シャトー・ダリコー
CHATEAU D'ARRICAUD
グラーヴの中心部にあるシャトー・ダリコーの起源は非常に古く、200年以上前に伯爵であるヨアヒム・デ・チャルップ氏がシャトーをつくり、現在にいたります。
彼は、1772年に銃士に入隊し活躍を続け、その後、1783年にボルドー議会の議長の顧問にまで上り詰めましたが、その後のフランス革命の恐怖政治により、キャデラックの刑務所に投獄されてしまいました。
この時期は、司法手続きが大きく簡略化され、正統な裁判なしでの死刑や獄中死も多く、それらをふくめると犠牲者は4万人を超えているとされています。
1794年に恐怖政治が終わりを告げ、彼はかねてより考えていた葡萄の栽培を始めるために、グラーヴに土地を買いました。シャトー・ダリコーの誕生です。
ファミリーは、この地でワイン造りを続け、今は三代目に当たります。
200年以上続くこのシャトーで、三代目のイザベル・ラヴァルテはこう言います。
「偉大なワインを造るためには、たくさんの時間と労力を費やす必要があります。それは簡単ではなく、とても大変なことです。
ただ、私たちのワインを、世界中のワイン愛好家に楽しんでもらうことが私たちにとっての最大の喜びであり、私たち三代にとっての願いなのです。」
シャトー創設200年。彼らは、創設者の想いを受け継ぎ、情熱的にワイン造りを続けています。
ボルドーの南東、ガロンヌ川左岸に全長約50kmの地帯に広がるグラーヴ。
メドックの格付け1級の5大シャトーのうち、唯一このグラーヴから選ばれたのが、シャトー・オーブリオン。今でこそ、ボルドーの最高級は「メドック」と言われていますが、実は、メドック地区が有名になる18世紀以前は、グラーヴのワインが圧倒的に人気を博していました。
そのため「ボルドーワイン発祥の地」とも呼ばれています。
グラーヴのテロワールは、川に運ばれた砂利(グラヴィエ)、粘土、砂などが混ざった土壌です。日中の太陽の熱を小石が貯蔵し、夜に向け徐々に放熱することにより、ブドウの育成に良好な影響を与えると言われています。
シャトー・ダリコーでは、さらにこのテロワールの特徴を活かす栽培技術(土壌栽培、土壌養殖)を確立。出来る限り自然に近い状態の、ブドウにとって有益な微生物が育つ環境を造ります。
この環境こそが、シャトー・ダリコーのワインに、エレガンスと、豊かさ、そして
華やかなブーケをもたらします。
シャトー・ダリコー
プルーン、ブラックベリーなどの熟した果実、バニラ、スパイス、木々の香り。
スケールの大きさを感じるパワフルでいて複雑なテイスト、熟成により滑らかになったタンニンと、フルーティーなフィニッシュ。まさに今が飲みごろの熟成度合です。