ソーテルヌ バルザック Sauterne et Barsac
ソーテルヌ・バルザックのワインの特徴と通販での選び方
世界最高峰の甘口ワインを生産する銘醸地、ソーテルヌ・バルザック。 ここでは、ソーテルヌ・バルザックのワインの特徴と通販で購入する際のポイントについてまとめています。
ボルドーというと、「メドック地区、サン・テミリオン地区」など、辛口の赤ワインで有名ですが、「ソーテルヌ・バルザック」は甘口白ワインの大産地として知られています。
ソーテルヌは丸石や砂利などが多い土壌となっており、地中は粘土石灰質の土壌で「ソーヴィニヨン・ブラン」「セミヨン」という白ブドウ品種が育ちやすい環境が揃っています。
また、ソーテルヌ・バルザック地区は朝霧が出やすく、午後には晴れて乾燥するという特異な気候風土のため、ボトリティスシネレア菌という貴腐菌がつきやすい気候条件が特徴的です。
このボトリティスシネレア菌は、一般的にはブドウを育てるにあたって害となりますが、ソーテルヌ・バルザック地区のような気候条件の場合はブドウの糖度が高まり、極上の白ワインを生み出す原料へと変化します。
その証拠に、ソーテルヌの最も高い場所に位置している「シャトー・ディケム」は、「ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ」「ハンガリーのトカイアスー」と並ぶ「世界三大貴腐ワイン」として有名です。
原産地呼称であるAOCソーテルヌを名乗れる村は、「ソーテルヌ村、ブレイニャック村、ボンム村、フォルグ村、バルザック村」の5つで、バルザック村は「AOCソーテルヌ」か「AOCバルザック」を自由に名乗ることが可能です。
AOCとは、「アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ」という原産地呼称制度のことです。
これは、その地域特有のブドウ品種、栽培方法、醸造スタイル、地名表示を守るためにある法のことで、「原産地呼称制度」とも呼ばれます。
これら原産地呼称を名乗る「ソーテルヌ・バルザック」のワインは、そのほとんどが甘口ワインですが、一部辛口白ワインが生産されており、希少価値が高いとワイン愛好家からも人気があります。
そんなソーテルヌ・バルザックですが、ボルドーの名産地「メドック地区」「サン・テミリオン地区」と同様に格付けが存在しています。
この格付けは1855年に開催されたパリ万博の際に制定されており、極甘口の貴腐ワインを対象に「プルミエ・クリュ」と「ドゥジエム・クリュ」の2つに格付けされています。
ちなみに、世界三大貴腐ワインの「シャトー・ディケム」のみ、「プルミエ・クリュ・シュペリュール」という上記以外の特別な格付けがなされています。
そんなソーテルヌ・バルザックのワインですが、黄金色をしたとろみのある甘口ワインで、「杏、ハチミツ、花」を思わせる華やかな香りが特徴的です。
口当たりは非常にまろやかながら、酸がしっかりと残っているので後味はとてもすっきりとした印象もあります。
もちろんシャトーによっては、甘さやとろみを控えた繊細で風味の穏やかな甘口ワインが生産されていたりと、熟成の年数によってもそのスタイルは変わってきます。
他のワインと比較してみるとどうでしょうか。
同じく世界三代貴腐ワインとして有名なドイツの「トロッケンベーレンアウスレーゼ」は、「リースリング」などドイツのブドウ品種が使用されているため、甘みが強く酸も強めです。
一方で「ソーテルヌ・バルザック」の貴腐ワインは「ソーヴィニヨン・ブラン」「セミヨン」が使用されているため、甘さも強過ぎず酸もドイツの甘口ワインより穏やかな印象があります。
その中でも、特にソーテルヌ・バルザックにとって重要なブドウ品種をご紹介していきます。
セミヨン
「セミヨン」は、ソーテルヌ・バルザックの甘口ワインにとって最重要といっても過言ではないブドウ品種です。セミヨン自体は早熟タイプで際立った香りはなく、繊細で骨格のある白ワインが生まれます。
病害に強く栽培しやすいため収量が多い品種でもあり、糖度が高くなりやすく果皮に貴腐菌がつきやすいという特徴があるため、ソーテルヌ・バルザックの貴腐ワインでは古くから愛されています。
酸がそこまで強いタイプではないので、「ソーヴィニヨン・ブラン」「ミュスカデル」というブドウ品種とブレンドして使われる事が多いです。
ソーヴィニヨン・ブラン
ボルドーの主要品種でもある「ソーヴィニヨン・ブラン」は、一般的には辛口に仕立てられますが、ソーテルヌ・バルザックでは甘口白ワインの原料として活躍しています。「ハーブ、花、青りんご、レモン」といった芳香豊かな香りを放つ品種ですが、酸もしっかりとあるためフレッシュさが魅力的なワインを生み出します。
こちらも貴腐菌がつきやすい品種であり、ソーテルヌ・バルザックでは古くからこのソーヴィニヨン・ブランが採用されています。
甘口白ワインに華やかな香りをプラスしてくれる、重要な品種です。
ミュスカデル
ソーテルヌ・バルザックで大切にされている品種のひとつに、「ミュスカデル」というブドウ品種があります。果皮が薄いため、「セミヨン」「ソーヴィニヨン・ブラン」と同じように貴腐菌がつきやすく糖度が高まりやすい品種として知られています。
