シャトー・リューセックの特徴と通販での選び方
フランスのボルドー地方ソーテルヌ地区の中で、並外れた品質を誇る「シャトー・リューセック」。
世界で高い評価を受けているシャトー・リューセックとは、一体どんなワインなのか。
こちらでは、特徴や通販での選び方をご紹介いたします。
ソーテルヌ地区では最大規模とされるワイナリーの一つで、現在所有している畑の合計は92haです。
これだけの広さがあると普通は飛び地になりやすいのですが、リューセックの畑は全てまとまっています。
そのため、同時期に作業を進めることが可能になっているのです。
リューセックの畑の土壌は、石灰が混じった砂利質。
所有するブドウ畑の大部分は、ソーテルヌ最高峰のワイン生産者「シャトー・ディケム」に隣接しているなど、素晴らしいテロワールを備えていると言えるでしょう。
これらのブドウは成熟具合や貴腐菌(ボトリティス・シネレア)の繁殖状態を見つつ、9月から11月の間に6~8週間かけて継続的に収穫されています。
そんなリューセックは、世界でも最高クラスの「貴腐ワイン」を作るシャトーの一つです。
貴腐ワインとは、成熟したブドウに貴腐菌を付着させることで糖分を高め、それにより濃厚な甘みを持った貴腐ブドウを使用して造るワインのこと。
蜜のような甘さと芳醇な香りが特徴でもあり、高級ワインの位置づけとなっています。
また、リューセックは、ソーテルヌ格付け第1級シャトーとしても知られています。
ソーテルヌ格付けとは、1855年のパリ万博の際にソーテルヌの貴腐ワインを対象に制定された格付けの事で、「特級」「1級」「2級」合わせて27のシャトーが選ばれました。
ちなみに特級は、上述した「シャトー・ディケム」ただ一つです。
そしてリューセックは現在に至るまで、1級シャトーに相応しい厳しい品質基準を守り続けています。
特級のディケムに隣接する最高品質の畑を持ちながらも、基準に満たなかった場合は生産を断念するなど、厳格に品質にこだわっているのです。
最後に歴史ですが、リューセックの始まりは古く、18世紀頃にまで遡ります。
当初はカルメル修道会が所有していましたが、フランス革命中に没収され競売にかけられ、当時「シャトー ラ・ルヴィエール」を所有していたマレイヤック氏に購入されます。
さらには1855年の格付け後もオーナーが次々に変わり、「シャト-・カロン・セギュール」で有名なガストン一家や、アラン・ヴィリエール氏など、数々の手に渡ってきました。
そして1984年、ついに現所有者である、かの「シャトー・ラフィット」を所有するロートシルト家によって購入されます。
所有者が変わる中でも品質を落とさずに生産を続けてきたリューセックですが、ロートシルト家が購入してからは製法が改善され、さらに品質が向上しました。
上品な甘味の中に引き締まったフレッシュな酸を感じさせるリューセックの洗練された貴腐ワインは、現在でも世界中で人気を博しています。
ブドウの栽培比率は、主要品種であるセミヨンが92%、ソーヴィニヨン・ブランが6%、ミュスカデルが2%の構成になっています。
この3種類のブドウがどのような味わいをもたらしているのか。それぞれの特徴を詳しくご紹介いたします。
セミヨン
セミヨンは白ワイン用のブドウ品種であり、世界の栽培面積は約20000haです。原産地はリューセックの本拠地でもある、ボルドー地方のソーテルヌ地区。
ソーテルヌ地区では主要品種として使われ、濃厚な甘みが特徴である貴腐ワインに。
一方で、グラーヴ地区ではソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることが多く、爽やかでコクのある長期熟成型のワインが造られています。
ブドウ自体の特徴は、房と粒が大きめです。
生産性が高いため、あまり気候に左右されず安定した量を収穫できます。
そして、若いうちはあまり主張するタイプではなく、穏やかな香りと落ち着いた果実味を感じられる味わいが特徴です。
一見地味な印象を受けますが、どっしりとした重厚感もありますし、長期熟成に非常に向いています。
熟成させるごとに見事なコクが生まれ、貴腐菌が付着したものは最高峰の貴腐ワインの原料にもなるのです。
ソーヴィニヨン・ブラン
栽培面積世界第8位のソーヴィニヨン・ブランは、世界中で栽培されている白ワイン用ブドウ品種です。房と粒は小さめで早熟タイプ。産地によって呼び名が異なり、フランス中央部では「ブラン・フュメ」、オーストラリアでは「ムスカット・シルヴァーナー」と呼ばれています。
フランス語で野性的を意味する”ソヴァージュ”が名前の語源とされ、樹勢が強い品種です。
そんなソーヴィニヨン・ブランの特徴の一つとして挙げられるのが、フレッシュな酸味です。
広く栽培されているブドウですが、冷涼な気候のエリアでは特にこの酸味が活きます。
原産地はフランスのロワール地方で、ミネラルが豊富な素晴らしいワインが造られています。
主要産地であるボルドー地方ではセミヨンとブレンドされることが多く、リューセックにおいても生き生きとした酸味と爽やかな香りを与える役割を担っているのです。
ミュスカデル
