・ジャイエ氏は“ブルゴーニュの神様”と呼ばれる、ワイン愛好家なら誰もが知っているであろう伝説の醸造家です。
「彼の造るワインは宝石のようだ」「まるで魔法がかかっているみたい」
このようにまで称賛されるほどの品質と、味わいを持つワインを生み出しました。

アンリ・ジャイエはワイン造りにおいて、いたって特別な製法は行っておりません。
彼が重視していたことはシンプルに、”ブルゴーニュワインの良さを引き出すこと”です。
そのために、ブドウ畑での仕事を大切にし、品質向上のためにブドウの収穫量を制限。化学肥料の使用は最低限にした有機栽培を行います。
さらに、一房ずつ丁寧に選別し、低温浸漬(果皮や種を果汁に漬け込むこと)や、ノンフィルター(濾過をしないこと)製法など昔ながらの醸造を大事にし、当時周りが行っていない製法にこだわり続けました。

アンリ・ジャイエがワイン造りを行っていた時代はこのような製法は異端でしたが、次第に評論家などから評価されるようになります。
そしてこの製法により、「質よりも量」が重視され、大量生産されていたピノ・ノワールワインの品質低下を食い止め、ブドウ本来の味わいを実現することに成功したのです。
彼が考え出したこの醸造法が、今ではブルゴーニュの一般的なワイン製法となっています。アンリ・ジャイエが現在のブルゴーニュワインの形を作り上げた存在であることは間違いありません。
こうして、彼の功績とワイン造りは世界中に衝撃を与え、”ブルゴーニュの神様”と謳われる存在となったのです。

また、アンリ・ジャイエ氏は現役時代から、次世代の若き醸造家の育成に力を注いでいました。
それは一線を退いてからも変わらず、才能溢れる多くの醸造家を世に送り出しています。
そして、エマニュエル・ルジェ氏こそ、アンリ・ジャイエ氏の意志を引き継いだ醸造家の一人です。

アンリ・ジャイエ氏の甥であるエマニエル・ルジェ氏は、1979年からワイン造りを直接学びました。
当時アンリ・ジャイエ氏は数多くの若手醸造家を指導していましたが、その中でもエマニュエル・ルジェ氏が最も多くの時間を共にしたと言われています。
そして、1985年にファーストヴィンテージをリリースし、その時点から徐々に所有していたブドウ畑を引き継いでいきました。

そのブドウ畑の一つが、「クロ・パラン・トゥー」です。
ブルゴーニュ地方では畑ごとにランク分けしており、特級をグラン・クリュ、第1級をプルミエ・クリュというように区別されています。
わずか1haのクロ・パラン・トゥーは、その中で第1級に格付けされている伝説的なブドウ畑です。
アンリ・ジャイエが所有していた特級リシュブールの北部に面する、北東向きの斜面に位置しています。
今でこそ立派なクロ・パラン・トゥーですが、かつては二度の大戦の影響で荒れ果て、栽培が難しく、長い間放置されていました。
しかし、アンリ・ジャイエ氏はクロ・パラン・トゥーが優れたテロワールを持つことを見抜き、この畑を買い取ります。そして健全で上質なブドウが育つように、彼自身が理想とするブドウ畑へと１から再構築させたのです。
このクロ・パラン・トゥーは、現在エマニュエル・ルジェ氏が0.28ha、もう一人の愛弟子メオ・カミュゼ氏が0.72haを分割し所有し、今でも高評価を受けています。

ワイン生産者「エマニュエル・ルジェ」の特徴の一つとして、アンリ・ジャイエ氏の哲学を徹底的に受け継いだブドウ栽培を行っている点が挙げられるでしょう。

・畑への敬意を忘れないこと
・できる限り自然な方法でブドウを育てること
・適切な収穫の時期を見極めること
・収穫量を厳しく抑制すること

これらの哲学を根底とした、ブドウ本来の良さを最大限に活かす栽培が行われています。
師の教えを尊重した正しいワイン造りによって、芸術とも言える最高の仕上がりを実現しているのです。

エマニエル・ルジェのワインに使用されているブドウ品種は、「ピノ・ノワール」です。
こちらでは、ピノ・ノワールの特徴をご説明いたします。

ピノ・ノワール

ピノ・ノワールは赤ワイン用の品種であり、世界中で栽培されているブドウです。
ドイツでは「シュペートブルグンダー」、イタリアでは「ピノ・ネロ」という名で知られています。
原産地はフランスのブルゴーニュ地方。4世紀頃には栽培が行われていた記録が残っているといわれるほど歴史のあるブドウ品種です。

ピノ・ノワールは中くらいの果実で果皮が薄く、明るめの色味のワインに仕上がります。
ブドウ自体のポテンシャルは高いのですが、果皮が薄いことから病害に弱く、栽培が難しい品種です。
華やかで魅力的な香りと、繊細でエレガントな味わいが特徴。また、タンニンが少ないため軽やかな口当たりで、赤ワイン初心者の方でも飲みやすい味わいとなっています。

そして原産地であるブルゴーニュ地方で造られる高級赤ワインは、ほとんどがピノ・ノワール100％です。
実際にエマニュエル・ルジェでも”ピノ・ノワール100％”のワインが造られています。
栽培した上質なピノ・ノワールは全て手摘みで収穫し、100％除梗。その後5日～7日かけて低温浸漬をして、アロマとブドウのエッセンスを抽出します。
アルコール醗酵は、自然酵母を使用したコンクリートタンクで15日～20日間行われ、醗酵後は約18か月の樽熟成を経て、ノンフィルターで瓶詰めを行います。

