シルヴァン・デュボー
SYLVAIN DEBORD
「私を先生と呼んでくれる、
ブルゴーニュの次世代の
栽培家・醸造家とともに
小さな小屋の中で、
この世界の変化に合わせながら、
私たちも変化を続けていく。
彼らは紛れもなく友人であり
家族のようなものです。
この変化する共同体こそが、
メゾン・シルヴァン・デュボーなのです。
私たちの造るブルゴーニュ
38のアペラシオン、12を超える
特級畑すべてにこの考えが生きています。」
シルヴァン・デュボーの経歴
- || ブルゴーニュ生まれ、ブルゴーニュ育ち
-
|| 1991年、フランスワイン学校の中で最も歴史があるボーヌ高等醸造学校に学ぶ
2006年から共に仕事をしているNicolas Potelを含む多くの才能あるワイン生産者と出会う - || 1994-2007年、ブルゴーニュ大学ジュール・ギュイヨ研究所技師
国家資格である、国家認定醸造士の認定機関を擁するブルゴーニュ大学で、研究員勤務を経て教授として14年間勤務。 主にブドウ栽培の研究に従事し地球環境変化に応じたブドウ栽培、永続的なブドウ栽培の可能性を研究。 マルサネ・ラ・コートにある研究センターの責任者としてブドウ畑の管理、醸造、ブドウ樹とワインに対する各種実験のモニタリング、ワインのマーケティングに関し実践的な研究を行う。 - || 2007年、ニコラ・ポテルが新たに設立したDomaine de Belleneに参画
次世代を担う多くの若手生産者の師
シルヴァン・デュボー
ブルゴーニュの地に生まれ育ったシルヴァン・デュボーは、生粋のブルギニョンとしてその名を刻んできました。ワインの名産地であるこの地で培われた彼の情熱は、時を経るごとに深化し、1991年にはボーヌ高等醸造学校に進学。ここで彼は、二コラ・ポテルを含む多くの才能あるワイン生産者たちと出会い、友好を深めました。
次に進んだのは、1994年のブルゴーニュ大学IUVV-Jules Guyot。ここでは、ワイン学の巨匠たちの足跡をたどり、ワイン醸造の深淵を学びました。彼の研究は、単なる理論にとどまらず、2000年代半ばまでに、自然防御機能やレスベラトロールなどの健康成分に関する実践的な研究に貢献し、その成果をブルゴーニュ大学のブドウ栽培実験センターの運営にも生かしました。 2007年、シルヴァンは新たな挑戦に乗り出します。ニコラ・ポテルが設立したドメーヌへの参画です。
彼の目標は、従来のワイン醸造の枠を超え、環境と消費者に配慮した持続可能な手法を導入し、品質の高みを追求することでした。土壌の潜在能力を引き出すため、暗所での赤ワインの発酵や重力を利用したワインの移動といった革新的な手法を採用。これにより、ワイン本来の個性を保ちながらも、より自然で純粋な味わいを追求するアプローチを確立していきます。
“私の哲学は、畑での多くの仕事と、
ワイン醸造と熟成における
最小限の介入に強くこだわること。
これは、
単なる御題目のように見えますが、
新しいヴィンテージの度に
毎年この挑戦が続いています。”
シルヴァンにとって、ワイン造りは終わりのない旅であり、畑での仕事の積み重ねが、その一杯に反映されるのです。 さらなる未来を見据える彼の関心は、ブルゴーニュの気候変動への適応に向かっています。干ばつに強い品種の研究や、気温の上昇と湿度の変化に対応するための新しい栽培技術の模索。これらの取り組みを実現するための、彼の新たなプロジェクトしてこの小規模ネゴシアン、シルヴァン・デュボーの立ち上げを決心しました。それは、ワイン造りを進化させると同時に、次世代への架け橋となるでしょう。
シルヴァン・デュボーの人生は、ブルゴーニュの大地と共にあり、ワイン造りへの情熱は決して衰えることがありません。彼の挑戦は、まだまだ続いていくのです。
研究者としてのキャリアや、二コラ・ポテルとのプロジェクトを進める過程で、彼は多くのブルゴーニュの未来を担う若き生産者と出会いました。 彼らの中には、自身の親や祖父などから畑やドメーヌを引継ぎ、ワイン造りを行っていましたが、伝統的な技法は継承していても、時代に沿った自然派的なアプローチへの変更へのアドバイスを受けれる相手がおらず困っている生産者もいました。 シルヴァン氏はそうした生産者へ彼のキャリアや経験を活かしたコンサルタントを始め、多くの若き生産者たちに頼りにされる存在となりました。
このコンサルタント活動を進めるなかで、シルヴァンは
これからのブルゴーニュワインの発展に同じ志を持つ多くの生産者と共に、キャリアの集大成として自身のメゾンを立ち上げようと決意します。
彼は、彼自身のメゾン、そしてブドウを提供してくれる協力栽培家に必ずしも自然派の「認証」の取得を求めていません。
これは、現在の認証の枠組みでは、本質的な「環境と共存したブドウ栽培」を実現できないと考えるからです。
例えば、一部の認証制度では殺菌剤として使用を許可されている「ボルドー液」は、銅を含むため使用すると土壌に影響が出ます。同様に使用を認められる殺虫効果を持つ物質も、害虫だけではなく益虫までをも殺してしまう可能性があります。
このような環境へも生産者へも負担をかけずに、一定の収量を確保できる手法を第一選択肢とした場合、
「認証」という枠組みはあくまでも目安であり、絶対ではないとシルヴァンは考えています。
ワインへのこだわりはボトルのディテールにも現れています。シルヴァン・デュボーのワインには極力、蝋封が用いられており、最終的には全てのキュヴェを蝋封へ置き換えようと計画しています。
これは、金属のキャップシールという自然に還らない素材の使用を減らし、環境への負荷を低減させようという試みです。
バランスを重んじる、
テロワール重視のワイン
シルヴァン・デュボーが手がけるワインは、ブルゴーニュ全域をカバーしつつも、その種類は厳選されています。シャブリから始まり、コート・ドールを中心とし、コート・シャロネーズ、マコンなど、ブルゴーニュの主要な地域を巡るようにラインナップが組まれています。それぞれの地域で培われた風土の特徴を取り入れながら、バランスを重視したワインを提供する姿勢は、シルヴァンのワイン造りに対する深いこだわりを感じさせます。
ブルゴーニュを代表する品種、シャルドネ、ピノ・ノワールをメインに、多様なテロワールを表現し、地域ごとの個性をワインに反映しています。それぞれのワインには、品種の持つ特性が最大限に引き出され、ブルゴーニュの土壌と気候の豊かさが映し出されています。こうした選択は、シルヴァンの確かな目と経験に裏打ちされ、各地域のバランスを考慮した結果です。
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