ミュスカデルは白ワイン用の品種で、ブレンドに使用されるブドウとして知られています。他にも「ミュスカ」「ミュスカデ」という似た名前のブドウがあるのですが、これらは全くの別物の品種です。
ミュスカデルは主に、フランスのボルドー地方やオーストラリアで栽培されています。
リューセックのあるボルドー地方では、セミヨンやソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることで、甘いフレーバーのワインに仕上げられています。
貴腐菌が付着したミュスカデルは貴腐ワインの原料になるのですが、単一品種のワインが造られることはほとんどなく、主にブレンドされる補助品種として使用されています。
リューセックにおいてもブレンドでアクセントを与える役割を担っており、欠かせない品種です。
選び方は実際に購入される際のご参考に。楽しみ方については購入後に是非お試しください。
シャトー・リューセックの選び方
一つ目の選び方としては、ファーストワインかセカンドワインかどうかというものです。ファーストワインとは、厳選したブドウを使用したシャトーのフラッグシップである最高品質のワインを指します。
セカンドワインとはファーストに次ぐ2番手のワインのことです。
そしてリューセックの中でも「シャトー・リューセック」と表記されているものは、ファーストワインです。
セカンドワインは「カルム・ド・リューセック」という名称になっています。
ファーストワインであるシャトー・リューセックは、最高品質ということもあり、お値段も比較的高め。
徹底的な品質管理のもとに育てられた上質なブドウだけを使用し、世界最高峰の白ワインとなっています。
そのこだわりは、ブドウの質が悪かった年は生産を行わないという徹底ぶりです。
ロートシルト家こだわりの樽を使用した樽発酵を採用しており、熟成期間は30か月。
濃密な果実味とフレッシュな酸が感じられ、貴腐ワインならではの極上の甘さをお楽しみいただけるでしょう。
そしてカルム・ド・リューセックですが、セカンドということもあり安価であることが魅力的です。
また、約18か月の熟成が行われており、蜜ような甘さと豊かな風味を感じられます。
ファーストワインとの違いを挙げるとすれば、親しみやすい味わいであること、香りがよりフレッシュであることでしょう。
あまり飲み慣れていない方でも気軽にお試しいただける、飲みやすい逸品となっています。
また、リューセックでは甘口の「シャトー・リューセック」や「カルム・ド・リューセック」のほかに、辛口の「エール・ド・リューセック」が造られています。
そのため、辛口か甘口のどちらか好きな方をお選びいただくのも一つの手です。
エール・ド・リューセックは、豊かな果実の香りと瑞々しさが特徴です。
また、ブドウ本来の風味が感じられ、丸みを帯びた味わいに仕上がっています。
そして、有名ワイン評論家であるロバート・パーカー氏に、「ソーテルヌの辛口の中で最も人気のあるワインの一つ」と評価された実力の持ち主でもあります。
辛口でふくよかな味わいがお好みという方や、実力重視という方におすすめです。
シャトー・リューセックの楽しみ方
蜜のような甘みと芳醇な風味が魅力的と言えるリューセックは、シーフードとのペアリングが良好です。例えば、エビなどの甲殻類を使った料理や、お寿司などによく合うでしょう。
また、濃厚な甘みがあるので、デザートと合わせることも可能です。
使えるシーンとしては、普段の食事以外にもパーティーといった華やかな場におすすめ。
第1級に格付けされるほどの高い品質であり、特別な空間に華を添えてくれることは間違いありません。
さらに、世界最高峰とも言われるワインですので、お世話になった方へのプレゼントとしても最適です。
ファーストワインである「シャトー・リューセック」は購入後すぐに開栓して飲むこともできますが、ヴィンテージから20年は熟成に耐えるとも言われる熟成向けのワインです。
熟成させるほど複雑さや深みが増しますので、お好みの期間を寝かせておいて楽しむことも出来るでしょう。
お手頃価格の「カルム・ド・リューセック」は普段使いのデイリーワインとして使用するのがオススメです。
甘口で飲みやすいため、女性の方にも喜ばれます。
また、その他の貴腐ワインと飲み比べてみても面白いでしょう。
特にソーテルヌと同じく「3大貴腐ワイン」と呼ばれる、ドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」やハンガリーの「トカイ」の貴腐ワインと比較すると、それぞれの特徴や好みが分かると思います。
いずれにしても貴腐ワインは温度が高いと甘味が過剰に感じられる特徴がありますので、スッキリ心地よく飲みたい時は6℃~8℃くらいに冷やして飲むのがオススメです。
素晴らしいテロワールの厳選されたブドウを使って造られた「シャトー・リューセック」。
並外れた品質を誇る最高峰の貴腐ワインを、是非一度お試しになってみてはいかがでしょうか。
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