マルゴーのワインの特徴と通販での選び方
世界中のワイン愛好家が愛するワイン産地、ボルドー地方。そんなボルドー地方にあるワイン銘醸地のひとつが「マルゴー」です。
ここでは、マルゴー産のワインの特徴や歴史について解説していきます。
マルゴー自体は村の名前ですが、ボルドー地方の原産地呼称「AOCマルゴー」として有名です。
AOCとは、その地域特有のブドウ品種、栽培方法、醸造スタイル、地名表示を守るためにある法のことで、「原産地呼称制度」とも呼ばれています。
そして原産地呼称としての「マルゴー」を名乗れるワインは、なんと「赤ワインのみ」なのです。
同じ地域で作られていても「ソーヴィニヨン・ブラン」などの白ブドウ品種から造られるワインの場合は「AOCボルドー」という広域の原産地呼称になります。
つまり簡潔に言うならば、「マルゴー」はAOCが制定されるほどの優れた黒ブドウが育ち、最高品質の赤ワインが生まれる、赤ワインの銘醸地だということです。
ちなみに、マルゴー村のほかに「カントナック、スーサン、アルザック、ラバルト」という周辺の村でも、規定に沿って造られる赤ワインは「AOCマルゴー」と名乗ることができます。
「AOCマルゴー」といっても、厳密にはマルゴー村で造られた赤ワインだけではないということですね。
さて、そんなマルゴー村のあるボルドーのメドック地区ですが、素晴らしいワイン産地が数多くある世界有数の銘醸地となっています。
「マルゴー」のほかにも「サン・テステーフ」「ポイヤック」「サン・ジュリアン」といった原産地呼称の村が有名です。
そしてそのメドック地区の中でも最大規模を誇り、もっとも上流に位置しているのが「マルゴー」なのです。
マルゴーの土壌は、「石灰質土壌、粘土質土壌、砂利や泥土が広がる特殊な土壌組成」と、さまざまな土壌から成っており、「厚い砂利の層」が他とは異なる大きな特徴です。
これらの土壌によりブドウの根がしっかりと地中奥深くにまで根を伸ばすことから、マルゴーは「メドック地区の中でもっとも繊細でエレガントな風味のワインを生み出す」とされています。
その証拠に、マルゴーを代表する「シャトー・マルゴー」は、ほかのメドック格付け1級シャトーと比べても特に緻密で繊細であることから、「ボルドーの女王」と称されているほどです。
また、マルゴーでは前述した「シャトー・マルゴー」以外にも、2級から5級までの20シャトー(生産者)が格付けに選ばれています。
マルゴーのワイン全般に共通する特徴としては、「カシス、ブラックチェリー」そして「ほのかに樽を感じさせるエレガントでふくよかな香り」などが挙げられるでしょう。
さらに、渋みも強過ぎず丸みのある完成された味わいを持っていることから、マルゴーワインは世界屈指の素晴らしいワインとして高く評価され続けています。
ここでは、マルゴーのワインに使われている代表的な上記2つのブドウ品種をご紹介いたします。
カベルネ・ソーヴィニヨン
マルゴーのワインはもちろん、ボルドーワインにとっても最重要である黒ブドウ品種が「カベルネ・ソーヴィニヨン」です。「カベルネ・ソーヴィニヨン」は世界的に広く栽培されている品種ですが、ボルドー原産であることから、この土地のテロワール(土壌や気候など栽培地域の特徴)が理想的とされています。
特に、マルゴーはガロンヌ川が運ぶ沖積土の土壌によって肥沃なため、前述したようにブドウ樹の根が地中奥深くまで伸びます。
「カベルネ・ソーヴィニヨン」は渋みの多いブドウ品種として知られていますが、マルゴーのカベルネ・ソーヴィニヨンは、やや繊細さを感じる口当たりで、長期熟成を経てシルクやベルベットのようなニュアンスへと変化していくのが特徴です。
マルゴーでは、このカベルネ・ソーヴィニヨンが主役として使われています。
メルロー
ボルドーの主要品種である「カベルネ・ソーヴィニヨン」と双璧をなすのが、「メルロー」です。マルゴーが位置する「メドック地区」では「カベルネ・ソーヴィニヨン」の補助的な役割を担う存在となっています。
しかし、同じメドック地区の中でもマルゴーは「メルローの比率が高い」ことで知られており、より柔らかくて丸みのある味わいのワインに仕上げられるのが特徴です。
メルローは粘土質土壌を好む品種ですが、マルゴーの土壌は粘土質と石灰質のバランスの良い土壌組成であるため、品質の高いメルローを収穫することができます。
