エティエンヌ・ソゼの特徴と通販での選び方
ピュリニー・モンラッシェで最高の生産者の一人と称される「エティエンヌ・ソゼ」。
古典的なスタイルを貫く味わいは、世界中の多くのワイン愛好家を魅了しています。
こちらでは、そんなエティエンヌ・ソゼの特徴をご紹介いたします。
この地域で造られるワインの99%以上が白ワインです。
これまで数多くの最高級白ワインが産出されており、世界最高峰の白ワイン産地として知られています。
ピュリニー・モンラッシェは、夏は暑く冬は厳しい寒さを持つ大陸性気候で、収穫時に気候が変わりやすい地域。
そのため、毎年ブドウの出来が変化しやすく、ヴィンテージによって様々な味わいのワインに仕上がるのも魅力の一つです。
そんなピュリニー・モンラッシェの代表的な生産者として名前が挙がるのが、「エティエンヌ・ソゼ」と「ドメーヌ・ルフレーヴ」。
ドメーヌ・ルフレーヴは世界最高峰の白ワインを生みだす、約200年の長い歴史を持つ名門ドメーヌ(ブドウの栽培から瓶詰まで行う醸造者)です。
イギリスのワイン誌「デキャンタ―」に掲載された”世界の白ワイン生産者TOP10”では、見事1位に輝いた実績があります。
そんなドメーヌ・ルフレーヴと並ぶ実力が評価され、ピュリニー・モンラッシェの二大巨頭の一つと称されているのが、今回ご紹介する「エティエンヌ・ソゼ」なのです。
ドメーヌの名前になっている創業者エティエンヌ・ソゼ氏は、1925年の結婚を機に夫人の両親からわずかな畑を譲り受けます。
そのわずかな畑を元にドメーヌを設立したことが、エティエンヌ・ソゼのワイン造りの歴史の始まりです。
元々ブドウ栽培と農業を営んでいた旧家の畑であり、徐々に拡大され、12haほどの広さになりました。
そして、エティエンヌ・ソゼ氏の一人娘であるコレットは三人の子供に恵まれます。
その一人である長女のジャニーヌと、2代目当主であるジェラール・ブード氏はボーヌの醸造学校で知り合いました。
ジェラール・ブード氏はディジョン大学で醸造について学び、ヴォルネィの名門ドメーヌ「プース・ドール」で修行を積んだ人物です。
ソゼ氏の孫娘であるジャニーヌとジェラール・ブード氏は1974年に結婚。
その翌年の1975年に創業者エティエンヌ・ソゼ氏が亡くなったため、エティエンヌ・ソゼを引き継ぐことになったのです。
畑の相続権はソゼ氏の一人娘のコレットにありましたが、相続税の関係もあり、孫三人が分割することに。
そこで孫の一人のジャン・マルクが畑の相続を要求し、娘コレットと孫たちの間で畑の相続権をめぐる争いが起きてしまいます。
結果的にはジャン・マルクが自身で立ち上げたドメーヌに一部の畑を取り込み、エティエンヌ・ソゼの畑は約3分の2にあたる9haまで減少してしまいました。
このような事情で畑の土地が減少したため、生産量が追いつかないという危機に陥ります。
それを補うためにジェラール・ブードはドメーヌの看板を下ろし、ネゴシアン(卸売業者)として他から購入したブドウでワインを造るようになったのです。
このことから1991年以降ラベルにドメーヌの文字は入っていませんでしたが、90年代の後半には経営も落ち着き、品質は以前のレベルまで戻っています。
通常ドメーヌのブドウと他から購入したブドウを取り扱う場合は、それぞれ分けて瓶詰されることが一般的です。
しかし、エティエンヌ・ソゼはそれを行わず、双方のブドウを混ぜてワインを造っています。
それは信頼できる契約農家から高品質のブドウを購入しているからこそ実現したのです。
エティエンヌ・ソゼは「元詰め」の先駆者としても知られています。
元詰めとは、自社畑でのブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでを一貫して行うこと。
エティエンヌ・ソゼは1935年頃から元詰めを開始していましたが、その当時は設備が整っていないなどの理由から、栽培から醸造まで一貫して行うのが難しく画期的でした。
そのような時代から元詰めを行っていたのは、自社畑で栽培するブドウとワインに対して自信と誇りがあったからだと言えるでしょう。
そんなエティエンヌ・ソゼのブドウ栽培ですが、2006年からは「ビオディナミ農法」を取り入れています。