こうして造られるエマニエル・ルジェのワインは色合いが濃く、味わいはエレガントで軽やかな印象です。
そして、時間が経過するごとに果実味と複雑さが増し、より深い味わいに変化します。
エマニュエル・ルジェのワインの繊細な味わいとエレガントさは、厳選された高品質なピノ・ノワールと丁寧な製法によってもたらされているということがわかるでしょう。

ここからは、エマニュエル・ルジェのワインを通販で購入する際の選び方のポイント、楽しみ方をご紹介いたします。
ご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びください。

エマニュエル・ルジェのワインの選び方

まずは当店で取り扱いのあるエマニュエル・ルジェのワイン、「ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・パラントゥー」についてご紹介しましょう。
「ヴォーヌ・ロマネ」とは、「神に愛された村」とも称されるほど完璧なテロワールを持ち、世界中のワインファンを魅了するワイン生産地です。８つものグラン・クリュ（特級畑）を有し、その中にはあの世界で最も高価なワインで知られる「ロマネ・コンティ」があります。

そんなヴォーヌ・ロマネ村にある、プルミエ・クリュ（第1級畑）のクロ・パラントゥーから造られたワインが、この「ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ クロ・パラントゥー」。
プルミエ・クリュではありますが、実質的にはグラン・クリュで造られるワインと同等の扱いを受けるほど、最高品質の赤ワインです。

濃く色付いたルビー色で、ほどよい酸味とフルーティで厚みのある果実味。ブラックベリーや、ラズベリー、スパイス、薔薇やスミレなど、複雑ながらもバランス良く、大地を連想させる香り。
滑らかなタンニンでエレガントな余韻を見せてくれる、素晴らしいワインです。
ヴィンテージによって味わいの特徴は多少異なりますが、ワインショップソムリエでは厳選したヴィンテージのみを仕入れておりますので、どの年代のものをお選びいただいてもきっとご満足いただけるでしょう。

エマニュエル・ルジェのワインは、かの有名なワイン評論家ロバート・パーカー氏からも高い評価を得ています。
「甘いアロマと色合いが素晴らしく、力強さと上品さを兼ね備えた豊かなワイン。
ブルゴーニュの中でも特に優れたピノ・ノワールが表現されており、素晴らしい醸造家の一人である」
ワイン業界で最も影響力があるとされる氏から絶賛されるほどの実力がありますので、その品質に間違いはありません。
最高品質のピノ・ノワールを試してみたい方や、ブルゴーニュの高級ワインを探されている方におすすめの逸品です。

また、エマニュエル・ルジェ氏の師であるアンリ・ジャイエのワインは伝説級であり価格が高騰しています。
なんと1本あたり数百万円にもなっており、あまりお目にかかることができないほど希少であるのが現状です。
そこで、もう一人の後継者であるメオ・カミュゼ氏のワインに目を付けて、どちらが良いか迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
メオ・カミュゼもアンリ・ジャイエのスタイルを引き継いだワイン造りを行っており、赤ワインはエマニュエル・ルジェと同じくピノ・ノワール100％の生産者です。
メオ・カミュゼは深みのある風味と濃縮感のある力強い味わいが特徴ですが、対してエマニュエル・ルジェはエレガントで軽やかな印象が感じられるでしょう。
同じ師の下で学び同じブドウ品種が使用されているにもかかわらず、味わいには多少の違いを感じられます。

エマニュエル・ルジェは大変評価が高く、現在では入手困難な希少ワインです。
ワインショップソムリエでも貴重な入荷となっていますので、入荷している際はお早めに購入されることをおすすめいたします。

エマニュエル・ルジェのワインの楽しみ方

エマニュエル・ルジェは約18か月の熟成を経ているため、購入後すぐに開栓していただいても充分にお楽しみいただけます。
また、熟成することによって複雑さが増し果実味と風味に深みが出ますので、お好みの味わいになるまで寝かせておくのも良いでしょう。

食事と一緒に楽しむ場合は、牛の赤身肉やラム肉との相性が良いです。
エマニュエル・ルジェの軽やかで上品な味わいは、ローストビーフやラム肉のステーキなどと合わせていただくことで、素材本来の味わいを深く感じられます。
また、特徴の一つでもある豊かな果実味は、ガトーショコラなどのデザートにも合いますので、是非食後のデザートと一緒にお楽しみください。

そして、エマニュエル・ルジェのワインで使用されるピノ・ノワールは単一品種で造られるということもあり、畑によって全く異なる味わいになることも特徴の一つです。
同じブルゴーニュ地方にある畑であっても、少し距離が離れているだけで味わいに違いがでます。
そのため、ブルゴーニュ地方で造られた他の高級ワインと飲み比べて、味わいの違いを楽しむというのも面白いでしょう。
または、ブルゴーニュ以外で飲み比べるのであれば、ボルドーの5代シャトーなどの格式高い赤ワインが候補になりそうです。

エマニュエル・ルジェは世界で高い評価を受けており、大変人気で希少なワインとなっておりますので、大切な方への特別な贈り物にも最適でしょう。
確かな品質と芸術とも言われる味わいに、きっと喜んでいただけるはずです。

伝説の生産者と称されるアンリ・ジャイエのスタイルを引き継ぐ「エマニュエル・ルジェ」。
ブルゴーニュでも入手困難となっているトップ・ドメーヌが生み出すワインを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。