ハチミツを思わせる非常に甘い香りをまとうことで知られており、甘口ワインに華やかでエレガントな香りをプラスします。
通販でどのワインを選べば良いか迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。
ここからは、ソーテルヌ・バルザックのワインを通販で選ぶ際のポイントや、楽しみ方について解説していきます。
ソーテルヌ・バルザックのワインの選び方
ソーテルヌ・バルザックのワインを通販で購入する場合、まずは格付けを参考にしてみると良いでしょう。「ソーテルヌ・バルザック地区」では格付けがシャトーになされているので、良い品質のワインを探す際の指標になるはずです。
ただし、この格付けに入っていないからとか階級が下だからとか、そういったことで品質が劣っているということではありません。
あくまでも、それぞれのシャトーの哲学や特徴を比較検討して、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
一部辛口の白ワインがあるものの、貴腐ワインで有名なソーテルヌ・バルザックは全体的に甘口のワインが多くなっています。
シャトーによっては極甘口というわけではなく、少々爽やかで甘過ぎないすっきりとした甘口ワインを造るところもありますので、シャトーの味わい別で探してみるのもよいでしょう。
そして、ソーテルヌ・バルザックのワイン選びで重要になってくるのが熟成度合いです。
ワインのラベルには年代が記載されていますが、これはそのワインに使われているブドウの収穫年を表しています。
この収穫年をワイン用語では「ヴィンテージ」と呼んでいますが、数字が若ければ若いほど味わいがフレッシュな傾向があります。
ソーテルヌ・バルザックでは甘口ワインが多く生産されていますが、この「ヴィンテージ」によっても味わいの個性が大きく変わってくるのです。
例えば若いものは「ハチミツ、杏、花、ハーブ」の香りに、酸はしっかりと残しながらも甘さの中にフレッシュさを感じさせます。
それに対して5~10年以上熟成させたものは、「ハチミツ、ジャスミン、花の蜜」などがより濃い風味になって口当たりが良くなり、酸も穏やかになりどっしりした印象に変化しています。
このように熟成度合いによって味わいの特徴が変わってきますので、丁度よい熟成度合いのものを探してみるのも良いでしょう。
迷った場合は少々価格が高騰しますが、当たり年(2010年、2009年、2005年、2000年、1998年、1990年、1988年)から選んでみるのもおすすめです。
ソーテルヌ・バルザックのワインの楽しみ方
ソーテルヌ・バルザックのワインをお楽しみになる場合、ワインのコンディションからこだわることをおすすめします。特に、冷やしてお飲みいただくとより一層美味しく感じられることでしょう。
ソーテルヌ・バルザックの甘口ワインは、甘さだけでなく酸もしっかりと残ったとても上質な仕上がりですので、しっかりと冷やすことにより甘さと酸のバランスが取れます。
その上、少し時間が経過して温度が高くなるにつれて変化する香りも楽しむことができるのです。
逆にやや温度が高い状態の場合ですと、甘さが際立ち過ぎて全体のバランスが崩れてしまい、ワインが本来持っているポテンシャルを楽しむことができない可能性がありますので、注意が必要です。
続いて、ソーテルヌ・バルザックのワインのお食事との合わせ方をご紹介します。
まずおつまみですが、甘口ワインはブルーチーズといった個性的な味わいのチーズやスイーツとの相性が抜群です。
それから、ワインをアイスクリームにかけるといった一風変わった方法でも、美味しくお召し上がりいただけます。
ソーテルヌ・バルザックのワインを食卓に合わせるのでしたら、食前酒や食後酒として楽しまれると良いでしょう。
パーティーや大切な人たちとのお食事会の時など、食前や食後に少量提供すれば喜ばれるはずです。
お食事後にデザートワインのようにお使いいただくのもよいでしょう。
また、しっかりとお料理に合わせたい場合は「フォアグラ」といった濃厚でボリューム感のあるお料理がおすすめです。
塩気が強いものや、香りの強いお料理にも合わせやすい特徴があるので、ぜひお試しください。
また、ソーテルヌ・バルザックのワインの中には高級ワインも多くあり、世界三大貴腐ワインとしてのブランド感もあります。
そのためプレゼントに使ったり、お祝いの席などに提供しても喜ばれるでしょう。
甘口ワインは飲み方が難しいイメージがあるかもしれませんが、普通のワインと同じように気軽にお使いいただける素晴らしいワインです。
無理にお食事に合わせずとも、例えば一人で過ごすリラックスタイムに単体で飲んでも充分に楽しめるでしょう。
世界三大貴腐ワインに数えられるソーテルヌ・バルザックのワインをぜひ、この機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか。
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