ビオディナミ農法とは、化学肥料を使用せずに有機肥料を使用する、ビオロジック農法(有機栽培)をベースとした農法です。
ビオディナミ農法では月や星などの位置を記した播種(はしゅ)カレンダーや、牛糞・たんぽぽなど自然素材の肥料をします。
2006年に開始されて以降試験期間を経て、2010年からは全ての畑でビオディナミ農法が実施されるようになりました。
ビオディナミ農法によって造られたブドウは、収穫後除梗せずに空気式圧搾機でプレスされます。
そして、24時間かけて果汁を冷却し、小樽に移してからアルコール醗酵をした後に熟成。
熟成中は何度も試飲をして、必要に応じてバトナージュ(沈殿している澱をかき混ぜる作業のこと)が行われます。
その後ステンレスタンクに移し替えて6か月の熟成を経た後、清澄(ワインの透明度を上げる作業)と、濾過を軽く行ってから瓶詰めされます。
2000年にはジェラール・ブードの娘のエミリーが参画し、2002年にはエミリーの夫であるノワ・リフォーもワイン造りに加わりました。
エティエンヌ・ソゼの人気は創業者ソゼの時代から衰えず、世代が変わってもワイン造りの信念が受け継がれ続けています。
シャルドネは白ワイン用のブドウの代表的な品種の一つで、”白ワインの女王”とも呼ばれています。
フランスのブルゴーニュ地方が原産地とされており、マコネ地区のシャルドネ村が原産とも言われていますが、現在までに証明はされていません。
世界中で広く栽培されているシャルドネですが、その理由は環境への適応力が高いことが挙げられます。
温暖な土地から冷涼な土地までどこで栽培しても上質なブドウが育ち、良質なワインに仕上がることが魅力の一つと言えるでしょう。
また、風味や味わいといったブドウ自体の個性があまりなく、育った土地の環境(土壌や気候など)、造り手の技術や醸造方法によってワインの味わいは大きく変化します。
例えば、温暖な土地ではクリーミーでコクのある味わいに。冷涼な土地では上品さを感じるすっきりとした味わいに仕上がります。
土壌やテロワールによって、様々な特徴に育つのも魅力の一つです。
エティエンヌ・ソゼのあるブルゴーニュきっての白ワイン生産地「ピュリニー・モンラッシェ」で育つシャルドネは、畑に含まれる石灰や泥灰土によって、ミネラルが豊富に含まれます。そして少し強い酸味と、なめらかで洗練された味わいになるのが大きな特徴です。
また、樽での醗酵、熟成がシャルドネを使用した醸造方法の一般的なスタイルであり、実際にエティエンヌ・ソゼでもそのように造られています。
エティエンヌ・ソゼのワインは、樽での熟成を行うことによってしっかりとした骨格になりますが、若いうちは樽香が強めです。
長期熟成向けに造られているため、そこからさらに熟成させることによって、より複雑な味わいを楽しむことができます。
エティエンヌ・ソゼは世界最高峰の白ワイン銘醸地であるピュリニー・モンラッシェに拠点を置くドメーヌです。
白ワインのご購入を検討されているお客様は、是非こちらを参考にお選びいただけましたら幸いです。
エティエンヌ・ソゼの選び方
ブルゴーニュ地方では畑ごとに階級が設定されており、最上位の特級を「グラン・クリュ」、次いで第1級を「プルミエ・クリュ」と表現します。ブルゴーニュのワイン名は、最初に畑やAOCの名称、続いて生産者、ヴィンテージの順で記載されるのが一般的です。
エティエンヌ・ソゼは、いくつかのグラン・クリュ(特級畑)、プルミエ・クリュ(1級畑)で栽培された高品質なブドウだけをワインに使用しています。
それぞれの畑によってワインの味わいが異なるため、比較した上でお好みの味わいを選ぶと良いでしょう。
それでは、エティエンヌ・ソゼにおいて代表的な畑の特徴をご紹介いたします。
■シュヴァリエ・モンラッシュ
シュヴァリエ・モンラッシュは、モンラッシェの上部に位置しているグラン・クリュです。
”騎士”の名を冠するこちらの畑は、造り手によってはモンラッシェを凌駕するとも言われています。
鋼のように屈強なミネラル感と鋭い酸味が特徴で、これらはシュヴァリエ・モンラッシュの土壌、標高からもたらされるものです。