そのため、マルゴーでは「カベルネ・ソーヴィニヨン」主体でありながらも、メルローの比率が比較的高く、メドック地区のほかの産地に比べてまろやかでふくよかな味わいのワインが造られているのです。
もちろんシャトーによってブレンド比率は変わるため、全ての味わいを一括りにすることは出来ません。
ですがマルゴーのワインは全体的に「カベルネ・ソーヴィニヨン」と「メルロー」がバランス良くブレンドされた、繊細かつまろやかなワインが印象的でしょう。
マルゴーのワインの選び方
マルゴーのワインを選ぶ際ですが、AOCマルゴーのワインであれば品質は担保されていますので、どれを購入したとしても美味しく飲めることでしょう。ですが、もし何を基準に選んでいいか分からないという場合は、格付けを参考に選んでみても良いと思います。
マルゴーは、メドック地区の格付けシャトーが20以上も存在する銘醸地であり、格付けシャトーは素晴らしい品質・味わいのワインがそろっています。
5級から1級まで全ての階級にマルゴーのワインが存在していますので、ご予算に応じたワインを選んでみるといいでしょう。
中には格付けに見合わないと言われるシャトーもありますので過信は禁物ですが、当ショップに取り揃えているワインであれば安心してお選びいただけます。
また、ボルドーワインを飲み慣れている方であれば、ほかのメドック地区のワインと比較してお選びになるのも面白いでしょう。
例えば、「サン・ジュリアン」はメドック地区でも有名なAOCで、「力強く骨太な赤ワイン」を生産することで知られています。
それに対してマルゴーのワインは「繊細で穏やかな赤ワイン」が多くみられ、比較的エレガントな印象です。
さらに、ブドウの収穫年である、「ヴィンテージ」で選ぶという方法もあります。
日照量が多く、高い品質のブドウが収穫された当たり年のマルゴーのワインを購入したり、収穫年の違いで飲み比べてみたりしてもいいでしょう。
特に「シャトー・マルゴー」の場合は、2009年、2010年、2015年が最高の当たり年とされています。
マルゴーのワインの楽しみ方
マルゴーのワインは、お食事と合わせたり、ワイン単体で飲んでみたりなど、さまざまな飲み方で楽しむことができます。メドック地区の中でも比較的「繊細な味わい」を特徴としているワインですので、下記のようなお料理との相性が良好でしょう。
・果実のソースをかけた赤身の旨味がしっかりと感じられるローストビーフ
・ハーブなどを用いた牛肉の煮込み料理
・脂身の少ない赤身が主体のステーキ
また、チーズとの相性も抜群です。
軽く繊細なナチュラルチーズよりは、味わいに個性のあるブルーチーズ系と良く合うのでぜひお試しになってみてください。
肉料理としては「ビーフシチュー、煮込みハンバーグ、牛タンシチュー」など、デミグラスソースを利用したお料理と相性が良いでしょう。
もちろん、そのほかの肉料理を使用した洋食全般と合わせるシチュエーションもおすすめです。
マルゴーのワインは繊細でエレガントではありますが、基本的には「カベルネ・ソーヴィニヨン」主体のボルドーブレンドで造られるワインです。
「ピノ・ノワール」のブドウのみで造ったライトからミディアムボディのブルゴーニュの赤ワインに比べると、ボリューム感があるどっしりとした印象の味わいを持っています。
そのため、お料理に合わせるのも良いですが、マルゴーの高級ワインは単体で楽しむのも非常におすすめできます。
お気に入りの映画、本、音楽を楽しみながら、一人の時間をたっぷり贅沢に使うひとときに。
または食後に大切な方やご友人とゆったりと語り合う時に用意すれば、素敵な空間と至福な時間を過ごせることでしょう。
そのほか、上品なパーティに持参したり、格付けシャトーなどの高級なマルゴーはプレゼントとしても非常に喜ばれること間違いなしです。
マルゴーの格付けワイン同士を飲み比べて、ブレンドによるタンニンや果実味の違いを実感してみるのも楽しみ方の一つでしょう。
特に、ボルドーの女王「シャトー・マルゴー」は五大シャトーの中でも突出して多くのエピソードを持っており、ワイン通なら一度は飲みたい逸品としても知られています。
ぜひ、この機会にマルゴーのワインを楽しまれてみてはいかがでしょうか。
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