ロイヤル・ハウスホールド
ROYAL HOUSEHOLD
英国から唯一、日本のみ販売が許可された、「究極の一杯」として語り継がれる幻の王室御用達ウィスキー |
「Royal Household」という名前は、そのまま「英国王室」を意味し、かつて英国王室専用に作られていたブレンデッドウイスキーを指します。このウイスキーの歴史は、英国王室との深い関わりを物語るものです。1897年、ジェームズ・ブキャナンが手掛けたブレンデッドウイスキー「Buchanan’s Blend(ブキャナンズ・ブレンド)」は、当時非常に人気を博していました。この成功を受け、当時のイギリスの皇太子(後のエドワード7世)は、「自分専用のブレンデッドウイスキーを作ってほしい」とブキャナンに依頼したのです。ブキャナンが英国王室に提案したいくつかのブレンデッドウイスキーの中で、皇太子自身が選んだ一本が、後に「Royal Household」と名付けられました。そして、その翌年、1898年に皇太子から「ロイヤル・ワラント(王室御用達)」の称号が与えられ、彼がエドワード7世として即位した際には正式に王室御用達のウイスキーとなったのです。 実際にこのウイスキーに名前を付けたのは、エドワード7世の弟であるヨーク公(後のジョージ5世)でした。当時、英国王室御用達の証として「The Royal Household」という冠詞付きの名前が採用され、王室専用のブレンデッドウイスキーとして誇り高く位置づけられました。
このウイスキーは、当時一般には手に入らないものでした。主にバッキンガム宮殿で振る舞われたり、ヘブリディーズ諸島のローデル・ホテルのバーで提供されたりしていたとされています。また、オリジナルレシピがこの地域で誕生したとも言われています。そのため、当時は「Royal Household」を一般の人が飲むことはほとんどできませんでした。 1920年代、皇太子だった昭和天皇が英国を訪問した際、英国王室から「Royal Household」を振る舞われたことがあります。この出来事をきっかけに、英国と日本でしか味わえない貴重なウイスキーとしての地位を確立しました。 時代が進むにつれ、1993年に英国王室御用達の認証である「ロイヤル・ワラント」の見直しが行われ、「The Royal Household」はそのリストから外されました。この結果、ウイスキーのラベルから冠詞「The」が外され、「Royal Household」として販売されるようになりました。現在、「The」の付いたボトルは非常に希少で、オールドボトルとして高い価値を持っています。
その名が示すように王室の威厳と誇りを感じさせる名品。市場に出回ることがほとんどないため、手に入れるのは困難ですが、その希少性と歴史的価値は計り知れません。スコットランドの大地と歴史が詰まった一杯は、王室だけでなく、ウイスキー愛好家の心も虜にし続けているのです。 45種類にも及ぶ原酒(ダルウィニーをキーモルトとして使用し、特別に選りすぐられた原酒)を使用しています。 まるでスコットランド全土の風味を一杯に凝縮したかのような仕上がり。香り豊かでありながらも、飲み心地のよさを兼ね備えたその味わいは、繊細で、気品漂う風格に溢れたスコッチです。