また、こちらで栽培されているブドウは上品さを与え、長期熟成向きのスタイルのワインに仕上がります。
■ピュリニー・モンラッシェ・レ・ペリエール
1級畑のピュリニー・モンラッシェ・レ・ぺリエールは、石灰質の土壌の下にマールと呼ばれる泥灰岩層になっている土壌が特徴です。
ぺリエールはフランス語で”採石場”を意味しており、その名残を感じさせるようなごつごつとした土壌となっています。
そのような特徴を持つ土壌で育つブドウは強靭なミネラルを含み、引き締まった力強い味わいが特徴のワインが生まれます。
■ピュリニー・モンラッシェ・レ・フォラティエール
ピュリニー・モンラッシェ・レ・フォラティエールは、モンラッシェの中で最も広い1級畑として知られています。
特級畑シュヴァリエ・モンラッシュとほぼ同じ高さの標高で、日当たりが非常に良い畑です。
こちらで育つブドウはミネラルを豊富に含み、なめらかな口当たりとしっかりとしたボリューム感を持つワインに仕上がります。
■ピュリニー・モンラッシェ・レ・コンベット
ピュリニー・モンラッシェ・レ・コンベットは、ピュリニーの代表的な1級畑の一つです。
数ある1級畑の中で最も北部に位置し、ムルソー村の1級畑シャルムに隣接しています。
石灰質の土壌が特徴で、エティエンヌ・ソゼの主要品種であるシャルドネに非常に適した環境です。
シャルムに隣接していることもあり、ムルソーの特徴である柔らかなコクのある風味と、ピュリニーの特徴である屈強なミネラルが合わさった味わいが生まれます。
一般的にはクリュの階級が上がるほど価格も高くなりますが、エティエンヌ・ソゼの所有するクリュで造られるワインは、いずれも高品質で素晴らしい味わいとなっています。
ワインショップソムリエではソムリエが厳選したワインだけを取り揃えておりますので、安心してお選びいただけましたら幸いです。
さらに、エティエンヌ・ソゼのワインの特徴として、有機栽培によって造られたブドウを使用していることが挙げられます。
化学肥料や殺虫剤を使わずに自然を重視して造られているというわけですね。
そのため、健康志向の方や自然派ワインを探されている方にも是非おすすめしたいドメーヌです。
エティエンヌ・ソゼの楽しみ方
エティエンヌ・ソゼの特徴の一つでもあるのが、一度樽での熟成を行った後に、ステンレスタンクに移し替えてさらに6か月間行われる熟成です。購入後にすぐに開栓しても充分に樽の風味をお楽しみいただけますが、若いヴィンテージのものは樽香が少し強めに感じるかもしれません。
エティエンヌ・ソゼの多くは早飲みタイプではなく、時間が経つにつれてより複雑な味わいと香りに変化していきます。
そのため5年以内の若いヴィンテージなどは、お好みの熟成度合いになるまで寝かせておくのも楽しみ方の一つでしょう。
料理と一緒に楽しむ場合は、魚介系の食材と合わせるのがおすすめです。
例えば、魚介をふんだんに使ったペスカトーレビアンコや、鯛のカルパッチョなどと合わせることで、エティエンヌ・ソゼの豊富なミネラルと果実味がより引き立ちます。
また、エティエンヌ・ソゼのワインは、女子会やパーティーなど華やかな場にも最適です。
グラン・クリュはもちろんプルミエ・クリュのワインも負けず劣らずの高品質ですので、大切な方へのプレゼントにお選びいただくと大変喜ばれるでしょう。
他の白ワインと飲み比べる場合はどうでしょうか。
エティエンヌ・ソゼのワインに使用されているシャルドネは、産地の気候や土壌などによって味わいに違いがでる品種です。
同じブルゴーニュ地方の白ワインと飲み比べて、違いを楽しむのも面白いでしょう。
贅沢ですが、エティエンヌ・ソゼと共にピュリニー・モンラッシェ二大巨頭と称される、「ドメーヌ・ルフレーヴ」との飲み比べもおすすめです。
世代が変わっても伝統に忠実で、ぶれない味わいが魅力の「エティエンヌ・ソゼ」。
ピュリニー・モンラッシェを代表するドメーヌが生みだす世界最高峰の白ワインを、是非この機会にご堪能されてみてはいかがでしょうか。
入荷してすぐに売り切れる大人気のワインですので、見かけた際はお早めのご購入をおすすめいたします。
タイプで絞り込む
赤ワイン
白ワイン
泡(シャンパン)