CLOS D'UZA
クロ・ド・ユザ
カベルネ・ソーヴィニョン発祥の地の特別な畑
ワイン名のクロ・ド・ユザとは、グラーヴ地方にある特殊な区画の名称です。クロとは、かつて石垣で囲まれたブドウ畑の事で、ブルゴーニュの特級畑などによく見られるものですが、優れたテロワールを持つ区画を特別に扱ったものでした。
このクロ・ド・ユザは、古くからボルドーで認められている由緒ある畑で、最も古いものでは、1717年の文献にブドウ畑の記述がみられます。
クロ・ド・ユザの土壌は、更新世(地質時代の区分の一つで、約258万年前から約1万年前までの期間)の間に形成されました。氷河期と氷河期の間、高地の氷河が融けその水がガロンヌ川の流れとなり、ライムストーンと呼ばれる石灰質の段丘の上に川上から土砂・石を運びました。そして、川の流れで転がり丸くなった小石は、まるでカーペットを敷き重ねたかのように幾層にも堆積していきました。クロ・ド・ユザとは、自然の営みが生み出した唯一無二の土地なのです。
この小石・砂利質の土壌は、ブドウ栽培にとって魔法のような、信じられない恩恵を与えてくれます。まず、畑の水はけが非常に良くなります。そして、小石は日中の熱を蓄え、それを夜に放熱することで、ブドウの実が熟すプロセスに大きな働きをします。さらに、クロ・ド・ユザの付近にある川と松林が、気候の急激な変化を和らげ、自然に環境を調節する役割を果たしてくれます。この畑には、樹齢35年のカベルネ・ソーヴィニョン種だけが植えられています。
ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョン
偉大なテロワールを体現するブドウ品種として、フランスだけでなく世界中で栽培されているブドウ品種、カベルネ・ソーヴィニョン。
カベルネ・ソーヴィニョンがボルドーで生まれた、ということは多くの人が知るところです。しかし、ボルドーのグラーヴこそが、カベルネ・ソーヴィニョン発祥の地である、ということを知る人は、専門家でも多くありません。
カベルネ・ソーヴィニョン種の最も古い記録は1736年のもので、グラーヴ・ド・ボルドー(現在のグラーヴ地域)に植えられていた品種に関するアベ・ベレの記述が認められています。その後、グラーヴ・デュ・メドック(現在のメドック)へ移植され、多くの有名シャトーが積極的にこのブドウ品種の栽培を増やしていきました。
しかし、これまでボルドーにおいては、一部の格付シャトーを除き、カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高いプレミアムワインは存在しませんでした。そして格付け1級シャトーでさえ、カベルネ・ソーヴィニョンの比率は100%ではありません。その理由は、ブドウ品種の栽培上の特性と、ボルドーという土地のテロワールにあります。
一般的にカベルネ・ソーヴィニョンは左岸の砂利質土壌に適していると言われ、メルロ種は右岸の粘土質土壌が適していると言われています。しかし、左岸であってもすべてが砂利質なわけではなく、実際には粘土質、砂利質、砂質の土壌がモザイク上に入り混じっています。各シャトーが、その土壌に適したブドウ品種を植えようとすると、必然的に複数の品種が入り混じってしまうのです。結果として、アッサンブラージュ(ブレンド)の技術が発達するわけですが、そのためブルゴーニュと異なり、単一品種ワインはほとんど造られることがありませんでした。
クロ・ド・ユザを造る人々
「クロ・ド・ユザ」は、グラーヴ地方で代々ワイン造りを行うギニャール家の3人の兄弟によって運営されています。3人はいずれもカベルネ・ソーヴィニョン種の崇拝者と言ってよいほどこの品種を愛し、優れたワインを造ることに情熱を燃やしています。
クロ・ド・ユザを造る上で彼らが最も大切にしたことは、カベルネ・ソーヴィニョンの原点と言える地で、この品種の象徴となるような唯一無二のワインを生み出したい、という情熱でした。単一区画、単一品種の個性的なワインを生み出すというコンセプトに共感し、このプロジェクトに参画しているのは、ギニャール家と旧知の仲であるジャン・リュック・テュヌヴァン氏でした。
