アゴラ AGORA
ボデガス・アルスピデ BODEGAS ARUSPIDE
かつて古代ギリシャで人々が集まっていた
広場や市場は「アゴラ」と呼ばれていました。
今でもヨーロッパでは、広場に人が集まり、
カフェやベンチでおしゃべりしている姿を見かけますよね。
今も昔も、広場での交流は
ヨーロッパでは欠かせないものです。
また、アゴラとは
道が集まるところでもありました。
周囲の街から物が、言葉が、
そして文化や技術が運び込まれ混じり合い、
新しいものが生まれる場でもあったそうです。
【マセラシオン・カルボニック】
本来は、色素や味わいを短期間で抽出し赤ワインを作るための
技法で、ボジョレーヌーボーなど、フレッシュさが命の
赤ワインに用いられる技法です。
しかし、醸造家のフェデリコは更にこだわり、ぶどうの一粒一粒を「ワイン玉」に変えてから造る、という一風変わった手法でワインを作ります。
香りを飛ばしてしまう一番の要因は酸化。
せっかくフレッシュな果実を収穫しても、絞ったあとぐずぐずしていると、ワインの香りや味わいががどんどん失われていきます。
それを防ぐためにも、通常は酸化防止剤を使うのですが…
①まず茎からブドウの果実を外す
②身を砕かず、そのままタンク一杯に詰める
③二酸化炭素でタンク内を一杯にし、
酸素が触れないようにする
④ワインの実をそのまま潰さず、アルコール発酵させる
こうして、数日間を経た『ぶどうの果実』は、『ワインが詰まったブドウ玉』へと姿を変えます。
(この時点ではアルコール度は5~6%だそうです。)
二酸化炭素 + 果皮というバリアによって酸化から守られたフレッシュな果汁は、アロマを失うことなく凝縮味たっぷりのワインになります。
この実を搾ると・・・
もちろん、ジュースではなくワインが絞られます。
この後樽にワインを移し、更に発酵を続けて通常の白ワインへと仕上げてゆきます。
手順だけ聞くと簡単なのですが、この話を他の生産者にすると、「ある程度安定した酒質の赤ワインなどで行う例はあるが、白ワインでやった人は見たことがない!」と他の醸造家はとても驚きます。
ワインへと醸造するまでの間調整を続ける必要があり、非常に難易度が高いため、やり方を知っても実行できる人はそうそういません。
(だからこそ、フェデリコはこの方法を企業秘密にするでもなく、オープンに誰にでも教えます)
アルスピデは、今スペインで最も注目される、自然派生産者!酸化防止剤無添加、完全無農薬栽培・・・
複数の公的機関が認定、畑からワイン造りまでまるごと自然派の長い伝統を持つワイナリーです!
醸造家=エノロジスト は、ずっと蔵にいるわけではありません。良いワインには良いぶどうが必要。そのため、毎日ブドウ畑を見て回ります。醸造学校で教鞭をとるお父さんと一緒に回り、教えてもらうことも・・・
入口に並ぶツボはアンフォラと呼ばれる昔ながらのワイン造りの道具です。(アルスピデではまだまだ 現役)
同じものが地下セラーに並び、ワイン造りの最初の段階はこのツボの中で行われます。
樽の中のワインはここで静かに熟成します。例え地上が40℃を超えても、この地下深いセラーはひんやり15度前後を保ち続けます。
自然派ワインは繊細な生き物。
健康に熟成が進んでいるかどうか、こうやって頻繁にチェックしているのです。
最終チェック。満足行く出来栄えです!
毎日の厳しい仕事も、この時の為。