ジャン・リュック・テュヌヴァン
ジャン・リュック・テュヌヴァン氏は、ガレージワインの先駆けと言われる「シャトー・ヴァランドロー」の作り手として、ワイン業界では有名な人物です。右岸のサンテミリオンで、わずか0.6haの畑、まるでガレージの様な小さなスペースで生み出したヴァランドローは、初ヴィンテージの1991年以来、常に高い評価を得ており、2012年には、異例のスピードで第一特別級Bに昇格しました。
このテュヌヴァン氏の協力を得て、クロ・ド・ユザは醸造期間中に、週に2度、シャトー・ヴァランドローのセラー内で、ヴァランドローと共に、品質チェックを行います。チェックはヴァランドローの醸造チーム、つまりテュヌヴァン氏だけでなく、醸造コンサルタントのミシェル・ロランのラボのスタッフも参加しています。クロ・ド・ユザの畑を称賛し、積極的にワイン造り関わるテュヌヴァン氏は、その知識と経験を使い綿密な監修のもと、クロ・ド・ユザのクオリティを最大限発揮する事に尽力しています。
クロ・ド・ユザのワイン造り
・栽培面積:5ha
・栽培密度:6666本/ha(1.5メートル間隔で植樹)
ブドウ畑での作業は、全て手作業で行われています。
夏季剪定として、ブドウ果実に十分な栄養素をまわりやすくする為に、伸びすぎた部分を切り落とす「摘心」、重なった葉や果房への風通しをよくさせる「摘葉」を重点的に行います。収穫は手摘みで行い、果実を傷つけないよう小さな箱を使って運搬します。
醸造はボルドーの伝統的な方法で行いますが、最新式の設備を取り入れています。その中の一つが、Densimetric sorting table(密度選別テーブル)です。Density=密度、つまり熟度に基づいてブドウを選別するという手法で、この特別な機械を用いて、見た目の傷や腐敗だけでなく、一粒一粒の完熟度まで測り、選別することが可能です。
まず徐梗されたブドウの粒を、一定の濃度で処理された糖溶液の中を素早く移動させます。この時、熟した果実は底に沈みます。一方密度が低い=未熟なブドウは溶液の表面に浮遊し、小枝や葉とともに取り除かれます。最後に完熟した果実を浴槽から引き上げます。短時間の作業なので、果皮についた酵母やブドウの成分には影響は出ません。ブドウの品種や、必要な熟度に応じて濃度を調整することで、臨機応変に対応する事ができます。
熟成は、50%をフレンチオーク新樽、50%をコンクリ―トタンクで行います。コンクリートタンクの方には、そのピュアな味わいを失わないよう細心の注意を払い、酸化防止剤(SO2)は使用しません。熟成期間は22カ月です。
一般的なボルドーワインと異なる流通
クロ・ド・ユザは、他の多くのボルドー産プレステージワインと異なり、プリムールと呼ばれるシステムで販売されることはありません。そしてネゴシアンも介していません。少量生産であること、そのワイン管理においても厳密な方法を取るという方針の下、シャトーと取引先は直接取引を行っています。
初ヴィンテージは2018年と、リリース間もないワインでありながら、そのユニークなコンセプトと品質の高さで世界中のラグジュアリーホテルや、著名レストランの料理人・ソムリエの注目を集めており、既に多くの場所でクロ・ド・ユザのワインが提供されています。
偽造防止 セキュリティシステム
ワインの真正性の確認、偽造対策のために、Clos d‘Uzaのボトルにはセキュリティシステムが搭載されています。
ワインのキャップシールに貼られたシールのQRコードを読み取り、そのワインの真贋を確認することができます。また、以下の確認用サイト上にアクセスし、キャップシールのセキュリティコードとIDを入力して確認する事もできます。
https://closduza-qsh.bxwa.eu